空想科学ロケット旅行

Let's Go Swanky Street, Singing The Kids Are Alright!

鴨川つばめ 「DタウンCロック」

2010-10-28 12:43:12 | Reading
(20010831からのお蔵出し)


どうしても読みたくてヤフオクで5000円で落とした。どんなカンジだろうとドキドキしながら読んだが、手に入れてヨカッタ!

ストーリーはあってなきがごとくのドタバタなのだが、まずなんといっても絵がいい! おそらく「マカロニ2」の後なのだろうが、少女マンガっぽい色合いが抜けてかつてのポップな絵柄に戻っている。また途中には入っているイラストなどを見ても今さらながらそのポップでお洒落なセンスにはホレボレとする。これだったら江口寿史ではないがイラストだけでも十分にやっていけたのではないか(ただこの人はギャグ漫画が描きたかったのだからそうした選択はしなかっただろうけど)。

とくにギターを持っているところを描かせたら右に出る者はいないのではないだろうか? ロックが持つ楽しさ・躍動感というものが絵から溢れてくるようだ。こういうセンスの絵を描けるように練習しよう。

中身のほうも、誰かがホームページで書いていたがやはり目立つのはセリフのかっこよさ。

「まったくいい天気だ 青い空のスクリーン 緑のベッド ふりそそぐ光のシャワー 最高だ! 天国ってあんがい身近なところにあるんだな」

というセリフひとつとっても、普通であればそれほどでもないのかも知れないが、このマンガのなかでオヤジがいうとものすごくステキでイカしていて、それでいてなんだか切なくなるような気がする。

それからこれもさっきの誰かが書いていたが、戦闘機の彗星復元のドキュメンタリーを見たオヤジが「その夜 わたしは1時間30分の番組に心から酔った。次 の日は二日酔いだった」というセリフも最高だ。ただしこの回の最後にある「その夜わたしは『彗星』の夢を見た パイロットはわたしで 爆撃目標はチャタレー夫人のウサギ小屋であった」というセリフにはオヤジの哀しみというかなんというかそういったものがにじみだしていてハッとさせられる。これは作者の感情なのか?(チャタレー夫人=奥さんや家庭というものをオヤジはけっして否定は
していないと思っていたので)

ちょっとした背景の書き方などにやはり外国コミックのようなセンスを感じる。絵に関してはほんとにグレイトの一言に尽きるだろう。こんなポップでやわらかい絵が描けるようになりたい。

ラストひとつ前でちょっと壊れ気味になるが最終回はなんとか持ち直しているものの、やはり最後が訳のわからない尻切れトンボになってしまっているのは残念だ。この作者であればもっとかっこいいラストを描くこともできただろうに。

全編を通して笑うというよりもひたすらリズムに酔うと言ったほうが近いだろうか。すでにギャグマンガでもないような気がする。ただP141の「第二に地球空洞説」というのには、「マカロニほうれん荘」とおなじテイストを感じて思わず笑ってしまった。

ふと気がついたが、ルイジアナとブタゲルゲは出てこないんだな。

とにかくあまりにもウレシくて何度も読み返してしまった。


「最高だ! イカシテるってこういうことなんだな」





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