■ 後半攻撃 - ドイツで足りなかったものを忘れてはいけない |
先のエントリー『ガーナ戦を図解で分析(前半) - 良かった攻撃と守備』からの続きです。また、後半から出場した播戸のプレーが、一瞬忘れかけそうになっていた大切なものを思い出させてくれました。
◆後半も良かった、裏を狙う攻撃(後半8分、後半10分)
◆ドイツで足りなかったものを忘れてはいけない
そういう意味では、後半23分に投入された播戸は、非常に良かったですね。Jリーグでの好調ぶりをそのままの勢いで代表でのプレーに持ってきたという感じがしました。
播戸のプレーで気に入った点
・ 得意の素早い動き出し、ゴールへの意欲 ・ CKの際のポジショニングでの気迫 ・ ルーズボールへの執着心 |
ドイツW杯が終わった後、マスコミ、プロのライター、私のようにブログを書いている人のほとんどが、当時の日本代表に足りなかったものは、「戦う気持ち」という、選手のメンタルの部分を指摘していました。オシムJAPANが動き出して、若手選手の召集や選考であったりチームの構築であったりと、チームとしては初期の段階にあり、皆、結果や内容に対して寛容であると思っていました。勿論、私もそういう部分はありました。だけど、昨日の播戸のプレーを見ていて、一瞬忘れそうになっていたことを気づかせてくれました。そう「戦う気持ち」です。これだけは、今後も忘れないようにしなければ・・・と改めて感じました。
(FWとして生き残るために)今日が最後かもしれないし、チャンスをもらえたらとにかく自分にできることを。それはJリーグも一緒だし、今日もそういうプレーはできたとは思うが、結果だけが足りなかった。(頭のけがは)6針縫った。次のJの試合にも出られるようにしっかり縫ってもらった。痛かったけれど、試合に出られない方が、もっと痛い」 ガーナ戦後 選手コメント- 「結果だけが足りなかった」播戸竜二 |
■ 後半守備 - 失点シーンを分析 |
◆守備の局面が課題
しかし、このような局面での守備などは、意外とクローズアップされていませんが、正直、不安です。その最たるシーンが後半15分。阿部がイエローカードを貰ったシーンです。この局面では、本職のDFは、一人もいません。阿部が一瞬、躊躇したこの場面は、今回は、結果的にFKだから良かったものの、もし、PKやゴールだとしたら、この点について議論になったと思います。そうすると、オシム監督のポリバレントに対しての異論、不満が噴出してたかもしれません。
また、図解にはしませんでしたが、一方、後半35分くらいにも、ガーナ選手にドリブルされるシーンがありましたね。このように、局面における「1対1」、「2対1」のような場面で、ボールを持っている選手に付くのか?、ゾーンを守るのか?、またマンツーマンを捨てるのか?局面、局面における判断の悪さというのが、後半目立ちました。そして、その結果が失点シーンだと思います。(後述)
◆失点シーンを分析
ガーナのスローインから素早いリスタートをしました。こういうのがマリーシアですね!(詳細)
この局面での判断は、正直、どうなんだろう?!って思います。つまり、スローインが水本がついていた選手に渡りました。今野は、一瞬自分がマークに付く選手を追いかけようとしましたが、すぐさまペナルティエリア内のスペースを意識して動き出しました。その次の瞬間に、クロスが上がりゴールとなりました。
個人的には、水本がマークしていた選手を今野も追いかけてプレッシャーを2人でかけるべきだったかもなぁ~って思うのです。
この局面、ゴール前から数本のパスが繋がり、今野がカットしてスローインとなりました。日本のプレスは、中途半端に前から!という意識でした。しかし、中盤が間延びしていたのです。やっぱり、この局面では、唯一相手の流れを切った今野がそのままボールへあえて執着して、一回流れを切る等しても良かったように思えました。(期待し過ぎ?)
本当に一瞬の判断なので、今野が選択したのが間違っているとも思えませんし、厳しい目で見れば、水本のマーク自体が甘かったという指摘もあるかもしれません。また、当然、ゴール前に飛び込んだ選手にマークがなかったとかね・・・
一方、良かった所も多々ありました。例えば、後半13分くらいに、水本かな?が右サイドでガーナ選手をブロック(マーク)している所に、遠藤がプレスに行き奪ったシーンがありました。また、バイタルエリアにガーナのくさびのボールが入った時に誰か忘れたのですが、自分のゾーンを捨てて奪いに行くところもありましたし・・・つまり、先のエントリーの中で引用しました湯浅氏の指摘していた部分『選手たちが「ゲーム戦術」を気にし過ぎていたかもしれないという感覚に苛(さいな)まれている』って言葉に集約されているような気がしました。氏は、攻撃面での問題を指摘しましたが、むしろ私は、守備面での問題を感じました。細か過ぎるのかな・・・(苦笑)
■ 最後に、友人のコラムを・・・ |
複数のマスコミのオシム会見の解釈の仕方に不満がある。試合を見ていないファンに影響を及ぼすので、非常に危険だと思った。 「オシム監督は、攻撃に関しては、将来、欧州組に頼らざるを得ない意向を示唆した」 これは違う。昨日の敗戦結果に対するマスコミへのただの釘刺し。そう思いたい。(欧州組の)力は認めるが日本のサポーターは、海外組を魔法使いと勘違いしている。マスコミは、また短絡的な海外組へのノスタルジーに浸っている。ギリギリまで国内組・日本のサッカー全体へのサポートをすべきだ。(マスコミは)我慢が足りん!昨日の試合の課題を日本サッカーへの苦言にしようとする人は誰もいない。昨日の試合の結果、“必要なのは、欧州組”これでは、日本サッカーが進歩していかない。マスコミは大事な広報なんだからしっかりして欲しい。たまには、マスコミは、試合直後に短絡的に欧州組に頼ろうとするマスコミ(自身)を批判しろ! 今こそ、今だからこそ、ジーコが最後の最後に成田で吐き捨てた日本サッカーの課題・足りないものを皆さんで解決していく方法を見つけていく時期なんではないか?ってオシムは思っていると思った。もう忘れたか?昨日の試合はそんな試合だと思う。だからこそ千葉ジャパンじゃダメだとか短絡的なことを言われると怒りが込み上げるのだ。言葉や物事には必ず二面性がある。マスコミの取り上げ方は感情的な保育園児の水準に終わっている。オシムも魔法使いではない。 『欧州組は高いクオリティを持っていると思うし疑いの余地はない。けれどそれだけでは試合に勝てない。欧州組が加わる=ガーナに勝つとは限らない。それはドイツワールドカップでブラジルが証明した。本当に必要なのは選手個人のクオリティよりもチーム全体としてのクオリティだ。チームが闘争心を持って団結して戦えることが一番大事だと思う。』大分のシャムスカ監督 マスコミがこんなことを言える時代はまだ先だな。 - text by 中野のビロング(仮) |
みなさん、昨日の試合については、色々と思うこと、感じることがあったと思います。
でも、人それぞれ様々な意見が飛び交うような現状は良い事だと思っています。
今回も長くなってしまい、すいません。最後まで読んでくれた方々ありがとうございましたm(__)m
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W杯関連 - 過去Blog |
【本大会試合関連記事】
#130 ドイツW杯 総括 ※ ドイツW杯期間中の過去Blogは、ここから全て読む事が出来ます。
攻撃面については多くの意見が出てるような気がするんですけど、守備に関してオシム監督の評価はどうなんでしょーね。でもほんとにDFの選手層が…(泣)
>こんばんは。攻撃面に関しては、別に海外組がいてもいなくてもさして変わらなかったと思います。後半、疲れちゃったかな・・・って部分があったので、その辺は、もっとペース配分を考える時期が来るのかな?って思ったしていますけど、こういう話は、まだまだ先ですね ^^;
ガーナは中央突破ばかりが目立っていたので日本も中央で守備ができた
これが両サイドから攻撃されていたら、日本は防戦一方だったのではないかと!?
日本のCBもFWも世界基準からみると、まだ、未熟な感が否めないですね
動くフィールド、私もやってみたいですね(笑)
>こっちでも、こんにちは。大雨です・・・(笑)
実際3バックは良くやったと思うのですが、今回は、直接得点にならなかったけど、危険な匂いはあったように思いました。
オシム監督の言う、ポリバレント(ポリデントみたいだけど・・・w)もいいですけど、本職のディフェンダーの控え(バックアッパ)が欲しいって思いました。むしろ、阿部、今野に関しては、本来のポジションでのプレーの方を評価しているので、そっちでの活躍を期待したいですね。
ただ、今回の今野のケースは例外だと思います。試合中、流動的に鈴木がDFラインに入ったりってことがこれまでもありましたが、それを今野も普通に出来るということは証明されたと思います。今野・鈴木は水を運ぶ選手として今後も重宝されるでしょうね。
中村憲剛ですが、注目していたのですが、あの時間帯に入ってあの状況であれば、あれくらい出来る選手だと思っているので、期待を込めて言えば、最後の最後、「なんでミドルシュート」打たなかった?って思いました。
>こんにちは。こちらは大雨ですが、そちらは?(笑)
ガーナが両サイドを使って、もっとワイドな展開を使ったら、さらに色々と参考になることがあったと思います。私もW杯でのガーナの戦いぶりから分析していたのですが、もっと両SBのエリアを狙うかな?って思っていましたが、意外と少なかった。
まぁ、日本が、「3-4-3&5-4-1」の使い分けのように両サイドのケアをしていたからって好意的に考えれば、オシム監督の戦前のプランは良かったって見かたも出来ますよね。
動くフィールドは、アニメーションgifを作ってやっています。コツさえ掴めば簡単です。但し、画像編集ソフト必要です。フリーのソフトでも、ちょっとは出来るのあったかな?
図解のおかげでガーナの守り方が分かりました。
DFラインの一人がボールにアタックして、もっとも近くにいるDF(これがオシムのいう第二DFなのかな?)が最終ラインの基準となる。典型的なフラットラインですね。
これを崩すには後半10分の図のような飛び出しやワンツーリターンが効果的ですね。
日本の場合、リベロの阿部が最終ラインの基準となってオフサイドトラップをかけられますね。
カウンターの局面ではラインを止めるとき以外阿部は前に出て行かないほうがいいかもしれませんね。クリヤーやファウルで止められるならいいのですが。
リベロの阿部のロングフィードとか観てみたいですね。CSKAのイグナシェーヴィチや昔のバルサのクーマンみたいなDFが好きなモンで。
お邪魔しました。
>どうも、はじめまして、こんばんは。
事前の分析では、もっと守備はオーガナイズされているのかな?と思ったのですが、ラインは高かったですね。W杯で言えば、ブラジル戦orチェコ戦に近かったと思います。
日本に裏を取られても足が速いのですぐに追い付いたり、フィジカルの面が良い意味で守備にも反映されていると思いました。システム的な綻びはガーナも多分にあったんですけど、それを日本が突くことが出来なかった・・・ってのが、総括的な印象ですね。
z-netさんの所で私もCSKA352さんのW杯のスイス対ウクライナだったかな?拝見させていただきました。
私は、東欧、ロシア系はさっぱりなので、CSKAのイグナシェーヴィチは分からないのですが、クーマンは分かります。そうなんですよね、阿部の良さってそういうロングフィードがあると思うのです。しかし、なかなか発揮出来ていないってのが残念です。試しに、闘莉王(or坪井)とCBを組んだら面白いかもしれませんね。
現代は、DFラインからのロングフィードも非常に重要ですのでね・・・
今後も暇な時には、来て下さいm(__)m