好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

時代を超える。カーの処女作。

2017-10-07 | その他ミステリ
『夜歩く』(byジョン・ディクスン・カー)、読了。

再読である。
「バンコラン」シリーズの第1作であり、カー作品の処女作でもある。

1930年作。大勢の集まる夜の社交(パーティ)の場で起こる密室殺人。
店内にホンマモンの剣が飾られてたり、
アメリカで禁酒法が真っ盛りだったりといった点に、時代を感じる。

何より時代がかっているのは、動機ホワイダニット)がほぼ論じられない事。
恐るべき事に、登場人物紹介欄に、「精神異常犯罪者」って肩書きがある。
今で言ったら「サイコパス」辺りになるか。

その、今で言ったらサイコパス男の行方が物語の大きな見せ場。
終盤には、(当時の)最新カガク捜査が駆使され、事実が判明する。

そんな古典作品にも尚、『不思議の国のアリス』と
『黒猫』がフツーに出てくる事が、当然の事と分かっていても驚かされる。
名作ってのは、世に出た最初の時から名作なんだな。

それでは。また次回。