『三つの棺』(byジョン・ディクスン・カー)、読了。
1935年作。
図書館で予約し続けてやっと借りた。
ミステリ好きなら必読と言われており、特に、主人公・フェル博士による
「密室講義」は、しばしば評論で引き合いに出される。
約20ページにわたる、本筋から脱線した章だ。
ただ、私としては、フェル博士ってキャラ弱い気がする。
普通に真面目ないい人なんだけどね。
メルヴィル卿やバンコランと並べると、ちょっと普通すぎるような。
中盤、被害者の素性が明らかになるまでは、ごめん、何度か寝オチした。
多分、三人称で淡々と書かれてるからという理由もある。
本来なら語り手だろうフェル博士の友人の一人称だったら、
もう少し感情移入しやすかったかも。
が。そんな緩んだ時間は、最後に色を変える。
まさに真相は逆転し、幻想は消え去る。
更には、作中最も大きな逆転に付随して絡み合う
細かなトリックの数々に圧倒される。
最後に。フェル博士が「密室講義」で述べている印象深い言葉(要約)を。
「推理小説において、『つまらない』と評するのは構わないが、
『ありそうもない』というのは批判にならない。
我々は、ありそうもないことが好きだからこそ、探偵小説に愛着を抱くのだから」
それでは。また次回。
1935年作。
図書館で予約し続けてやっと借りた。
ミステリ好きなら必読と言われており、特に、主人公・フェル博士による
「密室講義」は、しばしば評論で引き合いに出される。
約20ページにわたる、本筋から脱線した章だ。
ただ、私としては、フェル博士ってキャラ弱い気がする。
普通に真面目ないい人なんだけどね。
メルヴィル卿やバンコランと並べると、ちょっと普通すぎるような。
中盤、被害者の素性が明らかになるまでは、ごめん、何度か寝オチした。
多分、三人称で淡々と書かれてるからという理由もある。
本来なら語り手だろうフェル博士の友人の一人称だったら、
もう少し感情移入しやすかったかも。
が。そんな緩んだ時間は、最後に色を変える。
まさに真相は逆転し、幻想は消え去る。
更には、作中最も大きな逆転に付随して絡み合う
細かなトリックの数々に圧倒される。
最後に。フェル博士が「密室講義」で述べている印象深い言葉(要約)を。
「推理小説において、『つまらない』と評するのは構わないが、
『ありそうもない』というのは批判にならない。
我々は、ありそうもないことが好きだからこそ、探偵小説に愛着を抱くのだから」
それでは。また次回。