天使のエナジー

「すべてなるものの源」への、愛の告白

ライトワーカーという意識

2010-04-17 21:04:32 | ブックレビュー
新学期が始まってまだ二週間。

非常勤講師として仕事をしている私にとっては、今が一年でいちばん
落ち着かない時期かもしれません。

それでも、今学期の初回の授業もすべて無事終わり、これから一緒に
勉強する学生さんとの顔合わせが済んだら、気分的にずっと楽になり
ました。

これから自分が担当する各クラスに、どんな人がいるのかはもちろん、
クラス全体の生み出すエネルギーがどんなものか、それがわかった
からでしょう。

幸い、今学期のクラスはそれぞれ、違った特徴を持つ魅力的なエネル
ギーを発していると感じました。

このメンバーと、これから素敵なエネルギーの交換ができるといいな。

夏休みまで、一緒に楽しくやろうね!



さて、今日は土曜日。

ゆっくりと休息をとった後で、例のショー・ウインドーの展示替えをしま
した。

今回、展示用に選んだのは、この本です。


ドリーン・バーチュー著・宇佐和通訳
『天使と歩むライトワーカーの道』
(Soft Bank Creative)


ドリーン・バーチューといえば、多数の著書などを通して、天使のメッセ
ージを私たちに伝えてくれる人ですね。

「ライトワーカー」という存在も、私は彼女の著書のおかげで知りました。

まだご存知ない方のために、ドリーンさんの言葉を借りると……


ライトワーカーとは、肉体を持って物質世界に生まれ出る前から、自ら
進んで地球とそこに住む人々を癒すことを心に決めた人々

(『天使と歩むライトワーカーの道』、10頁)


なのだそうです。

もちろん、ドリーンさん自身も自らライトワーカーとしての意識を持って
活動しているわけですが、その境地に到達するまでには、私生活に
おいて離婚や過食症など、さまざまな経験があったといいます。

そうした経験を経て彼女は、自分が生まれる前に決めてきた、自分
の人生の「聖なる目的」を思い出したのです。

そんな彼女の、あなたへのメッセージ。


一つでも当てはまれば、あなたはライトワーカーです。

*癒しに興味がある
*社会問題、環境問題を解決したい
*霊感がある、天使と会ったことがある
*自分が生まれたことには崇高な目的があると思う

本書であなたの聖なる目的を思い出し、光の仕事にとりかかりま
しょう。(『天使と歩むライトワーカーの道』帯より)


今回の展示では、この、帯のメッセージを書いた手製のポップを作り、
本といっしょにウインドーに置いてみました。
(写真をご覧ください。)

さあて、どれくらいの人に気づいてもらえるかな。

たった一人でも、十分ですけれどね。

神様がくれたサポート・システム

2010-03-12 21:06:10 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『あなたのガイドに願いましょう
~聖なるサポートシステムにつながる方法』
(ソニア・ショケット著、奥野節子訳、ダイヤモンド社)


先回、母の誕生日の食事会がうまくいくようにと、スピリット・ガイドに
お願いしたという話を書きました。

私の場合、これまでは、何かサポートが必要なときには、天使にお願
いしていたのですが、今回、あることがきっかけで、頼む相手を変えて
みたのです。

そのきっかけとは、上に紹介した本を読んだことでした。

この本(『あなたのガイドに願いましょう』)は、スピリット(霊的存在)と
して、私たち人間をサポートしてくれるさまざまなガイドのことを扱って
います。

私たち人間には、一人ひとりに必ず守護天使がついていてくれると言
われますが、天使以外にも、人間の生活を支え、導いてくれるガイドが
たくさんいるというのです。

著者のショケットさんは、子どもの頃から、家族全員がガイドを認識し、
コンタクトをとったり、いろいろな頼みごとをしたりする、そんな家庭で
育ったといいます。

そんな経験を持つ彼女が、それぞれのガイドの特徴や役目などの違い
について、くわしく教えてくれています。

おかげで私も、それまで疑問に思っていたことがスッキリ解決しました。

その疑問とは......

天使とスピリット・ガイドはどう違うのか、ということです。

ショケットさんによれば、両者にはいくつかの重要な違いがあります。

例えば、天使は人間として地球に生きたことがないのに対し、ほとんど
のスピリット・ガイドはかつて人間として生きた経験を持っているそうで
す。(本書、86頁。)

だから、天使よりもスピリット・ガイドのほうが、人間が生きていく上で抱
える困難や課題について、「身にしみてわかる」ということなのでしょうね。


「ああ、俺にもあったなあ、あんなこと。」


そんなふうに思うこともあるのでしょう。

母の誕生祝いの食事会で私がサポートをお願いした「ランナー」、「ヘルパ
ー」というガイドさんたちも、きっと人間としての経験があって、こんなふう
に思ったかも。


「ふーん、こいつは普段は親孝行らしきことはろくにしてないから、ここはひ
とつ、その気分を味わわせてあげるとするか!」

(ありがとう~。ホントに助かりましたよ!)


あ、「ランナー」さんと「ヘルパー」さんの詳しい特徴に関して興味がある方
は、ぜひ本書をご一読くださいね。

それ以外のガイドについての情報や、ガイドとのつながりを強めるエクササ
イズの方法、それに、ガイドに関わる実際のエピソードも多数紹介されてい
ます。

この本を読んだら、あなたも、神様は私たち人間に、こんなに強力なサポー
ト・システムを与えてくれていたのか、と感じるかも知れません。

それを使わせてもらうかどうか、決めるのはあくまでも、あなた自身、ですけ
れどね。














天使が見えるということ

2010-02-13 22:50:59 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『エンジェル・イン・マイ・ヘア 天使はいつも あなたのそばに』
(ローナ・バーン著、壁谷さくら訳、ハート出版)

天使というのは、本来は肉体を持たない、エネルギー体だといわれ
ていますよね。

でも、人間の体をして、背中に翼をつけた姿を見たという話も、しば
しば耳にします。

この本の著者、ローナ・バーンさんは、幼い頃から天使のそういう姿
を見ることができたといいます。

自分の守護天使から、大天使ミカエル、天使エリヤ、エリシャ……そ
のほかさまざまな天使たちが、代わる代わる彼女の前に姿を現して
きたのだそうです。

子どものとき、そうした天使たちと遊んだり、おしゃべりしているロ
ーナを見て、母親は、彼女が「いつも自分だけの世界にいるようだ」
と感じていたようです。

そのことが誤解を与える原因となってしまったのでしょうか。二歳の
とき彼女は医師から、知的障害を持つと診断され、それがもとでいろ
いろと差別的な仕打ちを受けることになり……

彼女の心は深く傷ついたのでした。

けれども、そんな辛い思いを抱えながらも、彼女は天使を受け容れ、
天使とともに生きることを選んだのです。

それは、魂の癒しを求める人々に、天使の存在を知らせること、それ
を自分の使命だと信じているからでした。

そう信じるからこそ、通常、人間にはわからないはずの人の死期が予
期できてしまったりしても、それを知ったことの「重さ」に耐える勇気が
持てるのでしょう。

そして、天使たちの求める通り、死を迎えた魂を見守り、それが浄化
されるための手助けをしてきたのです。

そんな重要な役目を担っているからこそ、彼女には天使が見えるので
しょうね。

それにしても、ローナさんの描く天使たちの姿の、なんと美しいこと!

ある日、「癒しの天使の祈り」を伝えるためにやって来たミカエルの姿
を、彼女はこう描写しています。


 金色の冠、金と黒のベルトを身につけ、白と金のゆったりとひだの寄
ったローブは膝の上まで垂れています。そして手には巻物。肩までの
髪は、そよ風に吹かれているかのようになびいています。
 革の編み上げサンダルが脚を覆い、両くるぶしには金色の十字架が
揺れています。サファイアブルーの目はキラキラ輝き、顔には天上の
微笑を浮かべています。ミカエルは信じられないほど明るい光を放って
いました。(本書、280頁)


もしこんな姿の天使が目の前に現れたら……卒倒してしまいそう。

ミカエル一人でも並々ならぬエネルギーを感じさせますが、莫大な数
の天使たちが高い空から下降してくる場面を描いた最終章は、まさに
荘厳な空気に満ちています。

最愛の夫を亡くしたばかりのローナのために、美しい、白と金に彩られ
た天使たちの群れが姿を現したのです。

彼ら(彼女ら?)がローナにくれたプレゼントとは……?

この答えは、ぜひご自分で確かめてみてくださいね。

「宇宙意識」との調和

2009-12-13 22:01:45 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『すべては宇宙の采配』(木村秋則著、東邦出版)


りんご栽培というのは、農薬と肥料が必須、というのが従来
の常識だったそうですね。

そんな常識を覆し、無農薬・無肥料のりんご栽培を成功させ
た人がいる……。

それが、この本の著者の木村秋則さんです。(カバー写真の
人)

そんな木村さんは今、「奇跡のりんご農家」と呼ばれている
とか。

それほど難しいと思われていたことを、木村さんはやり遂げ
てしまったのですね。

もちろん、それは簡単なことではありませんでした。

畑を無農薬・無肥料に切り替えた翌年から、一つの実さえ収
穫できない年が7年続いたといいます。

経済的にも、地域での人間関係でも苦境に立たされた木村さ
ん。あやうく自ら命を絶とうとするところまで追い込まれてしま
います。

でも、そのとき、彼は気づいたのです。

自然の山の木の根元の土はふかふかで、いい香りがするの
に、彼のりんご畑の土は固く、そんないいにおいはしないとい
うことに。

それならば、りんご畑の土を、自然の山のような状態に戻して
やればいいんじゃないか。

それから彼は、畑の下草を刈るのをやめました。すると畑には
さまざまな雑草が生えてジャングルのようになり、りんごの木
の害虫を食べてくれるカエルが大発生するなど、環境が一変
したのです。

すなわち、りんご畑が一つの自然な生態系を形成するように
なったのですね。

これこそ、まさに「宇宙の采配」にまかせた状態といえるでし
ょう。

このことに気づき、実行した木村さんの洞察力はすごいと思
います。

ふつうは、目先の収穫量だけを重視してしまいがちなのに、
目に見えない、木の下の土の大切さを彼は悟ったのです。

こんな木村さんの発しているエネルギーは、きっと「宇宙意
識」とよく調和しているのでしょう。

そのエネルギーを察知してか、なんと宇宙人が彼の前に現
れ、一度は宇宙船の中へ連れて行かれたこともあったそう
です。(高度に進化した宇宙人のUFOには、波動の高い人
しか同調できない、つまり乗れないと言われていますよね。)

この宇宙船の話はかなりショッキングで、受け入れ難いと感
じる方もいるでしょう。

でも、地球がアセンション(次元上昇)のときを迎えようとして
いるとされる今の時代に、木村さんのような意識を持つ人が
私たちの中にいるということは、とても心強いことですね。


今、木村さんのりんご畑では毎年1万個を超えるりんごが実
をつけ、その美味しさは評判になっているようです。

一度味わってみたいなあ。

バシャール「初体験」

2009-10-12 22:26:10 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『バシャール×坂本政道 人類、その起源と未来』
(ダリル・アンカ、坂本政道著、VOICE)

今日は祝日(体育の日)ですが、朝から仕事でした。

でも、午前中で終わったので、午後から自由時間になってウキ
ウキ。

さあて、何をしようかな。

そんな気分のときは、きっといいことも引き寄せやすいんでしょ
うね。


ところで、今日も先回同様、最近読んだ本を取り上げようと思い
ます。

バシャールというと、チャネリングの世界では知名度が高い存在
ですが、実は私はこの本が初めてのバシャールでした。(古いも
のから順に読むつもりでいたのですが、本屋さんに並んでいた最
新本のこれが面白そうだったので、急きょ計画変更。)

今回のバシャールは、対談相手が坂本政道氏。坂本氏といえば、
ヘミシンクというシステムによって起こる変性意識状態、体外離脱
の研究をしている人ですね。

以前はソニーの技術者で、その経歴を生かして、バシャールから
科学技術の方面の情報をうまく引き出している、ようです。(根っ
から文系人間の私にはちとムズカシカッタですが…。)

バシャールからの情報を受け取るチャネラーは相変わらず、ダリ
ル・アンカ氏。

このコンビで展開される話題は、ざっとこんな具合です。


人類の起源、他文明(地球外の)との交流、人類創生以前の文
明、ムー・レムリア、アトランティス、古代核戦争、ピラミッド、巨
石文明、UFO、意識と振動数、2012年、パラレル・アース、時間、
情熱・ワクワク、人間関係

これを見てわかるように、本の前半部分は、現在の地球に住む
人類と、その文明の起源・歴史というトピックになっています。

私たち人類は、どのようにして誕生したのかという坂本氏の問
いに対するバシャールの答えは......  

前人類という形で地球にいた存在が、ある異星人による遺伝子
操作を受けた結果、今の人類が誕生した、というものでした。

異星人による遺伝子操作とは……驚きです。

さらに、失われた大陸といわれる、ムー(レムリア)、アトランティ
ス伝説の真偽……。

詳しいことは直接本をごらんいただくとして、この部分についての
私の感想を簡単に述べると……

バシャールの情報が事実であるとすれば、私たち人類が自分た
ちの起源・歴史について現在知り得ていることというのは、いか
にわずかなのだろう、ということです。

いささかショックでした。

そうすると、いわゆるオーパーツ(out of place artifacts、時代
錯誤遺物)が世界中で発見されるのも、ゆえなきことではない、
ということになりますね。

さらに、ピラミッドについてのやりとりがあるのですが、ここで坂
本氏は、ピラミッドがどういう目的で作られたか、という質問をぶ
つけています。

一般的には王の墓と認識されているピラミッドですが、意外な
ことに、バシャールの指摘するピラミッドの三つの機能の中に、
「墓」はありませんでした。

くわしいことを書くのは控えますが、その三つの機能の中には、
人の波動の周波数を適切なものにする、パワーの増幅装置と
いう働きがあるといいます。

古代エジプトに、現代の私たちも知らない、そんな高度なテク
ノロジーが存在していたとは……

これも驚きです。

こんなふうに、この本の中でバシャールが伝えてくれる情報は、
現代の私たちの信じている常識とはかなりの隔たりがあり、人
によっては到底受け入れられないかもしれません。

ただ、すべてをそのまま受け入れないまでも、こういう考え方
はできるでしょう。

すなわち、私たちが「知っている」と信じていることは、この広大
無辺の宇宙の中で、自分たちの手ですくい取れる、ほんのわず
かなひとしずくに過ぎないのに……

それを私たちは忘れてしまいがちだ、ということです。

バシャールと坂本氏の対話は、そのことをもう一度、思い出させ
てくれるのです。


もう一つ、印象に残ったことを書きます。

それは、坂本氏個人が今生、自分に課している「使命」につい
てなのですが、ずばり、「ピラミッドの技術の解明」なのだそう
です。(ヘミシンクによって死後世界に行った際、複数の霊的
存在に告げられた、ということのようです。)

このことのために、わざわざ地球生命系に生まれてきたのだ
と言われたとか。その技術が解明されることによって、人類
の意識が進化するというのです。

こんなふうに具体的な「使命」がわかっていて、それに向かっ
て生きている……これはもう、うらやましいです。

私も、自分の今生の計画についてのくわしい情報が欲しい、
「使命」が知りたい、そんな思いがこみ上げてきたのでした。



「転生者」の記憶

2009-10-09 21:54:44 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『転生者オンム・セティと古代エジプトの謎』
(ハニー・エル・ゼイニ×キャサリン・ディーズ著、
田中真知訳、学習研究社)

私には、前世というもののはっきりとした記憶はありません。

自分には前世、というものがあるのかどうかも、本当のところは、
わかりません。(以前、その一場面かもしれないと思うほどリア
ルな夢を見たことはありますが…。)

でも、スピリチュアルなことに関心を向けるようになってからは、
輪廻転生というものはあるはずだと、考えるようになりました。

というのも、人の一生というサイクルは、魂の経験の場としては、
決して十分なものとはいえないと思うからです。

いえ、それよりも、魂は永遠・不滅の存在だと信じたいからです。

そんなことから、前世の記憶を持つという人の手記・伝記には、
自然と関心が向くんですね。

今日の本も前世の、しかも三千年前のそれの記憶を持っていた
といわれる女性をめぐるノンフィクションです。

その女性の本名はドロシー・ルイーズ・イーディー(1904~1981)。
イギリス出身の彼女は、三歳のときの階段からの転落事故をき
っかけに、自分の前世の記憶が甦ったといいます。

彼女の前世の舞台は古代エジプトの第19王朝、セティ1世の治
世(紀元前13世紀)。彼女はそこで、イシス女神の巫女として生
きていました。

そして、神に身を捧げる巫女という立場でありながら、時のファラ
オ、セティ1世と運命的な恋に落ちるのです。

この、エジプト時代の記憶は、イギリス人としての今生の彼女を
エジプトへと引き寄せ、ついには考古学界でその名(オンム・セ
ティ)を知られる存在になります。

さらに、そんな彼女のもとに、三千年の時を超えて、セティ1世が
姿を現して……

おっと、ここではこのへんにしておきましょう。ご興味のある方は
ぜひご一読を。

この本の作者、ハニー・エル・ゼイニはオンム・セティの友人であ
り、オンム・セティが生前、自分の前世の記憶と王との関係につ
いて打ち明けた、唯一の人物とのことです。

三千年前のファラオとの禁断の恋の記憶。そんな荒唐無稽とも
いえる話ができる相手を見つけるのは、そう簡単ではなかった
のでしょう。

確かに、輪廻転生が確実にあると証明することは不可能かもし
れません。

でも、この本に記されているオンム・セティの言動や日記の内
容を読むと、私の感想としては、これはとても「でっちあげ」で
はあり得ないし、単なる彼女の「思い込み」だとも思えない、と
言うしかないのです。

輪廻転生に対する考え方は、人それぞれです。

なかには、信仰する宗教自体が輪廻転生というものを否定して
いるため、たとえ関心があったとしても、この問題について考え
ることさえ放棄せざるを得ない人もあるでしょう。

ほんとうは、そういう人にこそ読んでもらいたい気がします。

私たちの「魂」はきっと、それを欲しているのです。

あなたにも守護天使が

2009-07-17 23:52:37 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『天使の世界へようこそ!』(越智啓子著、徳間書店)

またしばらくご無沙汰してしまいました。

その間に、関東・甲信越地方の梅雨が明けましたね。
いいなー。

こちら中部地方はまだ梅雨前線がどっかりと居座っている
ようです。(もちろん、梅雨にはちゃんと雨が降らないと困り
ますけれど。)

そういうわけで、まだまだすっきりしないお天気にモヤモヤ
しているあなたに、この本をご紹介しましょう。(写真をご覧
ください。)

青空に白い雲。さわやかなカバーですね。それにピンクの
帯がかかっていて、そこに大きめの文字で、

「1人に必ず守護天使がついている。」

と書かれています。

本屋さんでこの本を手に取ったとき、この一言に引きつけ
られました。そして、

「やっぱり、そうなのだ!」

と安心したのです。

著者の越智啓子さん(精神科のお医者さんでもあります)
は、子どものころから、天使を見たり、天使と話をすることが
できるのだそうです。

その越智さんが、誰にでももれなく守護天使がいると言って
いるのです。これは越智さんが直接天使に聞いたことなの
ですから、確かなはずです。

まず何よりも、それがちゃんと確かめられたことが、私には
うれしいことでした。

すべての人に、守ってくれる天使がいる。すごいことですね!

たとえば、本当に孤独で、何をやってもうまくいかなくて、楽
しみも、希望も見つからず、いっそこのまま死んでしまいたい、
そう思っている人がいたとしても……

もし自分に「守護天使」がいてくれることがわかったら、気持
ちが変わるかもしれません。

自分はひとりじゃない、そばにいつも天使がいて、見守って
くれているのだ。そう思えたら、世界が違ったものに見えて
くるかもしれないのです。

生きるのをやめたいとまでは思っていなくても、今の自分の
世界観に満ち足りないものを感じているなら、この本を手に
取ってみてください。

毎日が新鮮で、ワクワクするものに変わるかも。

そして、もちろん、天使が大好きで、天使フリークのあなた
にも、「えーっ、知らなかった。ホント?」と言わせる可能性
ありの天使情報もいっぱいです。

そうそう、越智さんがこの本を書き始めたら、天使の世界で
も話題になったそうです。

きっと、この本を手に取っているすべての人を、天使たちは
喜んで見ていることでしょう。



都市の「精神的空気」

2009-06-04 21:44:17 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『東京の地霊(ゲニウス・ロキ)』(鈴木博之著、ちくま学芸文庫)
(カバー写真は東京大学赤門。)

この本のタイトルにある「地霊」という言葉、日本語としては耳
なれない感じですよね。

これはもともと、「ゲニウス・ロキ」というラテン語の訳語で、「土
地に対する守護の霊」(本書、11頁)という意味なのだそうです。

もう少し詳しい言い方をすれば、「ゲニウス・ロキ」とは、「ある土
地から引き出される霊感とか、土地に結びついた連想性、ある
いは土地がもつ可能性といった概念」(同上)ということになりま
す。

本書では、この概念を切り口に、江戸から明治、現代へと変貌
を遂げていく都市「東京」の歴史が描かれています。

それではなぜ著者は、この書き方にこだわったのでしょう?

それは……

一般に、都市の歴史の研究というのは、その大半が、その制度
や都市計画、ヴィジョンの研究であることに、飽き足りなさを感じ
ていたからだといいます。

つまり、それは為政者や権力者たちの視点なのだと。

著者が描きたかったのは、「現実に都市に暮らし、都市の一部分
を所有する人たちが、さまざまな可能性を求めて行動する行為の
集積」(同書、10頁)としての都市、その歴史なのだというのです。

それはまさに、土地そのものの歴史だと言えます。そして、この
視点にこそ「地霊」という言葉がふさわしいでしょう。

さて、著者がこの本の中で取り上げている「東京」の土地は全部
で13箇所あります。その中からいくつか拾ってみると……

第一章   港区六本木の林野庁宿舎跡地(「悲劇の女主人」皇女
       和宮が生涯を閉じた賜邸地)

第二章   千代田区紀尾井町の司法研修所跡地(暗殺された大
       久保利通の怨霊鎮魂のための清水谷公園)

第四章   台東区―上野公園(江戸の鬼門を鎮護する寛永寺:
       江戸における延暦寺)

第八章   文京区―椿山荘(目白の「将軍」山縣有朋の本邸)

第十一章  文京区本郷(東大キャンパスに並存した様々な建築
        様式)

※(     )内はロージーによる補足。


これらの土地はそれぞれ、江戸から明治にかけての時代の変貌
のなかで、濃密な時を経験し、今もなおその跡をとどめている場
所なのです。

例えば、第一章の皇女和宮ゆかりの土地は、江戸時代には武
家屋敷があったのですが、明治維新とともに皇族賜邸地となり、
将軍家茂と死別した和宮が静閑院としてここで余生を過ごすこ
とになりました。

そして、薄幸のイメージがつきまとう和宮の棲家となったことが
影響したのか、この邸地もまた時代の流れに翻弄されることに
なります。

静閑院の死後は東久邇宮家の邸地であったこの土地は、戦後
間もなく国有地化され、林野庁の管理下におかれます。そして、
日本の山林の弱体化の中で林野庁もその力を弱め、中曽根政
権下の民活路線の口火を切る形で民間に払い下げられたので
した。

こうしたことから著者はこの土地を、日本の国土行政の影の側
面、すなわち「地方の過疎化する山林地域の弱体化」と「東京
の地価高騰を生む無策ぶり」(同書、28頁)を象徴するものと捉
えています。

そして筆者は、国有地払い下げの標的になったこの土地の幸
薄さの奥にひそむもの、それを「地霊」(「ゲニウス・ロキ」)と呼
ぶのです。

建築史学者としての著者の議論は以上のように締めくくられて
いますが、さらにここからウィリアム・W・アトキンソン的に話を
展開してみれば、こんなふうになるでしょうか。

すなわち、「薄幸のヒロイン和宮」という存在が、その邸地の行
く末までを幸薄いものにしてしまったのだとすれば……

それは、世の人々が和宮に対してそうしたイメージを抱くことこ
そが、その土地にそのようなイメージの通りのエネルギーを持
つ念の微粒子を引き寄せ、集積させることになった、ということ
です。

これはまさに、アトキンソンのいう、「精神的空気」形成のメカ
ニズムではありませんか。

アトキンソンはこのことに関して、こう述べています。


この念の微粒子は、発した人が死んでも振動し続けます。それ
は太古に死滅した星の光が今も目に見えるのと同じです。臭い
の原因を取り除いても室内に臭いが残るように、ストーブを取り
除いても熱がこもるように、念の微粒子は人の死後も振動し続け、
他人の心に影響を与えるのです。

同じように、家や場所も昔の人の思いで振動し、今生きている人
に多かれ少なかれ影響を与えています。(中略)

このように発せられた念は、振動数の合う他人の念と一つになる
傾向があります。本人の周囲に留まる念もあれば、「引き寄せの
法則」に従って、雲のように流れ、同じ線で思考する人に引き寄
せられる念もあります。

都市の性格はこうして形成されます。住む人の思い全体が、そ
れに合った「精神的空気」を作り出しているのです。(後略)
(ウィリアム・W・アトキンソン『引き寄せの法則 オーラ篇』
徳間書店、20~22頁)

※アトキンソンのこの本に関しては、当ブログの4月5日・8日
付でも紹介しています。


アトキンソンの言っていることが本当だとしたら……

都市にはそれぞれ、その都市ならではの「雰囲気」というものが
ありますが、その正体こそまさに、人の念の微粒子が作り出した
「精神的空気」なのではないでしょうか。

そして、私たちはその「精神的空気」を、その都市の持つ個性とし
て、無意識のうちに感じ取っているのだと思われるのです。

今、この文章を読んでくださっているあなたも、きっと街の醸し出
す独特の空気感というものを感じたことがおありでしょう。

このことに関して、最近、テレビで興味深いものを見ました。5月
30日放映の「オーラの泉」(テレビ朝日系列)の中に「街のオーラ」
というコーナーがあり、その日は東京の神楽坂が取り上げられてい
たのですが、そこにある、一軒の古い旅館は、多くの作家・脚本家
が執筆のために利用してきたそうです。(作家の野坂昭如さん、映
画監督の山田洋次さん、脚本家の早坂暁さんなど。)

出演者の江原啓之さんが実際にその旅館の部屋を見て、こんなこ
とをおっしゃっていました。この部屋からは、神楽坂という街が見え
てくる感じがすると。(表現は一字一句そのままではありませんが、
そんな意味のことだったと思います。)

その部屋は、はっきり言って眺めはよくなく、そういう意味で「見え
る」わけではないのですが、おそらくそこは、気の流れが特別いい
場所なのではないかと思われます。だからこそ、「精神的空気」を
うまくキャッチして、執筆のための着想を得るのにはもってこいなの
でしょう。

よく、作家が新作の執筆のためにホテルに缶詰になったり、お気に
入りの宿に籠もったりするというのを聞いては、「そんな贅沢な。自
宅に書斎があるんでしょ。そこで書けばいいのに」と思ったりしたも
のですが、今回、この本(『東京の地霊』)と江原さんの言葉のおか
げで、「そういうわけがあったのか」と気づいたのでした。

あなたが別段の理由もなく好きな街、なんとなく自然に足が向いて
しまう街があるとしたら……

それはきっとその街の「精神的空気」に引き寄せられているに違い
ありません。

神への信頼

2009-05-05 17:50:29 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『神との対話
宇宙をみつける 自分をみつける』
(ニール・ドナルド・ウォルシュ著、吉田利子訳、サンマーク文庫)

この本、つい先日、職場の近くの本屋さんで見つけたのですが、まず
タイトルを見てびっくり。

「神との対話」ですって。

でもこれ、スピリチュアル関連、とくにチャネリングに関心のある人の
間では、かなり有名のようですね。著者のウォルシュ氏は、「引き寄
せの法則」を紹介した映画「ザ・シークレット」にも出演しているそうで
す。(「引き寄せの法則」に関しては、当ブログ4月5日付をご覧くださ
い。)

さて、このウォルシュ氏にある日、神が話しかけたというのです。それ
は1992年の春、復活祭のころでした。

そのころのウォルシュ氏は、私生活でも仕事の面でも苦境にあり、自
分の人生が失敗であると感じていました。そこで、そんな苦しい状況
に自分を、ひいては人間すべてを追い込んでいる根源的な存在、すな
わち神に向かって、自分の心情を吐露し、怒りをこめた問いの数々を
並べた手紙を書いたのです。

「こんなに、もがきつづけていなければならないなんて、わたしがいっ
たい何をしたというのか。」(同書、17頁。)

ウォルシュ氏がこの問いで手紙を締めくくったとき、手にしたペンが
勝手に動き出して……

「あなたはほんとうに、すべての質問の答えを知りたいのか、それと
も八つ当たりをしてみただけなのか?」(同書、17頁。)

こうして、ウォルシュ氏と神との長い対話が始まったのでした。

人生に行き詰まっていたウォルシュ氏は、まず神に向かって、自分
が人生の中で抱えているさまざまな問題に関わる疑問を、次々とぶ
つけていきます。

人生を向上させるにはどうすればいい?
人間関係を円滑にするには?
お金に困らない暮らしがなぜできない?
健康上の問題を解決するには?
輪廻転生は本当にあるのか?
などなど……

神はこれらの質問に、ていねいに、わかりやすくと心をくだきながら
(ときにはユーモアも交えて)一つ一つ答えていくのですが、この神
の答えを通して私たちは、神によってこの人生を送る機会を与えら
れている究極の理由を知ることになるのです。

あまりここで詳しく書いてしまうことは、これから神のメッセージを読
もうとする人の楽しみを奪うことになるので、避けたいと思いますが、
一つだけ、私がこの本を読んで、自分のやり方を意識的に変えたこ
とをご紹介しますね。

それは、毎日の「祈り」の表現をすべて「感謝」の形にしたことです。

もちろん、今までも「感謝」は「祈り」の最初に置いて、一番大切な
ものと考えていました。そして、その後で何か「お願い」したいこと
を表明していたのです。(「祈り」に関しては、当ブログ3月6日・8日
のところをご覧くださいね。)

ところが、神はこう言うのです。

 どんな祈りでもかなえられる。祈りとは、これが現実ですと認める
ことだから。そして、どんな祈りも、どんな考えや思い、感情も、創
造につながる。
祈りがかなえられないというときは、じつは、最も強く信じている思
考や言葉、感情が作用している。あなたが知っておかなければな
らない大切な秘密は、思考の陰にはつねにもうひとつの思考、「思
考を支える思考」とでも言うべきものがあって、それが、思考をコント
ロールしているということだ。
つまり、何かを求めたり、願ったりしたら、望んだことがかなう可能
性は非常に小さい。なぜなら、「欲求を陰で支えている思考」という
のは、「望みはかなっていない」という思いだから。そちらの方が現
実になるのだ。
支えとなる思考のなかで、「望みがかなっていない」という思いより
ももっと力強いのは、「神は必ず求めるものを与えてくれる」という信
念、それだけだ。その信念を持っているひともいるが、非常に少ない。
神があらゆる求めに応じてくれると信じるのはむずかしいが、そもそ
も求める必要はないのだと直感的にわかっていれば、祈ることはず
っとやさしくなる。そのとき、祈りは感謝の祈りになる。求めるのでは
なく、望みがかなっていることをすなおに感謝するようになる。
(同書、34~35頁。)

神は求めるものをすべて与えてくれると、直感的に信じられるかとい
えば、今の私はそうではないかもしれません。けれども、あえて「祈り」
を「感謝」の形にすることで、神への信頼を宣言しよう、そう思ったの
です。

それで、直感的に信じられる境地に至れるかどうかは、わかりません。
ただ、神を信じたいという気持ちが自分のなかにあって、それを表現し
たいと思う自分が、確かにここにいるのです。だから、その思いを封じ
こめることなく、表してみたい。

ただ、それを「祈り」の形で表現するときは、本当に心を込めて感謝す
ること、そして、その結果には決して執着しないこと、これだけはいつ
も心に銘じていたい、そう思っています。


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


ウォルシュ氏と神との対話の内容は、現在までに3冊の本として出版
されています。その内訳は

① 一冊めはおもに個人的なことがら、ひとりひとりの人生における、
課題と機会について。
② 二冊めはもっと世界的なことがら、地球上の地政学的、形而上学
的な生活について、世界が直面している課題について。
③ 三冊めはさらに高い秩序、宇宙の真実について、そして魂の課題
と機会について。

(出版社はすべてサンマーク出版。ただし3冊ともそれぞれ単行本、
普及版、文庫本が出ています。)

なお、今回紹介した一冊めの文庫本の巻末には、作家の田口ランディ
ー氏によるウォルシュ氏へのインタヴューが収録されています。その
中で田口氏はウォルシュ氏に、これは本当に神との対話なのか、ウォ
ルシュ氏が自分で書いたのではないか、という疑問をぶつけています。

それに対するウォルシュ氏の答えを、ここに引用しておくことにしましょ
う。

 私はその質問をしてくる人に対していつも、その質問はあまり意味
がないというふうに答えています。問題は私がほんとうに神と会話し
たかどうかではなく、この本に書かれてあることのどれか一つでも、
あなたが価値あるものと思ってくれたかどうかだと思うのです。
 もしそれがあなたにとって価値のないものだと感じるなら、その源
がなんであろうとそんなものは捨ててしまいなさいと言いたいのです。
もし、意味があれば、その源を自分の側に置きなさい。アイデアがど
こからやってきたか、ではなく、アイデアそのものの価値について語
り合おうではありませんか、私はそう思います
(同書、366頁。)


花と俳句でワクワク!

2009-04-23 23:15:18 | ブックレビュー
ブックレビュー:
『ラジオ深夜便 誕生日の花と
きょうの一句』
(月刊『ラジオ深夜便』編集部編、NHKサービスセンター)


非常勤教師としての私の仕事は、新学期の2週目に入りましたが、
この時期だと、まだまだ「地に足が着いた」状態とはいきません。

担当授業の教室の位置は間違えそうになるし、学生さんの名前と
顔はもちろん、まだ覚えられず……。

それに、授業で取り上げる話題も、クラス全体の雰囲気を見て変
えたりするので、それをあれこれ考えて、頭を悩ませたり……。

でも、そうやって考えて、ふっといいアイデアが浮かんだときは、
とてもうれしくなります。

今期はある女子短大の授業で、小さなことですが、一つ新しいこ
とをやってみることにしました。

それは、毎回、授業の始めに、ある二つの花と、そのそれぞれに
ちなんだ俳句を紹介するということ。

なぜ花と俳句なのか、もうお分かりですよね。そう、もちろん、写
真の本(『ラジオ深夜便 誕生日の花ときょうの一句』)と関係が
あるんです。

この本は、NHKラジオ(第一・FM)の番組、「ラジオ深夜便」の放
送内容をまとめたもので、番組独自に1年366日(2月29日生まれ
の方、ご安心を)のそれぞれの花・俳句を一つずつ選んで掲載
してあります。(図鑑のように美しい花の写真つき。)

この本は、ときどきこの番組を聴いている母が買って来たのを見
せてもらって、「わあ、これいいなー」と言っていたら、母が私に
も一冊、プレゼントしてくれたのでした。

ほんとにこれ、いいですね。見ているだけで楽しくなります。花の
写真もきれいだし、それにちなんだ俳句も味わい深いものです。
(花はもちろんその日あたりに見頃になるものが選んであり、俳
句はその花を直接詠んだものか、あるいはちょうどその時季にふ
さわしいものになっているんです。)

さて、そこでさっきの女子短大の話ですが、この授業では比較文
化に関する内容を扱うことになっていて、メインのテキストは別に
決まっています。

でも、そのテキスト、教師としては教育的価値があると思って選
んだのに、学生さんたちはいま一つ興味を感じてくれていないよ
うでした。(昨年度までのアンケートの結果です。)

もちろん、学生さんの興味を第一に教材選びをするわけにはいか
ないので、今期はテキストは変えず、授業の進め方などを工夫し
ようと考えていたのですが……。

そんなとき、さっきの花と俳句の本のことが頭に浮かんだのです。

そうだ、授業の始めに数分とって、花と俳句を一緒に鑑賞しよう!
そうして、ワクワク感を高めて授業に入れば、感性が研ぎ澄まさ
れて、テキストの捉え方も違ってくるはず。

そんなわけで、今週の授業からそれを始めたのですが、紹介す
る花と俳句二つずつはどうやって決めるかというと、

① 学生さんのうちの一人の誕生日
② 授業の当日

この二つということにしました。

なんといっても、自分の誕生日の花(あくまで番組独自で決めた
ものですが)と聞くと、たいていの女の子なら、「何なのか知りた
い」と思うでしょうし、今この時季にどんな花が咲いているかとい
う話題も心ひかれる感じがしそうです。

実際、第一回でお誕生日を聞かれた学生さんは、にっこりとして、
目をキラキラさせていました。

彼女の誕生日は2月25日で、その日の花は
カンヒザクラ(バラ科、花言葉:あでやか)
俳句はこんな句でした。

  鶯や障子あくれば東山 (夏目漱石)

解説:ウグイスの鳴き声に導かれて障子を開けると、京都如意ヶ岳
   から稲荷山に至る山々が見えた。京に訪れた春の息吹を鳥の
   鳴き声で知る。

もう一つ、授業の当日(4月20日)の花は
山吹(バラ科、花言葉:気品、待ちかねる)
俳句は

  山吹の一重の花の重なりぬ (高野素十)

解説:ヤマブキの花が重なり合って咲いている春の風景。「山吹の
   実のひとつだになきぞかなしき」に詠われるのは、実のならな
   い八重山吹。

解説に出ている歌は、平安時代の『後拾遺和歌集』にある兼明(か
ねあきら)親王の作ですが、これはご存知の通り、室町後期の武将、
太田道灌のいわゆる「山吹伝説」を生んだといわれる歌ですね。

遠出をして雨に降られ、農家で蓑を借りようとした道灌に、その家
の娘がそっと山吹の花を差し出すことで、蓑(「山吹の実の」の部分
にかけている)がないことを伝えようとしましたが、道灌はその意味
がわからなかったといいます。このことを恥じた道灌は、以後、歌道
に精進するようになったといわれています。

10世紀の兼明親王から15世紀の道灌、さらに20世紀の高野素十へ
と、千年の時を越えて、「山吹」という花をテーマとする情感のリレー
が繰り広げられたのです。

しかも、このリレーは当然、この三人のみが関わっていたのではなく、
道灌に山吹の花を差し出したあの農家の娘のような、名も知れない
多くの人々をも包み込んだ、壮大な「精神的空気」(ウィリアム・W・
アトキンソン、4月8日付当ブログ参照)を形成した、と言ってもいいの
ではないでしょうか。

俳句の紹介の後に、この「山吹」のリレーの話もつけ加えてみました。

学生さんたちの反応はといえば……先回の授業のときよりも心なし
か表情が生き生きしてきたようです。この調子、この調子!

花と俳句でワクワクして、目指せ好奇心全開!