人事・労務ニュース

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アルバイト過労を労災認定 残業160時間 統合失調症発症

2009-11-30 | 労災
 アルバイト過労:労災認定 残業160時間、統合失調症

 月160時間を超える残業をしていた神奈川県在住の元コンビニエンスストアのアルバイト男性(42)が、過重労働が原因で統合失調症を発症したとして労働災害が認定されたことが分かった。長時間・過重労働などを原因とする過労死、過労自殺の労災認定は、増加傾向にあるが、アルバイトなど非正規雇用労働者の過労労災認定は珍しい。長時間労働が正社員だけではなく、非正規まで広がっていることを浮き彫りにした。

 男性や労災申請を支援した神奈川労災職業病センターによると、男性は神奈川県内の「サークルKサンクス」で1998年からアルバイトしていた。次第に労働時間が長くなり、もうろうとして働いているところを家族が見つけ、07年11月に仕事を辞めさせた。

 申告を受けた労基署は、05年の3月や10月などに月間160時間を超える残業をしている事実をレシートの記録などから確認、「恒常的な長時間労働があり、精神的負荷が強くかかった」ことを原因に統合失調症を発症したとして業務上の災害と認定した。認定は今年9月。

 認定では、男性は05年12月以前に発症したとされ、発症から2年近く症状を抱えたまま働いていたことになる。

 男性の労働時間を記録したメモによると、この間、月に350~529時間働いていた。ほとんど、店に寝泊まりして働く状態で、賃金は30万円の固定給与だったという。

 男性は現在、リハビリを兼ねて働いている。同センターの川本浩之さんは「不安定な雇用の中で常軌を逸した働かされ方をしている。非正規にまで広がった長時間労働を改めていく必要がある」と話している。

 長時間・過重労働を巡る労災に関しては、うつ病など精神障害の労災で、08年度は927件(うち自殺148件)の申請のうち、30~39歳が303件、20~29歳が224件と20~39歳で5割を超えている。08年度は労災認定件数が過去最多だった。

 サークルKサンクス広報部は「労災の認定を受けたことは承知しているが、詳しい内容は把握しておらずコメントできない」と話している。

http://mainichi.jp/life/today/news/20091127k0000e040072000c.html

 アルバイトの過重労働に対する労災認定はあまり聞いた事がありませんが、この労働時間、労働環境はちょっと考えられません。そもそもどういう位置づけでアルバイトという名称で雇用していたのかも疑問です。正社員、アルバイト等名称に限らず、労災という形で出てこないだけで、こういった過重労働が常態化している現状というのは、この不況下で増えているように感じます。

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10月失業率5.1%に改善 求人倍率も0.44倍と上昇

2009-11-29 | 雇用情勢
 10月失業率、5・1%に改善 求人倍率も0・44倍と上昇

 総務省が27日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は前月より0・2ポイント低い5・1%で、3カ月連続で改善した。厚生労働省が同日発表した求職者1人に対する求人数を示す10月の有効求人倍率(同)は、前月比0・01ポイント上昇した0・44倍で、2カ月連続で改善した。

 一方で新規求人倍率は同0・01ポイント減の0・78倍と、2カ月ぶりに減少した。厚労省職業安定局は「一連の雇用対策で失業率は改善したが、新規求人の動きが弱く、情勢は依然として厳しい」と、慎重な見方をしている。

 10月の完全失業者数は、前年同月比89万人増の344万人。前年比で12カ月連続増だが、増加幅は前月より縮まった。定年や雇用契約満了、勤め先都合を合わせた離職者数は前年同月比66万人増の152万人。また「自己都合」は6万人増えて、103万人になった。

 男女別の失業率では男性5・3%(前月比0・3ポイント減)、女性は4・8%(同0・1ポイント減)と、いずれも改善。また7~9月期の道内失業率は、前年同月比で0・6ポイント悪化し5・4%。雇用保険受給者は85万5千人で前年同月比43・2%増。

 一方、10月の有効求職者数は286万人(前月比1・6%減)、有効求人数は126万人(同0・9%増)。

 道内の10月の有効求人倍率(季節調整値、臨時・季節雇用を含む)は0・38倍(前月比0・02ポイント増)。4カ月連続の改善だが前年同月を0・05ポイント下回り、都道府県別では青森、埼玉などに次いで10番目に低い値となった。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/202262.html

 失業率の数字だけみると少しずつ改善してはいますが、まだまだ実際の雇用現場での実感は薄いように感じます。特に北海道では他の地域に比べ、改善の動きが弱いようですので、何とか雇用情勢の良化を望みたいところです。

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41%が賃金減、28%が失業不安 調査開始以来最大

2009-11-28 | 調査・報告
 41%が賃金減・28%が失業不安、過去最大

 賃金は減り、失業の不安もかつてなく高まっているが、労働時間は増えそう――。連合総合生活開発研究所(連合総研)が26日発表した「勤労者短観」で、厳しい現実が浮かんだ。家計支出を切りつめている人は9割に上るが、それでも子育て世代を中心に収支が赤字になる世帯が多い。

 民間企業に勤める900人を対象に10月に調査し、796人から回答を得た。1年前より賃金収入が減った人は41%、今後1年間に失業する不安を感じる人も28%に上り、ともに01年の調査開始以来、最大となった。

 一方で、今後1年間の労働時間が「増える」と予想する割合は24%で、「減る」の13%を上回った。雇用削減が進んだことで、残った人の負担増が懸念されているようだ。

 月々の家計収支が赤字なのは20%だが、子どものいる世帯に限れば29%を占めた。支出を切りつめている人は89%で、削っている項目(複数回答)は外食(62%)、趣味・レジャー(48%)、衣料品(44%)の順で多かった。

http://www.asahi.com/job/news/TKY200911260367.html

 こういった調査の数字を見ると不況の深刻さが浮き彫りになりますね。デフレが公表され、消費者にとって物価は安くなっているのかもしれませんが、デフレの影響により収入面で家計は圧迫されます。まずはこのデフレの悪循環から抜け出す事が最優先課題のように思います。

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厚生年金「証拠なし」も救済 厚労省直属委、基準緩和を了承

2009-11-27 | 年金
 厚生年金「証拠なし」も救済 厚労相直属委、基準緩和を了承

 長妻昭厚生労働相直属の年金記録回復委員会(委員長・磯村元史函館大客員教授)は25日、厚生年金の算定基礎となる標準報酬月額が改ざんされた「消された年金」問題などの被害者救済のため、記録訂正の基準を緩和する方針を了承した。改ざんの疑いが強いとされる6万9千件の厚生年金は、証拠がなくても元従業員であることを確認できれば申し立てをすべて認める。

 基準緩和策は、厚労相や委員会の作業部会が検討していた。国民年金の保険料を払った記録のない「消えた年金」問題では、記録の空白期間が2年以内で1回だけの場合、ほかに未納期間がなく、空白期間に配偶者や同居する親族が保険料を納めていたことなどを条件に、空白期間も納付していたと認定する。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091125AT3S2502K25112009.html

 年金記録問題についての記事ですが、政権が代わり、新たな基準による判断が行われるようです。混乱を避けるためにも、新たな基準は明確にするとともに公平な基準としてもらいたいものです。

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雇用調整助成金の要件を12月から緩和

2009-11-26 | 雇用情勢
 雇用調整助成金の要件緩和へ…「戦略対話」初会合

 鳩山首相と労働界・産業界の代表による「雇用戦略対話」の初会合が25日、首相官邸で開かれ、緊急雇用対策として「雇用維持支援」「新卒者支援」「貧困・困窮者支援」の3点に力点を置くことで合意した。

 政府は2009年度第2次補正予算案と10年度予算案に具体策を盛り込む。

 雇用維持支援では、従業員を解雇せず休業などにとどめた企業を支援する「雇用調整助成金」について、12月から支給要件を緩和することを決定。新卒者支援では「産業界が中途採用の拡大に努める」と明記した。

 貧困・困窮者支援では、ハローワークで生活保護手続きなど複数の制度申請ができる「ワンストップサービス」の実施や住宅確保に引き続き力を入れるとした。

 会合は、政府側から首相、菅国家戦略相、長妻厚生労働相ら、労働界から連合の古賀伸明会長、産業界から日本経団連の大橋洋治副会長と日本商工会議所の岡村正会頭がそれぞれ出席した。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091125-OYT1T01134.htm

 製造業を中心に大企業、中小企業問わず活用されている雇用調整助成金ですが、景気の浮揚がまだ見込めないことから今回の緊急緩和の決定になったようです。この助成金の関係については昨年のいわゆるリーマンショック以降、何度も改正が行われております。要件を緩和し、支給額も増額されていますが、それでも今なお活用事業所が多いということが、今回の不況の根の深さを示していると思います。

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厚労省が違法勧誘の破産会社社員への未払い賃金立替を拒否

2009-11-25 | その他
 厚労省が未払い賃金立て替え拒否、違法勧誘の破産会社員らへ…大阪

 違法な勧誘で電話機のリース契約を結ばせたとして業務停止命令を受け、破産した訪問販売会社「メディアサポート」(大阪市)の役員と社員計12人について、厚生労働省は、破産会社に代わって支給する未払い賃金立替払制度を適用しないことを決めた。未払い分は総額約340万円で、「違法な営業を行っていた社員らを公金で救済するのはおかしい」という破産管財人の訴えを認めた。同制度の適用を見送った初のケースといい、悪徳商法に詳しい専門家は「これまで支払ってきたのが問題」と指摘している。

 破産管財人の白出博之弁護士(大阪弁護士会)によると、営業マンらが「黒電話は近く使えなくなる」などと偽って高額な業務用電話機のリース契約を高齢者らと結んだなどとして、経済産業省は2006年7月、特定商取引法違反(不実告知など)で同社に3か月間の業務停止命令を出した。

 同社は6日後、約30億円の負債を抱え、大阪地裁に破産を申請。被害にあった顧客は約430人を数えたが、回収された約3900万円は納税などが優先され、被害者には配当されなかった。

 白出弁護士は、役員と違法勧誘を確認できた社員が立替払制度を受けられないよう、同制度の利用条件となる管財人の賃金未払い証明書を発行しないことにした。同制度には違法企業の社員であることを理由に支給を拒む規定はないが、白出弁護士は「不正な手段で営業した役員や社員を保護するのは問題」と主張し、厚労省も同制度の適用を見送ることを了承したという。

 破産前、同社役員は基本給で月120万円以上、営業担当社員も数十万円を受け取っていた。白出弁護士は「『もらい得』は許せなかった」と話している。

 市民団体「悪徳商法被害者対策委員会」(東京都)の堺次夫会長は「企業を渡り歩いて悪徳商法を繰り返す営業マンは多く、企業が破綻(はたん)するたび未払い賃金を受け取れるとしたら制度の趣旨を逸脱している。今回の判断は市民常識にかなうものだ」と評価している。

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20091124-OYO1T00800.htm?from=main1

 制度の中に定められていないとはいえ、世間一般の常識からして妥当な判断だと思います。被害者が救済されていないのに、社員の未払い賃金が立て替えられるというのは、やはり納得いきません。ただ今回こういった事例が発生した以上、今後業務内容や債務処理の方法等により未払い賃金立替がされないというケースも出てくるかもしれません。

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日本航空年金減額案 現役5割、OB3割

2009-11-24 | 企業
 日航の年金減額「現役5割、OB3割」提案 社長、辞意を強調

 経営再建中の日本航空は23日午後、最大の懸案となっている企業年金の減額についてのOB向け説明会を東京都内で開催した。減益幅については給付額を加重平均で3割引き下げる案を検討していると説明。OBに理解を協力を求めた。

 これに先立ち、日航経営陣は8つの労働組合向けの合同説明会を東京本社で開催。現役社員の給付額については53%減になる案を示した。支援を要請中の企業再生支援機構や取引金融機関との最終調整が済んでいないため最終案ではないが、具体的な減額幅が初めて提示されたことで今後の議論が加速しそうだ。

 また、西松遥社長はOB向け説明会の冒頭、業績低迷で年金減額に踏みこまざる得なくなったことを謝罪。「私自身の責任は痛感している。再生の道筋を付けた後、しかるべき形でけじめを付けたい」と述べ、一定の区切りを付けた後の辞意を改めて強調した。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/im20091123AS3K2300C23112009.html

 連日報道されている日本航空の再建についての記事です。企業年金受給は既得権益とはいえ、ここまで会社が厳しい状況になり、公的資金を投入する段階まできている以上OBにもそれ相応の負担を強いる事はやむを得ないと思います。今まで恩恵を受けてきた受給者の中では反発もあると思いますが、税金を支払っている国民の理解を得るためには正直まだ足りないような気がしないでもありません。

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連合の10年春闘方針案 定昇水準5千円の目安示す

2009-11-23 | 調査・報告
 連合、定昇水準5千円の目安示す 10年春闘方針案

 連合は19日の中央執行委員会で、10年春闘の闘争方針案をまとめた。策定済みの基本方針に基づき、統一的なベースアップ(ベア)要求を見送る一方、定期昇給(定昇)に相当する「賃金カーブ維持分」の確保を掲げ、定昇水準として月額5千円を目安に示した。12月3日の中央委員会で正式決定する。

 連合が賃金カーブ維持分の目安を示すのは従来にない取り組み。厳しい経済情勢を踏まえ、「来春闘は統一的なベア要求を出せる環境にない」と判断したが、傘下労組から「数値目標がないと交渉しにくい」という声が出ていた。

 このため、もともと定期昇給がない中小企業や非正社員の底上げを念頭に、1年勤続した労働者が得られる標準的な昇給の水準を示した。

 団野久茂副事務局長は「中小企業の約8割は定昇制度がなく、大手の定昇と同等の要求をしないと賃金水準は下がる。これ以上、下げさせないための基準だ」と話す。

 パート労働者の時給も、この水準に見合った30円のアップや絶対額1千円程度などの目標を示し、いずれかの実現に取り組むとしている。

 今後、闘争方針を正式決定した後、傘下の産業別組合や単組が個別事情を考慮して要求を固める。私鉄総連など一部の産業別組合は、ベア要求を掲げる方向で検討を進めている。

http://www.asahi.com/job/news/TKY200911190477.html

 ここ数年、景気悪化や企業形態の変化の影響から連合の要求内容も以前と変わってきているように感じます。当然企業あっての労働者というのが前提ですので、企業の状況を見ながらの交渉ということになりますが、来年景気がすぐに回復するとは考えにくく、今後もしばらくはこのような感じでの要求が続きそうな感じがします。

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残業代不払い49社に是正勧告 岐阜労働局

2009-11-22 | 調査・報告
 不払い残業代:昨年度、6割減--労働局まとめ /岐阜

 岐阜労働局は10日、残業代を支払わずに労働基準監督署に是正指導を受けた不払い残業代が、08年度は2億181万円となり、07年度の5億1410万円の4割弱にとどまったと発表した。是正企業数も49社と07年度より5社減った。同労働局は「監督指導の取り組みの成果が出てきたのでは」としている。

 不払い残業代を100万円以上支払った企業の指導事案をまとめた。不払い分を受け取った労働者は、07年度比326人減の2798人。1人当たりの平均支払額は7万円だった。業種別にみると、製造業29社7721万円(対象者543人)▽商業6社4922万円(同1793人)▽建設業4社2016万円(同100人)。

 賃金不払いの労働基準法違反で送検された悪質な事例は昨年比1件増の6件で、休日労働や残業の割増賃金の不払いなどだった。

http://mainichi.jp/area/gifu/news/20091111ddlk21020026000c.html

 是正勧告についての記事ですが、最近労働基準監督署の調査が多くなってきているように感じます。そういった影響やコンプライアンス意識の高まり等もあって労働基準法の周知徹底が進んでいるという現状もあるように思います。

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無保険の中学生以下の子供が2086人 茨城県

2009-11-21 | 社会保険
 無保険の子:茨城県、中学生以下2086人 短期証取り置き--初調査

 茨城県が、国民健康保険税の長期滞納者に交付する短期保険証(短期証)の窓口取り置きの実態調査をしたところ、県内で無保険状態になっている中学生以下の子供が10月末現在、27市町に2086人いることが分かった。県は滞納した世帯主と子供を分けて対応し、子供の短期証取り置きが長期に及ばないよう市町村に促す方針。厚生労働省によると、自治体が独自に短期証の窓口取り置き調査をしたのは初めて。

 水戸市で先月、子供700人以上の短期証が窓口に取り置かれ、問題化したのを受け、県が県内44市町村を調査。34市町村で計2万1958世帯の短期証が取り置きされていた。子供の保険証の取り置き数が100人を超えたのは、水戸市368人▽つくば市206人▽石岡市156人▽鹿嶋市135人▽日立市130人▽境町115人--の6市町。県国民健康保険室は「郵送などで手元に届くよう配慮したい」としている。

http://mainichi.jp/select/science/news/20091120ddm012040007000c.html

 子供が無保険状態になっているということは大きな問題だと思います。昨今の景気悪化により国民健康保険の短期保険証の発行も増加していると聞きますが、こういった手続上の問題で無保険者が出ることは避けてほしいものです。

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