ROOM210-付録

10年ぶりブログ復活!

YAMAHA NS-10M レストアまとめ ウーファー編

2022年02月24日 | オーディオ
レストアまとめ ウーファー編です。
純白のウーファーに憧れたNS-10M・・・・・残念ながら殆どの個体のウーファーは黄色くなり、シミの酷い個体も少なくありません。
人もスピーカーも歳には勝てないと言う事で・・・・号泣
そこで誰もが純白のコーン紙にレストアしたいはず。
しかし私はあえて言います。 やめときなはれ!
少々黄色い程度のウーファーでしたらそのまま使った方が絶対良いです。
いや、でも黄バミの酷いウーファーのNS-10MなんてNS-10Mじゃない!!
と言われる方は是非ダメ元で頑張って頂きたいです。
そんな人の為に私が14台購入して経験した事をアップ致します。
コーンを白くする方法は
  ・漂白
  ・着色
の二通り有ります。 それぞれのメリット、デメリットは
漂白のメリットは
・ナチュラルな仕上がり。
 うまく行くと何も施してない純正かと思う程自然な仕上がりになります。
・ローコスト!
漂白のデメリットは
・なかなか簡単には白くなりません。。
・失敗すると黄色のムラが出来る
・エッジ軟化剤と反応して黒くなる事が有る
・コーン紙が変形する場合あり
着色のメリットは
・真っ白になる! 漂白より遙かに白い!
・コーン紙が変形しにくい
着色のデメリットは
・専用塗料が容量の割に結構なお値段
・ハケの塗り筋(刷毛目)が残る
・黒い塗装部との塗り分けが大変・・・・
・遠目で見ると最高ですが、近くで見ると厚化粧バレバレ塗った感満載。
・コーンの状態によっては時間がたつとコーンの汚れが表面に浮き出る場合あり。

結局、私なら黄ばみの少ない個体は漂白し、黄ばみの酷い個体は軽く漂白後に着色するかもです。

では漂白についてノウハウを
1,漂白剤は金属に悪影響の無い酸素系を!
  塩素系の方が強力なんですけど、金属部への影響を考えたら酸素系ですね。

2,エッジ軟化剤を塗る前に漂白します。
  エッジ軟化剤を先に塗ると漂白剤が反応して黒くなる事が有るので注意!
  エッジは堅い方がコーン紙が歪みにくいので、軟化剤は後から!

3,スピーカーにラップを巻いてコーンの所だけくりぬいてマスキングをします。
  漂白剤は20cmぐらい離して均一に吹きかけます。
  近距離で吹きかけるとマスキングは不要ですが、ムラが出てマダラになります。。。

4,溜まった漂白剤は注射器かスポイトで吸い取ります。
  真水を霧吹きで吹いて漂白剤を中和します。
  コーンの裏側に黄色いマダラ模様が出来る事が有ります。
  マダラ模様が出来たらコーンの裏側から水の霧吹きで汚れを取り除いてください。
5,黄ばみが多いと一度で綺麗になりません。
  黄ばみが残っているようでも乾くと綺麗になる事が有りますので、一旦乾かして下さい。
  乾かしてもまだ黄ばみの有る場合は二度目の漂白を行います。
  黄ばみが酷い場合は3~4回繰り返します。
  ちなみに寒い既設よりは暖かい季節の方が漂白力が強い気がします。
6,コーン紙はデリケートですので、ゴシゴシこすってはいけません!
  こするとすぐ毛羽立ちます

7,漂白はコーンの歪みとの戦い。
  とにかく塗らすとコーンはふにゃふにゃになります。
  漂白を繰り返すと歪みも多くなります。

  通常は裏返して乾燥させればそんなに歪みは生じませんが、半乾きの時にコーン紙を斜め横から見て歪んでいるようでしたら補正します。
酷い場合は凹んだエッジの裏側に綿棒を立ててエッジの補正をします。
  コーンが出っ張っている場合はマグネットシートを丸めて上に置く手も有ります。

 

  下の写真は元々綺麗な固体だったのですが、軽く漂白・・・と接近して吹いたらこんな事に。
  悪い見本例です。。。
  マスキングがめんどくさかったので、マスキングせず接近して漂白剤吹いたら激しくムラになりました。
  しかも先にエッジ軟化剤を塗っていたので、周辺が黒くなっています。
  元々まぁまぁ綺麗な個体だっただけに、やらなければ良かったパターン。
  はっきり言って漂白は難しいです。

着色についてノウハウを
私が使用した着色剤はヤフオクに出品されているymsa3511さんの着色剤です。
商品説明は
■本着色剤は、乾燥後、コーン紙の重さをなるべく変化さない様質量が軽い
染料主成分カーボン系をベース。
調合にミネラル分をろ過した純水を使用、乾燥後の質量変化は、ほぼないに等しく、同時にコーン紙を硬化もしくは軟化させるような特性もありません。
よって、音質に与える影響もほぼありません。
とあります。
専用のハケ2本や脱脂用アルコール付き脱脂綿、綿棒なども付属しています。
1,脱脂
この塗料は水性なので、脂分があると塗料を弾いてしまいます。
私は無水エタノールで脱脂しました。
軽く漂白させて脱脂するのも良いかもです。

2,重ね塗り
コーン紙の黄ばみが酷い場合、一度では黄ばみが隠れないので重ね塗りする事になりますが、この重ね塗りが難しい・・・
2回目を塗ると、1回目の塗料が溶けて下地が見えてしまいます。
下地がえぐり取られる感じなので、ポンポンと叩くように塗ると厚塗り出来るのですが、塗装面がデコボコに。。
塗料を薄めて塗るとせっかく塗った下地が溶けるし。
難しいです。




3,黒色塗装部分
センターキャップの接着や、リード線の保護用に塗られている黒色塗料部分もついつい白色に塗ってしまうんです。。
良く乾いてから爪楊枝でゴシゴシ白色塗料を落とすか、黒色ペンキで塗るかしなくてはいけません。
これ結構めんどくさいです。

4,サンドペーパーかけ
刷毛目のデコボコを目立たなくする為に1000番程度のサンドペーパーをかけます。
酷い場合は600番で良いかも。
これも大変な作業なのである程度刷毛目が目立たなくなるともういいや!ってなります。
センターキャップが凹んでいる場合
センターキャップを少し湿らせて掃除機で吸います。
いきなりフルパワーで吸うと悲惨な事になりそうですので、「弱」から様子を見ながら吸ってみて下さい。
完璧には戻りませんが、目立たなく出来ます。

コーンが破れている場合
コーンが薄いので結構破れている事が有るんですよ。
最初に買った1台は買って到着後に破れている事を知り、結構がっかりしました。
変色しにくい障子用糊を薄めて傷口に裏表から塗ればとりあえず空気が漏れたりビビったりする事も無くなります。
エッジ軟化剤
1,軟化剤
ブレーキフルードの流用です。
私が使っているのは(株)デイトナ社製DOT-4(100mL)です。
これ
https://www.daytona.co.jp/products/single-78023-genre
鉱物系、シリコーン系、グリコールエーテル系とか色々有りますが、私が使って効果が出たのはグリコールエーテル系です。(他のは使ってないので効果不明)

2,塗る順番
エッジ軟化剤は最後の処置です。
上に書いたように漂白剤と反応して黒くなるので、最後に行う方が良いです。

3,塗布方法
綿棒に染みこませ、エッジの裏側にまんべんなく塗布します。
塗りむらが有ると、エッジが変形してしまいます。
コーン紙や塗装部分には絶対に塗らないようにして下さい。
悲しいシミが出来てしまいます。。
塗布後3~4日経てば(寒い時期)エッジはふにゃふにゃになります。

とまぁこんな感じで、色々失敗しながらレストアしてきた訳なんです。号泣・・

YAMAHA NS-10Mレストアまとめ ネットワーク編

2022年02月07日 | オーディオ
さていよいよレストアのまとめに入ります。
第一弾はネットワーク。
ちなみに言っておきますが、「チューン」ではなく「レストア」ですのでお間違えなく。。。

レストア内容はコンデンサーと端子です。
例のクソ電解コンデンサーだけは交換した方が良いし、あのショボい端子もあり得ないですから。。
ただしPROやSTUDIOや10MXや10MTは元々良い端子が付いているので交換する必要は無いと思います。

まずネットワークの取り外しですが、スピーカーを外してリード線を外します。
ケーブルを交換するのであれば切断すれば良いのですが、ケーブルをそのまま使うのであれば半田を吸い取って切断せずに外します。

何故かと言うと、古いケーブルを切断して再び半田付けしようと思っても、被覆をむくと芯線が見ての通り錆びてます。。
この状態ですと新しい半田が付きにくいので新しいケーブルに交換して下さい。


グラスウールを引っぱり出す時は必ずビニールの手袋をして作業をして下さい。
結構チクチク来ます!

ネットワークを固定している6個のM4ナットを外してネットワークを取り出します。
ツイーター用電解コンデンサーのリード線を切断してテスターで容量を測定してみて下さい。
古い機種だと多い容量を示すと思います。
測定器によって示す値はバラバラですが、容量専用測定器でもかなり多めを示します。。
接続
回路はこの通り12db/oct クロスオーバー2KHzです。


端子交換
端子の取り外しですが、接着剤の裏にM4ビスの頭が隠れていますので、接着剤を除去してネジを外せば簡単に取り外し出来ます。


新しい端子は同じくM4ネジタイプにすれば無改造で取り付け出来ます。



問題のコンデンサー交換!
コンデンサーはリード線を切断し、ビニールの被覆カバーをカッターで切断して中身を取り出します。
後から接着されたカバーを引きはがします。


コンデンサーはフィルムまたはバイポーラ(両極性)の電解コンデンサーを使用します。
ツイーター用は2.7μFを2個並列で5.4μFとして使用していますが、2.7μFのバイポーラだなんて滅多に売られていないと思われますので、自分は2.2μF+2.2μF+1.0μFの合成で5.4μFにしました。
後半のレストアでは4.7μF+0.68μF=5.38μFにしました。
誤差が有りますが、電解コンデンサーなんて誤差10%~20%が普通ですので、問題は無いと思います。(元々が酷い誤差ですから・・・)

フィルムコンデンサーと電解コンデンサーの選択肢が有りますが、価格とサイズ以外はすべての項目に関してフィルムコンデンサーの方が優秀です。
但し電気的特性が良い方が音が良いのかと言われると・・・不明??
この辺は両方を比べて見れば良いのですが、私はやっていません。
とりあえず私は電気的特性に優れたフィルムを使用しました。

コンデンサーの耐圧ですが、50Vも有れば電気的には問題無いと思うのですが、耐圧の大きい方がESRが低くダンピングファクターの点で有利になりますので、200V以上を使った方が良いです。
ちなみにツイーター用U-CON製コンデンサー(標準の物)は耐圧160Vです。
ウーファー用が50Vです。
私は630Vと400Vを使用しました。
まぁダンピングファクターが大きいとNS-10Mの音が良くなるのかと言われると??ですが。。

出来上がり
シズキとpanasonicのフィルム

こんなバージョンも

4.7μF+0.68μF=5.38μF時代
新しいコンデンサーは接着剤で固定する事も忘れないように!
RとLを間違えないように取り付けて下さい!!

たまには自転車ネタ

2022年02月03日 | 自転車
ちょいオーディオは休憩中
去年の5月に注文していた自転車がやっと納車されました。
イタリアの老舗Wilier社のGranTurismoR Team Disc 2022です。

本当はもうワンランク上の中級モデルが第一候補だったのですが、入荷する目処が立たないのでエントリーモデルにしました。
まぁ実力的にはこれでも十分すぎる訳で・・・号泣
しかも色は選べず。
クランクは170指定だったのですが、物が無いという事で165に・・・
しかも去年モデルから代わり映えしないのに結構な値上げ!?
もうですね。。。買う時期が悪すぎでした。
それにしてもスピーカーだけでなく、自転車も増える増える。
この写真の他にKONAのマウンテンバイクとママチャリが有ります。

ちなみに真ん中のミニベロは通勤用に買った激安自転車でしたが、あまりにも酷いので10万以上かけて改造してしまいました。
買った時から付いてる部品はフレームとフロントフォークとシートクランプのみと言う・・・
まぁ最初から良い物買っておけのパターンですね。

自転車業界に限らず私たち製造業の現場では物が入らなくて現在悲惨な状況なんです。
1000万円の製品が数百円の半導体が無い為に納品できないとか
そんなので数百円の半導体を悪徳業者から数万円でも買うんです。。
無いのは半導体だけでなくナイロン66、リン青銅、その他いっぱい
ちなみに半導体を製造する機械が半導体不足の為に製造出来ないらしいです。
てな状況のど真ん中に居るので、この自転車屋さんの対応には文句どころか感謝しております。
普段は逆の立場ですので。。