大阪龍馬会

1987年に創立して2017年は創立30周年。龍馬好きの集まった大阪龍馬会が龍馬会の活動をお知らせします。

篤姫マーク決め手 米博物館にあった「駕籠」里帰り

2009-01-16 14:03:00 | 展示会・イベント
 NHK大河ドラマ「篤姫」のヒロインとして話題になった天璋院篤姫の婚礼用の駕籠(かご)(女乗物)が、江戸東京博物館(東京都墨田区)の特別展「珠玉(たま)の輿(こし)~江戸と乗物~」で公開されている。この駕籠は長い間所在が分からなくなっていたが、ドラマを放送中の昨年7月、米スミソニアン博物館で現存が確認された。米国での発見時には“正体不明”とされていた駕籠が、篤姫所用の品と認められ、久しぶりの“里帰り”を果たすことになった決め手とは-。(萩原万貴枝)


 駕籠は、篤姫が徳川13代将軍、家定との婚礼(1856年)の際に使用されたものとみられる。駕籠が海外へ渡った経緯は謎に包まれている。調査を担当した同館学芸員、斎藤慎一さんは「これまでに江戸時代の駕籠が海外で見つかる例は多く、今回の篤姫の駕籠もそのひとつ」と話す。ただし海外流出の時期やルートも「一切分かっていません」。1868年の江戸城開城後、明治新政府の一策により海外に売却されたともいわれるが、それも推測の域を出ないという。


 はっきりしているのは、1984年、サザビーズ(ロンドン)のオークションに出品されたこの駕籠を、古物商を経て、スミソニアン博物館が購入・所蔵したということのみ。同博物館で調査したところ、駕籠には、由来の解明につながる添付資料もなく、制作者のサインも見当たらなかった。ただ、駕籠の“黒漆塗りに家紋を散らし、唐草文様の蒔絵(まきえ)を施した外装”は、当時の風俗書による「最上級の女乗物」の記述と一致。家紋は近衛家の牡丹紋と徳川家の葵紋とわかった。


 今回の斎藤さんの調査で、決定的な“証拠”となったのは、「二葉葵唐草(ふたばあおいからくさ)」の文様だった。


 「二葉葵唐草は、篤姫の婚礼調度に用いられた“篤姫専用マーク”です。その蒔絵が施されていた。また、12代将軍の側室で篤姫の義母にあたる本寿院(ほんじゅいん)の駕籠が日本に現存しているのですが、形状などを比べると、同時代に同一の工房で制作されたことがうかがわれた」


 会場では、篤姫と本寿院の駕籠が横ならびで展示されている。内装をのぞくと、上部は格式の高い「格(ごう)天井」で仕上げられ、側面には源氏物語の一場面「胡蝶」の図が描かれている。まさに“動く御殿”のそろい踏みだが、2つの「胡蝶」をじっくりと見比べると、同一場面ながら構図や筆のタッチに微妙な違いがある。精巧なのは将軍正室・篤姫のほう。こんなところに正室と側室との“格差”が-なかなかシビアだ。


 会場には、大河ドラマで使用された篤姫の駕籠も展示されている。制作時にはまだ、篤姫の駕籠の存在が知られていなかったため、NHK美術チームが参考にしたのは、薩摩藩の支藩の姫が婚礼に使った駕籠だった。文様の違いや材質の差はあるものの、全体的な印象は、なかなか実物に近い。他に徳川家康の駕籠なども展示され、貴人の乗物を通して江戸という時代にアプローチできる。


 2月1日まで。問い合わせはTEL03・3626・9974。


1/14  産業経済新聞社


よければ下記をクリックしてください。
人気ブログランキングへ
一日一回クリックしてもらえたらうれしいです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿