STUDIO ZODIAC

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映画『CASSHERN/キャシャーン』

2004年05月29日 | ■ (;・∀・)ノ【映画・テレビ】
友人から「今、ヒマ?」って電話があって「CASSHERN/キャシャーン」を観に行った!

酷評のおかげで、予想以上に楽しめた。 「千と千尋の神隠し」の時も映画が終了した時点で静まり返って不気味だったけど、キャシャーンもエンディングが終わっても席を立つヒトが少なかった。 宇多田ヒカルの歌のせいかもしれないが・・・

テレビのシリーズ物を劇場映画にする時、一番問題なのが「如何に短時間で作品を表現するか?」という事で、たとえテレビと異なろうがキリの良い処で話を完結する必要がある。 だから、描ききれないキャラクターをオミットしたり、辻褄(つじつま)合わせをしたりする。

映画としてテーマを描き、完結しさえすれば、及第点は与えられるべきだろう。

意味不明なレールによって移動する看板は「やり過ぎだろ」と思ったが、顔の付いた建物や爆撃機は「まあ、判らんでもないな」と自分を納得させながら観ていた。 狂った時代のオマージュとして表現すれば、狂った感じのレトロフューチャーな街並も味があったに違いない。 線路を4本使った横に長い機関車が「ガッシュガッシュ・・・」と進行する様は、軍国主義に突き進む日本を暗喩しているかのようで、戦時中のポスターをモチーフにした映像や普通のカットでも、何気にサクラの花が散りまくる拘(こだわ)りようだった。 そこまで、世界観に拘ったにも関わらず、日本語表記の世界、レトロながら現存したようなバイクやクルマ、ドイツ兵のヘルメットやスパス12をベースにしたような銃器が違和感を感じさせられた。 まあ、コレも「オマージュです!」って事なんだろうけど・・・

この映画は、一言で言うと「戦争反対のプロパガンダ映画」なんだけど、憎しみの前に「許してやる」「判ってやる」事が大切だと訴えている。

精神世界を表現するのは良いのだが、蘇る時に出て来る丸いマークが「セフィロトの木」 のセフィラーならば、最低でも「セフィロトの木」や、「すべての生き物へ生命エネルギーを与えるとされているセフィラー・ティファレト」の説明くらいあって良いだろう。

また、俳優の顔が隠れるのを事務所が嫌ったのか、必殺ワザ「超破壊光線」を使わないようにしたのか不明だが、辻褄合わせにヘルメットが破壊されるシーンが入ってて笑った。 フレンダーの強さも反則だと思ったらしく監督の裁量でカットされたのは残念な事だ。

それでも、寺尾聰の地面を蹴らない動きや、尖(とん)がったヤツラの存在感や動きを含め、細かな要求を映像で観るのは楽しいし、とても勉強になる。

製作発表の「フレームの中でのミリ単位の芝居」という話を聞くと、彼らの要求や見えている視点、世界を垣間見る事が出来るし、尊敬に値する。 重心落下点を追い求めたりしてると、足元に細かなゲージが知覚出来る時もあるのだが、もっと深遠な世界が広がっていると思うとワクワクする。

ビジュアル・クリエイター紀里谷和明の初監督作品という事もあるが、生暖かく見守って行きたい!>(;・∀・)ノ

超映画批評「CASSHERN/キャシャーン」15点
http://movie.maeda-y.com/movie/00306.htm
キャシャーンがやらねば誰がやる!
http://www.cinecomi.com/column/tp2003091620.asp

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