木漏れ日

日差しがキラキラと躍ってる…

第19回スノードロップ学習会

2013年07月26日 | 患者会
24日水曜日 第19回患者会スノードロップ学習会に参加してきました

今回は「乳がんに用いる薬について」と題して
 医大附属病院薬剤部 がん専門薬剤師 堀 雄史先生がお話くださいました

乳がんの治療方法
 ・手術療法…腫瘍の部分を取り去る
 ・放射線療法…放射線により腫瘍細胞の遺伝子を傷つける
 ・薬物療法…薬を飲んだり、注射をする
 
 
薬物療法の利点・欠点
 利点
  全身に薬物が行き渡る
  身体の外観が変わらない
 欠点
  一定の期間続ける必要がある
  副作用がある…他の治療でもある
  作用・副作用に個人差がある


乳がんに対する薬物療法
 ・ホルモン療法
 ・分子標的治療
   腫瘍細胞が増える信号を止める
   腫瘍のタイプにより効果が違う
   副作用が比較的少ない
   治療期間が長い
 ・抗がん剤
   腫瘍細胞を殺す
    がん細胞同様 増殖が速い細胞 皮膚 髪 骨髄にも作用してしまう
   副作用が比較的多い≒恐れられている

ホルモン療法
 ホルモン受容体陽性の人に施される治療

 閉経前
  LH-RHアナログ製剤(4・12週間ごと皮下注射)
  抗エストロゲン剤(内服薬) 5年間
 閉経後
  アロマターゼ阻害剤(内服薬)5年間

ホルモン療法の副作用
 ・ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)…女性ホルモンのバランスが崩れる為
   更年期障害と同じメカニズム 次第に軽減する
 ・生殖器の症状(出血 乾燥 炎症)
   タモキシフェンで子宮体がんになる危険性が上がる
    (800人に1人が800人に2~3人に)
   年一回の定期検診 症状があれば婦人科受診
 ・関節・骨・筋肉
   関節痛・こわばり(アロマターゼ阻害剤)
   骨密度の低下(LH-RHアナログ)…薬物療法 薬物変更
 ・精神、気分の落ち込み、眠れない…薬物療法やカウンセリングを受ける

そのほか
 分子標的治療
  HER2陽性の場合に有効な治療
   ハーセプチン アバスチン タイケルブ
 抗がん剤の種類や副作用
などなど

それから
緩和ケア・痛みの治療
 以前はがん病変の治療それから緩和ケアという考えでしたが

今のがん医療モデルは
 病変の治療と緩和ケアは平行して痛みに対処しつつ治療をする
 全人的苦痛(Total pain)
  がん患者の苦痛は多面的であり 全人的に捉えなければならない
  精神的苦痛(不安 いらだち うつ状態)
  身体的苦痛(痛み 他の身体症状 日常生活動作の支障) 
  社会的苦痛(経済的な問題 仕事上の問題 家庭内の問題)
  スピリチュアルな苦痛(生きる意味への問い 死への恐怖 自責の念)

痛みに対する薬物療法
 速く効く痛み止め 長く効く痛み止め
 痛みの持続時間によって薬を使い分ける
  薬は多くなりますがそれぞれに意味があります

麻薬に対する(と 過去の医療者の)誤解

「麻薬を使うと中毒になるんじゃないですか?」
「麻薬を使うと気がおかしくなるのでは?」
「麻薬を使うと寿命が短くなるのでは?」
「麻薬を使うということは末期なんですね?」

これらは誤解です!!

麻薬の使用量と寿命には関係ない

痛みはがんの経過のいずれの時期にも生じる
がんの早期でも痛みの強さに応じて適応を判断する

そして
 そのほかのアドバイス

・薬を飲む時間は守る
  食前 食後 食間 寝る前
  朝食30分以上前
  必要時 
   どれだけの間隔を開ければ良いか確認
・薬を飲む期間・飲まない期間があれば守る
・飲み忘れたら
  次に飲む時間に近いなら 次から一回分を飲む
  前回の分を足し算しない
・飲み合わせに気をつける
  他の病院にかかる時 市販の薬を使いたい時
  薬剤師などに相談 

主治医以外に勧められた治療法について

アガリスク メシマコブ プロポリス…
 効いたと言う意見は聞きますが何人中何人効くか、効かない人はどうなるか…
 よく分からない

まず主治医 看護師 薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか?

と1時間ほどお話くださいました

後半は主治医O先生を囲んで
 先日浜松で開催された乳がん学会のこと
  遺伝性乳癌 乳房再建のことなどなど

遺伝性乳癌の検査
 保険適用されてないので検査費用が20万円ほど
  検査した人(起因者)が陽性→その人に付随する人の検査費用5万円
 陽性と分かって全摘出する費用が100万円ほど…
掛かるのだそうです

全摘出する→傷つけてよいものか…
手術しない→ホルモン療法を選ぶのか?
トリプルネガティブだった場合 ホルモン剤や分子標的薬も選べない…

日本ではまだカウンセラーが圧倒的に少ないので
 陽性と診断されてからの精神面などの対処が…

まだまだ問題 山積みなんですね


乳房再建
 インプラントの保険適用は丸型のみ しずく型は適用外なのだそうです

一歩前進だけれど何故丸型のみ?


「涼しくなったら…
  秋にはどこか温泉に行きたいね~」と話題にあがり
 
次回の患者会は10月
 その時には温泉行きの計画も形を成しているでしょう








  
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2 コメント

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こんばんは (ケセラセラ)
2013-08-07 19:27:32
またまた勉強させてもらってます。m(_ _)m
ず~っと読んでいって
>しずく型は適用外
で、えっ!って驚き。(◎_◎)
私はしずく型なんですよ。
その違いは何なんでしょうね??
納得できる説明が欲しいですね。

アンジーのお陰で遺伝性乳癌のことがクローズアップされて
少しでも乳がんのこと、自分の胸のことに感心を持ってくれれば何よりですね。
なんたって、早期発見・早期治療ですもんね。

今の私の興味は、ずばり緩和ケア。
痛いのだけは我慢できないから..(^^;
返信する
ふたたび こんにちは~ (Rグレイ)
2013-08-09 12:59:19
ケセラセラさん ふたたび~(^^)

そう丸型のみとか…
 お椀を伏せた感じ? なので上側が不自然になるとか…
なんなんでしょうね(-_-;)
せっかく承認されるなら…
やれば良いって事ではない筈なのに…

歯も保険がきくのは変色したり噛み具合が不自然ですもんね
何だかぬか喜びって感も…それでも一歩前進 一歩ずつでしょうね

この前の乳がん学会でも患者会でも遺伝性乳癌のこと話題に上ったのはアンジーのおかげ
…実際には遺伝性乳がんは全体の乳がんに対して1割にも満たないんですが…
皆が他人事じゃなく我が事と思って関心もって健診受けて欲しいですね


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