お気楽サバイバー研究所

21世紀は人類が経験したことのない「過剰」の世紀である。現在の社会の常識は崩壊する。生き方が「お気楽」に変わるのだ。

コメント20130810a

2013年08月10日 | 経済
現在の世界経済のフロンティアというか成長エンジンは途上国ですよね。BRICsとネクスト・イレブン。先進国には成長力がないどころか、それぞれに大きなリスクや問題を抱えている。さらに世界には絶対的貧困という大問題もある。

結局、いまの世界経済は競争だけでなく協調が必要なのでしょうが、その考え方やルールの基軸となる経済哲学とでもいうべきものがない。

中でも一番やっかいなのが金融だと考えます。巨大政府系ファンドの過激な動きや、金融派生商品の理解不能な取引など、世界的なルールが必要なのだが、専門家ですら理解が難しい複雑な状況になっている。

この混沌は、少なくとも5年以上、多分10年は解決しないでしょう。

日本国内を見るならば、高度経済成長期を賛美するような勢力が消えるまでは復活はない。すべては時が解決する。政治的失敗がなければ、日本はそれほど悪くない。私はそう考えます。

未来の世界経済

2013年08月09日 | 経済
IMF専務理事のクリスティーヌ・ラガル氏は「世界は考える」(土曜社、2013年)の中で、現代世界経済の課題を明快に三つだと述べている。

1.銀行部門の健全化
  積み重なった政府債務の存在は最大の難関だ。それでいながら、高齢化する社会では人々は政府に多くを求めることになる。

2.よりよい金融制度の確立
  複雑過ぎる金融制度が問題だ。そして金融機関は過剰なリスクテイクをしている。高いレバレッジの取引は減らすべきだ。

3.効率だけでなく公正さに基づく財政政策
  単なる経済成長ではなく、その質が重要なのだ。

そして、ラガル氏は現在の経済ゲームを競いあうだけでなく、協調しなければうまくいかないゲームなのだと指摘する。

流石に世界の知性は鋭く、また立派だと感心した。特に重要なのは金融に関するルールなのだ。いずれの識者も2013年の世界経済が崖っぷちにあるという認識で一致している。そして、崖から落ちるのか落ちないのかは予測できるものではない、とも。

23人の世界の知性が語るこの本は必読と言えそうだ。

mixi「公平性の経済学」のご紹介

2013年08月06日 | 社会
「公平性の経済学」は進化経済学に属する総合的な社会経済哲学に位置づけられる。
  
その、第一の特徴は、経済学の目的をベンサムの「最大多数の最大幸福」ではなく「より公平な経済システム」と定義し、センの業績である「パレート派リベラルの不可能性」を支持するとともに、公平性を経済思想の中心に据える。
それは、初期値の公平性、成果比例は公平か、能力比例は公平か、公平な福祉とは何か、機会の平等、結果の平等とは何かという問いに対し、哲学的、経済学的な解答を与えることになるだろう。

第二の特徴は、経済統計を使って実態経済の認識と評価に大きなパラダイム変化を起こすことにある。具体的な指標として最優先に用いるのは資金循環図である。成長というメタファから脱却し、この資金循環を用いて経済のプロセス及びその変化を分析することを第一の課題とし、成長率に変わる新たな指標=概念を導出することを目指す。

第三の特徴は、進化経済学的な総合性である。「公平性の経済学」の定義域は、哲学、政治、経済、社会、文化、国際情勢、等を横断する。

最後に、ここが一番肝心なのだが、私の構想は、以下の2点を柱とする。
 a.成長思想からの脱却
 b.雇用主義からの脱却
そして、この構想の正当性を裏打ちする文献が出て来た。

「このように見てくると、自然破壊という環境問題の背後には、資本主義の不安定性とそれを緩和するためのケインズ政策という景気対策があることがわかる。自然環境を犠牲にして、市民の雇用と安定した経済規模を確保してきたのだ、と言っても過言ではない。」 エコロジストのための経済学 小島寛之 東洋経済新報社 2006 p.95

管理人の私は基本モデルの構築に専念する。
もちろん、批判や反論もあるだろう。
それには答える場合もあるし答えない場合もある。時間を無駄にしたくないからだ。

このコミュの参加者としては以下のようなタイプを想定している。
 1.自らも独自に研究し論文を書くタイプ(トピを立てるタイプ)
 2.批判や意見は言うが、自らは成果物を作らないタイプ
 3.もっぱら読むタイプ
どれも可であるが、感情的な誹謗中傷をする人には説明なく退会してもらう。

ベンサム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%A0
セン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%BB%E3%83%B3
進化経済学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6
ノーベル経済学賞
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E8%B3%9E
行動経済学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E5%8B%95%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6
ゲーム理論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%90%86%E8%AB%96
制度派経済学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%B4%BE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6
計量経済学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%88%E9%87%8F%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6#.E4.BB.8A.E5.BE.8C.E3.81.AE.E5.B1.95.E6.9C.9B
93SNA
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/93snapamph/top.html
資金循環統計
http://www.boj.or.jp/type/exp/stat/faqsj.htm#1-01

なお、本コミュの前身が、発展的に解消した「【共同研究】新・経済学」であったことを、ここに付記しておく。

2008/08/02 JST 管理人記(8/4増補)