🌸徒然日記🌸

日々の出来事を綴ります

彷徨ー2

2023-11-29 00:33:22 | 日記
「かず、気分悪くない?」

「うん」

「どこか痛くない?」

「別に」

かずは何も訴えないが

そう言っている間にも

水はどんどん溜まっていく。

しかもそのスピードは加速度的に

速くなっている。

ーやっぱりおかしい。

早く、助けて!

数時間前までは

出て行ってほしいと願っていたのだが

今度は助けてほしいとすがっていた。

ー私がしっかりしなくちゃ

恐かった。

真夜中の病室。

私はひとりでかずを守らなければならなかった。

守りきれるのか。

私の心臓が、胃が、口から飛び出そうだった。

彷徨ー1

2023-11-28 00:52:32 | 日記
平成17年4月28日(木)

私は、胸騒ぎのため

昨夜から眠ることができずにいた。

日付が変わったばかりだった。

かずを見ると、すやすやと寝ている。

ーよかった、眠ってる。

ふと下の方に目を向けると

かずのお腹から出ている

チューブの先に溜まった水が

微妙に増えている気がした。

ーかずの顔色は・・・変わりない

気になって、看護師さんに聞いてみる。

「これ、少し溜まりすぎじゃないですか」

「うーん、そうですね、先生に聞いてみましょうね」

しばらくして、C先生が来た。

「うーん」

C先生は考え込み、何も答えずに

その場を去った。

心臓がトックン、トックンと高鳴る。

微笑ましい

2023-11-27 01:07:51 | 日記
きのう何食べた?ていうドラマ

最初見たときよくわからなくて

続きは見なかったんだけど

映画になったり続編が放送されたりして

話題なので改めて見てみたら

二人のやり取りが微笑ましくて

また料理もとっても美味しそうで

いいなあって思うようになりました

恋人同士の二人が別れることなく

このままの状態が続くことを

願わずにはいられません

懇願ー27

2023-11-27 00:20:11 | 日記
「私の顔を見てから痙攣が起きた。

時間にして〇分で今はおさまっている。

すぐ痙攣止めを」

A教授は正直に伝えてくれた。

今回は処置が早かったため

痙攣を繰り返すこともなく

かずの意識は戻った。

でもきっと、かずはもう

心も体もボロボロだったのだ。

ーもうやめて

ーもういいから

ーうちの子にさわらないで!

ーみんな出て行って!

私は心の中で叫んでいた。

その日の夜、かずは39度の熱が出た。

痙攣と何か関係があるのかどうか

私にはわからない。

胸騒ぎがおさまらない。

何事も起こらなければいいが・・・

懇願ー26

2023-11-26 01:23:31 | 日記
私の手が緩んだ一瞬の隙に

かずの手がするりと抜ける。

それをすかさずA教授が押さえる。

A教授と私は、交互にかずの手足を

押さえながら叫んだ。

「かず君!かず君!」

何の返事もない。

前回と全く同じ状況だ。

しだいに痙攣はおさまっていったが

かずの意識はもうろうとしていた。

看護師さんたちがぞくぞくと集まってくる。

今回は私はかずの痙攣の一部始終を見ていた。

私はA教授がどう切り出すか

聞き耳を立てていた。