炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

太平洋を越えた津浪. 1700年のオレゴン沖、M9の巨大地震。

2005-02-01 | 北米
 先に書いた登呂遺跡を埋没させた、杉原荘介博士の述べる「 一瞬の災害 」が、どうも腑に落ちませんでした。
しかし、スマトラ島沖巨大地震の被災地の様子が、明らかになるにつれて、私は、弥生時代末期の登呂にも、こうした強烈な津浪が押し寄せたのではないかと、思うようになりました。

 考古学者の*コールズ夫妻は、登呂の埋没した様子が、アメリカ、オリンピック半島の海岸にある有名なオゼット遺跡の埋没の様子に、良く似ていると述べています。オゼット遺跡は、急斜面のふもとの海岸にある、北西太平洋岸ネイティブアメリカンの18世紀の海岸漁撈集落跡です。
 かつては春先の雪解けによる崖崩れで、集落ごと埋没したとされてきました。しかし、オレゴン州からワシントン州の海岸線に、同様の災害の痕跡が、広く分布している事が分り、大津浪による災害という説が有力になっています。(なぜかネット上では、未だに土砂崩れ説のみ.たぶん、海岸沿いの原子力発電所の矛盾を隠したいがため…)
・ 右写真 Ozette遺跡1970年の発掘.
      National Park Service.

 日本の学者は、地震の記録が無いのにもかかわらず、1700年1月27日に、日本の太平洋岸各地に津浪が押し寄せたという記録があることから、オレゴン沖の巨大津浪が地震発生後、約10時間で日本に到達したことを解明しました。
地質調査所の佐竹氏によると 、当時の地震の規模は、スマトラ沖地震と同じ、Mw9の巨大地震であったとしています。(この段のリンクは、National Geographic Com. から)

 登呂 遺跡
を一瞬で洗い流し、土砂に埋没させた災害も、そうした規模のものであったのかもしれません。中部地方の海岸線には、アメリカのオレゴン州や、ワシントン州の海岸に残るような、過去の巨大地震の痕跡が残っているのではないでしょうか。登呂遺跡埋没の原因が、未だに解明されないのは、同じ静岡県の海岸にある原子力発電所の問題が、関係しているのではないでしょうか…




-ご参考-
・ Ozette 遺跡航空写真 Washington Stata Goveranment >>> 海岸傍の小屋付近 (画像クリックで拡大
・ 『登呂』1949年.『登呂本編』1954年. 発掘報告書 日本考古学会編 毎日新聞社
・ 『登呂遺跡』杉原荘介 1959年.中公美術.
* JHON COLES &BRYONY 『低湿地の考古学』 雄山閣 1994
・ [ LIVING WITH EARTHQUAKES ]   YEATS,ROBERT S. 1998
オレゴン州~ワシントン州の地質/地震 最新情報. 
[TERRA GALLERIA Photography]  オゼット遺跡付近の映像 
・ 付近の海岸の様子. [ National Geographic wall papers 1997. ]


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6 コメント

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オレゴンの海岸美 (オレゴンの海岸美)
2005-02-02 00:48:52
Gregvaughn.com

http://www.gregvaughn.com/Oregon/Coast/index.htm





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なぜ、埋もれたのか。 (U-1 (^^) ☆)
2005-02-02 19:54:17
地理の部屋と佐渡島さま コメントありがとうございます。

新潟の大雪、お見舞い申し上げます。先程の七時のNHKニューズでも、報じられておりました。被災地の方々には、過労による病気などにも注意していただきたいものです。



リンクの写真に、ご感想を頂いたのは、初めてです。国立公園内にあり、アメリカでも最も、隔絶した所の一つです。



オゼット遺跡には、バスの便が無く、私は自転車で行きました。浜までは、さらに2時間ほど歩かねばならないのですが、手付かずの自然が素晴らしかったです。

登呂遺跡の沖合いにも、強烈な地震が発生したのではないかと考えておりますが、発掘当事は、話題になったのでっすが、今は議論を聞きません。
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TBありがとうございます (チェルノブログ)
2005-05-14 03:10:29
津波が太平洋を10時間で渡ってくるとは考えてもいませんでした。それに地震、津波、噴火の連動性があるということは、

浜岡原発はやはり最も危険な原発であり、今すぐ止めなければなりません。

まだ目を通していない記事があるので、また寄らせてください。それでは。

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想定外 ? (U-1 ここの主)
2005-05-14 11:37:00
コメントありがとうございます。

地震と火山活動の連動性は、北関東~東北地方で顕著ですね。



スマトラ沖大地震クラスの大津波が、弥生時代の終わりに登呂を襲ったのではないかと考えました。普通の洪水であれば、多くの遺物は残らなかったと思います。



縄文時代はじめの喜界カルデラの大噴火クラスの災害が起これば、原発とて洗い流されることでしょう。これは想定外??

それにしても何で、あんな見え透いて、危険なところに原発なんか創ったのでしょうか。
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本当に想定していません (チェルノブログ)
2005-05-15 15:26:55
日本の防災対策は「中央防災会議」が最高の責任を負っていますが、その中に「浜岡原発震災」の項目がありません。静岡県でも「国の管轄」であるとして、被害を想定していません。余りにも無責任であきれてしまいます。

浜岡原発は砂浜に建っています。U-1さんのおっしゃるとおり洗い流されると思います。
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特別な発電所 (U-1)
2005-05-15 20:42:34
こんばんは。

中央防災会議も、静岡県も被害想定をしていないというのは、えらく杜撰ですね。

その辺が、弱点なんでしょう。セキュリティーホールそのものですね。



砂浜に?!。それって、特別な目的で創った原発ですね。
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