今日は現実に戻って就活の話です。
3月に就活が解禁されて、リクルート会社経由だった活動も、学校経由や、直接のコンタクトに代わり、毎日忙しく歩き回っている太郎くんです。
家の方にもどんどん会社のパンフレットが送られてきて、
「どんだけエントリーしてんの?」
というくらいパンフレットがたまってきています。
私の知っている名前の会社もありますが、全く知らない会社の方が多いかな。
カタカナの名前の会社が多くて、何をやっている会社なのかちょっと読んだだけではわからないところもあります。
話題の電通もありました。
広告会社なので、自社PRなんてお手の物だと思って、手に取ってみました。
他社と比較しても素晴らしく、立派な紙質で画像もセンス良く斬新と思われるかもしれませんが、
いえいえ、紙質は上質のわら半紙程度、大きさも小さくて、B5の3分の1程度、厚さは2cm位。
ちょうど洋書のペーパーバックに似ています。
メインは300ページ弱に及ぶ文章。
テーマが表向き「前例のない」でした。私は隠れたテーマが「人」と取りました。
封が切られてなかったから太郎君は興味がないようです。
会社からのメッセージと、ちょっとした会社の概要の後、ほとんどが社員さんの成功体験でした。
最初はAUのコマーシャルを作った方の話。
あの桃太郎、金太郎、浦島太郎が出てくるコマーシャル、私も実家で見て印象的だったので覚えています。面白い(^▽^)
他社のパンフレットがそれこそ電通の方が作ったようなものの中で、そう来るか・・・という感じです。
さすが電通、人の興味を引くのはお手の物ですね。
その中、表紙と2ページ目の間にぺらっと紙が一枚、あの事件に触れた、申し訳程度の、無味乾燥なコメントが入っていました。
その紙一枚で、力のこもったこのパンフレットが台無しです。入れない方が良かったかも。
世間をかなり騒がせた事件だったので、もし公、といっても会社のパンフレットに挟む程度でも、コメントするのであれば、
特にこれから新入社員として入ってくるかもしれない学生の不安を思いやってのことならば、
どんなにちょっとしたコメントにも誠実さと反省を、文章の中だけでも込めてほしいと思うのは
50の叔母ちゃんの繰り言でしょうか。
「結局、新入社員の自殺なんて、他の社員さんにとっては関係のないことなんでしょうね。」
私はそう取ります。もう少し文章力のある方に書いてほしかったです。
ふと我に返りました。
話がかなり脱線してますね。
繰り返しになりますが、3月に入って時々企業から直接連絡が来るようになりました。
先日もとある保険会社から電話をいただいた太郎君、
始めはめんどくさそうに
「はい」
と、スマホを取っていましたけど、
相手の方が大会社の人事部の方とわかるや、スマホを片手に頭をペコペコ下げていて、思わず笑っちゃいました。
「今からリーマンやってる。」
リーマンとは若者言葉でサラリーマンのこと。
直接人事部の方からお電話をいただいて、断り切れなかった太郎君、会社説明会に参加しました。
そこにはやはり電話で呼ばれた学生が数十人ほど集まっていて、普通の総合職でなく、幹部候補生として受験してほしいという話でした。
入社してからのいろいろな研修や訓練、やはり幹部候補生のその後は厳しく、3年後には3分の1がやめてしまうそうです。
毎日毎日、今年は合宿もキャンセルして、あちこち会社説明会に参加している太郎君ですが、
驚いたのが、スマホ狂だった太郎君が手書きの大きなスケジュールノートを使っていて、
中は小さな手書きのスケジュールでびっしり埋まっています。ここでももうリーマン風。
黒の就活スーツが妙にはまってきていますね。毎日嬉々として会社訪問しています。
夜は毎日、その日一日の報告をします。
私にではなく、パパさんにですけど。私は横でそれを聞いています。
これだけ回ったので、かなり的が絞られてきたみたいで、金融関係の会社に行きたいと言っています。
金融といっても、銀行だけではなく、証券、信託、不動産、商社、保険も金融に入るのかな。商社も金融に入るっていうのは知りませんでした。
その中で、大企業から中小、縁のあるところはすべて回っているようです。
それを夜に逐一報告してくれるのですけれど、話を聞きながら、私なんて口を出したくてうずうずしてしまうのですが、
パパさんは全部黙って聞いています。そして時々褒めます。最後にひとこと、
「明日行く会社は君にとって物足らないかもしれないけれど、就職をしてしまうとこういう経験はできないから、どの会社もしっかり見てきなさい。」
私の心の声「それだけ?もっと社会人の経験から、いろんな知恵を教えてあげてほしいんだけど・・・。」
いやいや、この頃ね、私若いっていう意味が分かってきました。
私なんて、直球ストレートど真ん中、という子育てしかできなかったので、子供に良かれと思う事はすべてぶつけてきてしまいましたが、
子供は子供なりに色々考え、一つ一つ経験しています。いきなり100個ではなく一つ一つです。
子供の認識力が育つのは、親の入れ知恵やお説教ではありませんね。経験です。
特に太郎君は自分で壁にぶつかって、自分で考えるタイプ。
就活を通してどんどんと大人になっていくのがわかります。
昨日話をした先輩のお母さんがおっしゃってました。
「男の子ってね、何歳になったらこうしようと心の中で決めていて、太郎君は就職は本気で取り組む、という事を、
おそらくは高校生時代、浪人時代から決めていたんだと思うよ。
だから今(学生時代)はちゃらんぽらんやってもいい、一線さえ越えなければ悪たれてもいいと思ってたんじゃない?」
ん~なるほどと思ってしまいました。思い当たる節があります。
太郎君の人生は太郎君のもの。親は祈るのみ!