読書感想文

文字通り、読んだ本に関する、ひじょぉ~に個人的な感想文です(^^;。

『アルケミスト―夢を旅した少年』

2009-11-17 12:53:01 | 海外小説
著者:パウロ・コエーリョ
発行:角川書店

【本のカバーに書かれていたあらすじ】
羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。

【個人的感想】
藍那に勧められました。「お母さんは、この時期を、もう過ぎてしまったかもしれないけど」とは言ってましたけど(^^;。本来、読書に関しては人の薦めには乗らない強情な人間なんですが、藍那に薦められては、読まないわけにはいきません。その本自体に対する興味とは別に、藍那は何を感じたのだろうと考えながら読みました。本と自分という閉鎖された関係に、他者を迎え入れられるようになったなぁ~と、我ながら成長を感じました(笑)。

まず最初に、羊の群れが登場します。それで、先日、電車の中吊広告で見た、羊の群れのことを思い出しました。詳しくは、そのことを書いた日記(http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/e/c5f745752c122ec1e94fbd78390ee2ef)をご覧下さい。とにかく、それでまず、親しみが沸いたというか・・・物語に入っていきやすくなりました。
それに、物語の基本にキリスト教思想があるようで・・・更には、さまざまに姿を変えて導く存在が出てきたりして仏教的な思想もあるようで・・・そのあたりにも親しみを感じて、世界観の共有が叶った気がします。
あっ・・・それと、十代の頃、はまりまくっていたSF小説の要素も、大いに感じられました。特に、最後の方の見せ場、主人公が砂漠や風や太陽と問答するあたり、小松左京さん的だなって思いました。

そうそう、小松左京さん的といえば・・・この物語、小説としては、描写の部分に難がありますよね。自然描写とか、人物描写といった、描写に言葉を費やしていないので、あらすじ的というか、プロットを読まされている感じというか・・・ファンタジー的描写が雑すぎるんですよね。そういうところも、小松左京さんと似ている気がしました。きっと、話したいこと、伝えたいことが、いっぱいありすぎるんでしょうね(^^;。

こういってしまうと、元も子もない表現になるんですが、今風の言い方をすると「ポジティブシンキングの薦め」の本だと思うんですよ。でもって、薦められているポジティブシンキングのやり方というのが、わたしは個人的に嫌いじゃないものでしたから、イライラせずに、楽しく読むことはできました。ただ、最終的に手に入れる少年が追い求めていた宝物・・・あれっていうのは、やっぱり日本人には馴染めないものですね。ああなるっていうのは、やっぱり違う文化で育った人の発想だなと思いました。あっ・・・でも、今の日本人なら、むしろ共感するかも・・・そう、あくまでも古い日本人には馴染まない宝物でしたね、はい(^^;。

というわけで・・・藍那は心配してくれましたが、わたしも楽しんで読むことが出来ましたよ。ありがとう。なので、次も、藍那が薦めてくれた『悼む人』を読んでみることにしますね(^^)。

『OBERON日記』
http://blog.goo.ne.jp/oberon-p/
コメント
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