好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

続・ミステリは読むのが専門です。

2014-08-31 | チュンソフト・スパイク系
『TRICK×LOGIC』Season 2(第5~10話)を読了した。

あくまでも読み物として「読んだ」だけである。
ボイスもBGMもムービーも全部飛ばして機械的に。
(理想はボイスのみoffなんだが、そういうコンフィグ機能が無い)

それで痛感したんだが、このゲームの事件は、あらゆる意味で本格すぎる
ある程度、展開予想できたのは3話までだった。
4話でまず挫折し、5話は再び思いつけたが、6話でまた詰んで、7話以降は……本当に無理。
もっとフツーの答えでいいのに、そんなに意外性ばかり狙わなくていいのに。
捻り過ぎな解決編に、もやもやした気持ちが止まらない。

捻り過ぎなのは、主人公・芳川樹についてもそう。
「14年前に弁護士である父を殺された後、自らは百年に一度の天才検事となり、
扱う事件を全て有罪に処していた」
という壮大な設定、どこまで必要だったのか。

おかげで興味を惹かれて最後まで読もうと思ったわけだが。
因縁の敵は別件逮捕で見つかりました、って何だそれ。

こんなオチなら、「仕事を事務的にこなしていたが
逆恨みによって襲われたのを境に、真実へ向き合うように変わっていった」
というくらいで充分だったんじゃなかろうか。

後1回だけ記事書いて、このゲームの話は終わりにします。

それでは。また次回。
コメント (1)

「受け継がれる魂」その拾弐「慕われる騎士団」

2014-08-30 | ゲームブック二次創作
オレが居たのは、石造りの部屋の中だった。
砦の塔の最上階。
外の様子は判然としない。
空の色からして、赤くなり青くなり、刻々と変わっている。

戸惑うオレの前に、一人の男が進み出てきた。
全身を黄金の甲冑で覆った、古風な戦士だ。
その立ち振る舞いには隙がなく、歴戦の腕と知れる。
彼の後ろには、更に8人の戦士が控えていた。
長なのだろう、先頭に立つ戦士が言った。

「我らは黄金騎士団だ。
 我が騎士団の助力を求めるならば、その証を見せよ。
 我らの宝である鉄扇を返したまえ」

オレは心当たりの物を、騎士団長に差し出した。
青い円に九本の矢の描かれた鉄扇だ。
すると騎士団長は、恭しくひざまずいて受け取った。

「紛れもない。我々が長らく探していた物だ。
 ならばこの黄金騎士団、そなたの盟友として参戦いたそう」

段々からくりが分かってきた。
どうやら、オレが今までに得た品にまつわる救いの手が、
集まってきているようだ。
ならば、この不可思議な旅路もそろそろ終わりかと思った時、
再びオレは跳ばされた。

事件231『探偵たちの夜想曲』(第76巻)考察。

2014-08-29 | 『名探偵コナン』原作考察
「バーボン」の名前が初出してから15巻目、約50事件、約200週を挟んで、
つまり単純計算で約4年を経て、ようやっと事態が動き始めた。

よりによって探偵事務所のトイレで殺人事件発生である。
普通の神経だったらもう住めないだろうこの家。

だがこの事件、第一印象こそ強いが、後はただひたすらコナン一人だけが一方的に、
犯人のゲストキャラにぺらぺらぺらぺらしゃべり続け、
ふと気づいたら終わってる、という感じ。

で、そのコナンは相変わらず今回も、カケラ一つも警戒してない。
即ち安室について。
明らかに小五郎より上手(うわて)に描かれているのに、
その小五郎の弟子になりたがるというのは、
ネーミングのメタ根拠以前の問題で、怪しさ大爆発のフルスロットル全開なわけで。

「ベルモット編」や「キール編」では、身近に迫った人たちを片っ端から警戒していたのに。
こうなると、コナンは恐らく「キール編」を境に、何らかの絶対的な後ろ盾を得たのだろうと、
脳内保管するしかないのは、特にミステリではルール違反に感じてしまう。
納得できる根拠を示してくれるのは、果たしていつか……。

それでは。また次回。

決定版への道は遠く。

2014-08-28 | ひぐらしのなく頃に
PC版『ひぐらしのなく頃に』を、今の我がPC(Win7)に、改めて「礼」までフルインストールした。

結局、私は原作至上主義者である。
世の多くの人が拒むというあの絵柄も、幸い私はプレイ当時さほど気にならなかったし。
だから私はもう、PC版で満足するしかないのかな、と達観しつつある。

それにしても、これほど多くのメディアミックスを経ても、
どれ一つとして「決定版」が生まれない作品も珍しいだろう。

PC版:入手困難。PC環境が合わなければ読めない。
   配慮の足らない、描写の過不足が目立つ。
   絵柄の癖が強く、万人受けしない。ボイスがない。

ケータイアプリ版:通信費などで、実は最終的に費用がかさむ。
         ある種のDLCであり、ネット環境に依存している。

漫画版:複数の出版社にまたがってしまっている。冊数が多い。

TVアニメ版:(園崎姉妹の事情など)エピソードの一部が抜け落ちている。

実写版:最低限の状況説明すら出来てない。

小説版:サウンドノベルのシステムを小説では再現できない。冊数が多い。

CDドラマ版:PC版並みに入手しにくい。他メディアとキャストが一部異なる。

PS2版:最終話である第8話が異なる。完全版商法でファンを苦しめた。

DS版:分割商法。全4巻揃えるのを前提としている。
   第1巻のシナリオツリーの崩壊。フルボイスではない。

最後に、某エピソードの某人の言い回しで一言。

「私は、誰にも勧められるような『ひぐらしのなく頃に』を読みたい。望みはそれだけ。
全8話を、見やすい絵と文で、フルボイスで、家庭用ゲーム機で楽しみたい。
それだけなの。それ以上の何も望んでいないの。
……諦めたくない。」

それでは。また次回。
コメント (2)

「受け継がれる魂」その拾壱「懐かれる獣」

2014-08-27 | ゲームブック二次創作
次に我に返ると、そこは一面、草の海だった。
低い丘や森が点在している。
打って変わって明るく鮮やかな青空からは、済んだ新鮮な空気を感じる。
このような景色は、今までに見た事がなかった。
何より、近くに生える植物に、全く見覚えがないのだ。

そんなところに、一頭の獣がゆっくりと現れた。
尖った犬歯、飢えた目つき。
かつて書物で読んだ事がある。
これは剣歯虎(サーベルタイガー)だ。

剣歯虎はオレを見るや、全力疾走して向かってきた。
オレは懐を探った。
読んだ書物には、この獣には笛の音を聞かせると良いとあったのだ。

剣歯虎の銀細工が施された象牙の笛を唇に当て、吹き鳴らす。
草原に響きわたる音に、虎は立ち止まり、のっそりとオレに寄ってきた。
食べるためというより、純粋に好奇心からの様子だった。

虎は仲良くなりたそうな目でこちらを見ている。
オレが虎の頭をそっと撫でてやると、虎は嬉しそうに喉を鳴らした。
笛を吹くオレを、自らの主と認めたのだ。

すり寄る虎と戯れる内に、景色がまた揺らぎ始める。
次は、一体どこへ跳ばされるというのか――。

ジャンプ(39号)私的雑感。

2014-08-26 | ジャンプ
『銀魂』への期待。SF混じりの明治維新を描き切れたら凄いぞ。
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★覚えた台詞、三番勝負。
(※一言感想付けてみました)


1.「“誰にも望まれてないなら、せめて自分くらいは、自分のこと大事にしてやりなさいよね”」
(『肋骨さん』(読切)
(※サバイバルギルティから解放されるための、鍵)

2.「今のは誰が何と言おうと“ナイスレシーブ”だ」
(『ハイキュー!!』)
(※評価は後から、周りがする)

3.「今日敗北してもいい。いつか勝つまでチャンスを待つ」
(『暗殺教室』)
(※「訓練が良くても結果が出せなきゃ意味ないの」(byイリーナ)と同じ意味)


※補記
『肋骨さん』(by吾峠呼世晴)
『笠原さんと雨の日に』(by繁在家政之)、掲載。
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それでは。また次回。

異界の先へようこそ!

2014-08-25 | 物語全般
『虹の裏側』(by眉村卓)、読了。

全15話の短編集。

話ごとに長さが著しく異なる。
最も短い「ピーや」は、(2段組で)たったの4ページ。
猫派なら必読の話。

本命である、『幕末高校生』の原案と書かれていた「名残の雪」は、
本の最後に収録。

それで読んで初めて知ったが、
まさかここまで原型とどめてなくても「原案」なのか。

映画と小説の共通点は、「高校生が幕末へ跳んだ」の一点のみ。
何より、時間論の考え方が全く逆だ。

「名残の雪」の時間移動者は、はじめから微妙に異なる歴史に跳んでいる。
更に歴史を決定的に改変してしまって……当然、その後の「現在」も変わってしまうのだ。

ここに挙げた話に限らず、この本の作品たちは、
「平凡な勤め人が、奇妙な異界へ旅立ってしまう」という印象が漂っている。
その異界を、主人公がむしろ喜んで受け入れている話が多い事から、
クトゥルフのような世界観を連想するのは、私だけでないだろう。

それでは。また次回。

“ブドウ酒”に敗北宣言。

2014-08-24 | 料理
約4ヶ月飲み続けたアドヴォカートの次。
クレーム・ド・巨峰の瓶を今度は飲み崩している。

まずは試しと、いつものようにストレートで注いで、一口飲んだ時点で喉が焼けた。
アルコールでなく、あまりの甘さに。

例のバーで飲んだ時から感じていたが、やっぱりコレ私にとっては、ぶどうジュースそのものだ。
ソーダで割ったらファ○タグレープになるような、そんな味。
ある種、アドヴォカートの甘さすら上回ってる。

もっとも、「クレーム」を名乗るのなら、これくらい濃厚なのはむしろ当然。
ぶどう好きの方なら一度は必ず飲んでみるべき。

しかし申し訳ないが、私には合わないわけで。
本来なら鉄板である、柑橘類で割るのもアウト。
味は悪くないんだが、色合いがどうしようもなくなる。
ぶどうの紫と柑橘類の黄色とを混ぜたら、出来る色は容易に想像できるだろう。

牛乳で割ればフルーツ牛乳。
ヨーグルトドリンクで割ればプチダ○ン。
ワインなど別の酒で割れば味は悪くないが、尋常じゃなく酔うので本末転倒。
ぐるぐると色々試した末、結局最後は、普通の水割りに落ち着いた。
この酒を終えたら、そろそろウィスキー辺りに戻ろう。

それでは。また次回。
(追記。クランベリージュースで割るのが一番キレイで飲みやすい)

「受け継がれる魂」その拾「もたらされる知恵者」

2014-08-23 | ゲームブック二次創作
よろけたオレは、足場から落ちそうになるのを何とか堪えた。

そこは、細く尖った岩の柱の頂点だった。
やけに黄色い空に、太陽が輝き、遥か下に見える大地は暗紅色をしている。
見渡す限り、地平線に至るまで、何千もの同じような尖柱が林立している。
オレが立っているのはその中でも一番高い柱の上だった。

オレは一体いつから、こんな所に一人でいるんだろう。
分からない。何も分からない。

空を見ると、彼方に点が現れ、みるみる内に近づいてきた。
思い出した。
影の森で会った、あの時の竜だ。
竜は透き通るような眼を光らせ、オレに声をかけた。

「久しぶりだな。
 ぬしとの謎かけ勝負、実に楽しかったぞ。
 その知恵に免じ、闇将軍の鋳切との戦い、我も力を貸そう。
 ぬしの持つその翡翠がその証だ。
 時が満ちれば、我もぬしと同じ側に立とう」

そう言われてすぐに、景色が揺らぐ。
オレはまた、どことも知らない場所へ跳ばされていく――。

殺しに正義は存在しない。

2014-08-22 | その他ミステリ
『彼女は存在しない』(by浦賀和宏)、読了。

例によって、「叙述トリックの優れた作品」という評判から手に入れた。

最初の場面から、もっと言えばタイトルそのものの時点から、
伏線は大いに張られている。
だが、すぐに真相を見破れる読者は決して多くないだろう。
読んでいて、難しいというより、おぞましいと感じる故に。

この本の残酷描写は、かなり激しい。
いわゆる多重人格をテーマにしているため、
性的虐待の場面も避けられない。

特に終盤、兄を守りたいと訴えて暴走する妹の残虐ぶりには、
予想と覚悟が出来ていても、気持ちが悪くなった。
無駄に猟奇が過ぎるんじゃないか。

私のように、赤い物や赤くない物がばんばん飛び交う話が苦手な人は気をつけて。

それでは。また次回。