■ DFラインからの攻撃的なアクション |
◆ 左SB 駒野のプレーを分析
お世話になっている私の友人が広島ファンなので、たまには広島の選手についても書いてみようという事で・・・
ペルーの右サイドの守備が“ざる”だったこともあるかもしれませんが、日本は左サイドの駒野の攻撃参加が効果的でした。特に攻撃のタイミングは非常に良かったと思います。
◆ 三都主にはないプレーをした駒野
これまでA代表では、左サイドは三都主のポジションという時代が続いていましたが、今回、駒野(右利き)の方が効果的だったと思わせるプレーもありました。三都主との大きな違いです。
現代サッカーのおけるサイドプレーヤー(ウィングバックなど)は、セルティックでの中村の使われ方も同様ですが、利き足とは違うサイドに入れる事により、「インサイド(中央)へのアクションの効果を得る」というものがあります。例えば、マンチェスターUのC・ロナウドなんかは現代サッカーでナンバーワンのサイドプレーヤーだと思うのです。それは、ドリブルの縦への突破だけではなく、インサイドへ入ってシュートという形も持っているからです。(彼はどっちの足も凄いけど)
この試合でも、駒野がクリチャーノ・ロナウドばりにインサイドに仕掛けてシュートを撃ったシーンがありました(枠外れたけど)。これは、三都主との大きな違いです。(三都主は右足でのシュートは皆無に近い為)これがあれば、対峙する相手チームの選手は、「縦と央(なか)」の両方に意識が行くので、サイドSBの攻撃参加の幅という意味では大きな収穫だと思うのです。
◆ DFラインからの崩しの一例
(左図参照) GKからのスタートです。闘莉王から中澤へパスが出たくらいのタイミングで駒野がオーバーラップの仕掛けを開始していました。次に、中澤が強くスピードのあるボールを駒野へ出しました。そこへペルーの選手がプレッシャーを掛けて来ました。引いてきた遠藤にパスを出して前線へ走り込む駒野。ドリブル突破を仕掛けると止めきれずファウルをするペルー。 |
次に、4バックで臨んだ日本代表ですが、前半ペルーが意外と中盤をコンパクトにして圧力を掛けて来ていました。よってなかなか中央でパスで崩して・・・ってのが見られませんでしたし、FWにもボールが渡らない状況がありました。そこで、こんな時に効果的なのがDFラインからのビルドアップです。
バルセロナのように両SBが徐々に高いポジションへシフトしながらDFライン(ボランチも含む)でのパスを回しながら、アクションを仕掛けるタイミングを見計らっている局面です。非常にシンプルな崩しですが、ペルーが3バックだった事、日本が中央からの攻撃が厳しかった事など考慮すれば、不用意に中盤で短いパスを繋ぐよりはこのようにダイナミックなパスと(駒野の)オフザボールの動きが効果的だと思います。
中澤のパスの出した所がスタートだとしたら、パス3つでクロスを上げる前のサイド突破を作りました。今後もこのようなDFラインからの仕掛けが増えて欲しいと思います。個人的には、今回の試合で一番チームとして攻撃面で可能性を感じるプレーでした。しかし、DFラインから前線へのパスという点では、ちと課題が感じました・・・
■ 今後のオシムJAPANについて |
◆ 改めて思う、A代表の日程の厳しさ
とりあえず、次回のA代表の試合は、現時点(3/25)で予定されているのは、6月のキリンカップということで、またしてもホームゲームです。この間、約2ヶ月ほど間が空いてしまうのが、ちと不安な感じはします。
例えば、中村、高原を再度招集したとして、他にも中田浩二、稲本、松井などはどうなるんでしょうか?!その後、すぐにアジアカップが7月7日からスタートしますので、可能であれば、4月下旬くらいにでももう1試合組み込めないのかな?と・・・しかし、Jリーグの試合もあったりしますし、浦和、川崎の選手は、ACLもありますし・・・と、欧州各国ではこれが普通なのでしょうけど、やっと日本も日程だけは欧州に並んだ感はします(苦笑) 但し、問題は、これからでどうA代表を構築していくのか?
今回の試合後の会見で、唯一気になった発言は以下の通りです。
私は進むべきノーマルな道を進もうと思う。それもなるべく痛みを伴わないで、しかも中身が変わっていく。誰にも気づかれないように、大掛かりなことのないように、少しずつ若返っていく。簡単なことではないが、世界中の代表チームがその方向に進んでいる。しかし日本には、若い才能豊かな選手が少なくないことは申し上げておこう。 (中略) 今日の試合の感想は、私が考えていることと全く正反対のことを言っているわけではない。勝ったからといって、良かった良かったとは申し上げられない。次の試合がもっと良くなる余地を残しておきたい。 引用元:スポナビ - ペルー戦後 オシム監督会見 |
◆ 2010年とアジアカップでは、メンバーが異なる可能性
過去のトルシエ監督が五輪代表をA代表へ上げるということをしましたが、あれは自国開催のW杯でしたので、4年掛けてチームを作った特殊なケースでしょう。また、ジーコ監督は、下のカテゴリィからあまり選手を招集しませんでした。また、ジーコ監督の時は、4年間選手の入れ替わりが大きくなかった、極端な言い方をすれば、DFラインを除けば、初陣(ジャマイカ戦)のメンバーとさほど変わらなかったと思います。その煽りを喰らっている感もあるオシム監督ですが・・・
とりあえず、会見の内容から推測限り、その時々によってベストな選手でチームを作っていくという感じなんではないでしょうか?勿論、ある程度チームの軸(核)となる選手はフィックスしていくと思いますが、大幅に入れ替えたりてことなく、チームを2010年に向けて作って行く感じですね。ただ、アジアカップと2010年では、サブの選手も含め大きくメンバー構成が違っている可能性もありますね。
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いつもみたいに書いていたら長くなったので、「分割召集」ならぬ「分割UP」しようと予定しています。どうなるか分かりませんけど。
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変えりゃいいってものでもないですけどね。新しい物好きは世界中どこでも変わらないか(笑)
代表のスタイルに近い気がするのですが。<東欧の香り
この試合見てないのですが、相手の2トップを2人でマークしたんでしょうか。
そうであればよい成果だと思います。トゥーリオは上がれなかったのかな?
万全を期してリベロをおくのであれば、阿部が必要だったのでしょうが、その必要が無かったので阿部を憲剛に変えたのでしょうね。
本当はは左利きのウィンガーがいいのでしょうが確実に守れて攻めきれる人材がいないんでしょうね。
駒野はドイツのラームみたいな感じですね。
高い位置に逆足のキープができて中にも仕掛けられる選手がいて、その外をオーバーラップするという崩し方が流行っていますね。
ロナウド、カカー、メッシは一人で試合を決められる選手ですね。安定感もあるのが彼らの凄いところ。上手さや爆発力だけならもっと凄い選手がいると思うのですが。
幸いDF陣は国内に揃っているので、国内組みでチームを完成させておくことが選手層を暑くするでしょう。
守備と速攻のパターンができていれば、困ったときに海外組みの個の力が役に立つのではないでしょうか。
アジアカップのメンバーとも異なってきそう。
アンダーからの引き上げが頻繁に行われそうですからね。
個人的にはそういうことが無ければならないと思うし、代表監督といえどもある程度は意識して欲しいことです。
監督の契約が切れても、「日本代表」というチームは続きますから、クラブと一緒で経験は引き継がれなければいけないかと。
こんばんは、いつもコメントありがとうございます。
今後、この試合での駒野のようなプレーがチームとして連携が取れてくると共に増えれば、FK以外のゴールも出てくるでしょうね。とはいえ、結局、最終的にはシュートの精度が問題になったりして・・・(苦笑)
こんばんは。
個人的には、サイドのクロスが上げれるようなエリアで、他の選手が外側を回って・・・ってパターンはあんまり好きじゃないんですよね、「1対1で勝負してクロスくらいあげろー!」みたいな感じで(苦笑)もちろん、局面においてケースバイケースですけどね。
こんばんは、お久し振りです。
おっしゃる通り“継続性”はとても大事だと思います。代表に限らず監督が変わる事はよくあることなんで、クラブであればクラブなりの方針などあると思うのですが、JFAには、そういうチーム強化の方針がいまいち見えない・・・だから、代表の監督が変わるたび、「やれ、ジーコだ、やれ、オシムだ、ベンゲルだ」って話になるんで、協会側で、方向性が明確に決まっていれば、監督人事でいちいちてんやわんやしなくて良いと思うんですよね。
良し悪しは別として、韓国なんか“オランダ路線”を踏襲していますしね。(まぁ、これも微妙な感じする時はあるんですけど・・・自粛)(笑)
ロナウドの場合は両足もさることながらセットプレーからCFばりにヘッドで合わせたりする得点力も持ち合わせていますし、フェリポンがW杯でCFにしたこともあったように単純にサイドプレーヤーというくくりはできないかもしれません。
こんな選手がいたらいいんですけれどね(笑)
こんばんは。
三都主は、個人的な印象ではたま~に右足でしたね・・・でも、なんとなく違和感があるような(苦笑)
C・ロナウドは、もう別格です。サイドプレーヤーって枠組み越えていますね。それに最前線より下がった所からドリブルで仕掛けられたら・・・新タイプのFW系でしょうね。