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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

除染が済んでも再除染が必要な福島県田村市の無限地獄

2013年06月23日 | 原発ゼロ社会を目指して

 

 環境省は2013年6月7日、東京電力福島第一原発事故による放射性物質汚染の重点調査地域のうち、福島を除く岩手、宮城、茨城など7県の58市町村について、3月末現在の除染の進捗(しんちょく)状況を公表しました。

 学校や保育園など1587施設の98%で計画された除染作業が終了。3369ある公園やスポーツ施設でも80%で終了するなど、子どもの生活に関連する施設では作業が進んでいる。

 約14万戸が予定されている住宅の除染については全体の25%しか終了していない。これまで学校などの除染を優先して進めてきたため、住宅については遅 れていた。徐々に住宅に作業が移り始めており、除染の実施数は昨年12月末の前回集計と比べて約1・5倍となっている。農地や牧草地については64%が終 了しているが、森林では1%しか終了していない。

 環境省は、国が直轄して除染を進める福島県内の11市町村以外に、年間の被曝(ひばく)線量が1ミリシーベルトを超える市町村を汚染状況重点調査地域に 指定。8県101市町村のうち除染実施計画を策定した94市町村が、主に2013年度中の終了を目指して作業を進めている。

 福島県内の市町村の進捗状況は同県がまとめており、2月末現在で公共施設の約75%で除染作業が終了しているそうです。 

 ところがそんな中、原発事故の避難区域で住民の帰還を目指して進められてきた除染のうち、最初に終わった福島県田村市で二〇一三年六月一三日、初めての住民説明会が開かれました。

 

 田村市の都路地区の一部は、住民の早期帰還を目指す「避難指示解除準備区域」に指定され、国が去年7月から行ってきた住宅などの生活圏の除染が先月終わり、今後、指定の解除に向けた調整が進むとみられています。
会合では環境省の担当者が、放射線量はおおむね半減したものの、住宅の玄関前の1時間当たりの放射線量は高さ1メートルの平均で0.27マイクロシーベルトと、国の長期的な目標値の0.23マイクロシーベルト(年間の被曝(ひばく)線量が)を上回っていることなどを説明しました。

つまり年間に換算すると1ミリシーベルトをはるかに越えてしまっています
ですから、このあと非公開で意見交換が行われ、住民からは放射線量が下がりきっていないところもあるとして、自宅に戻ることに対して不安を訴える声も出たということです。
環 境省側は、除染の効果を確かめるため、今後も放射線量を定期的に測定するとしましたが、それ以上の具体的な説明はなく、内閣府の担当者が、住民の要望を踏 まえてインフラや医療など生活環境の整備を進めながら、避難区域の解除の時期を検討していく考えを示したということです。

原発事故の避難区域がある11の市町村で、国による除染作業が終わったのは田村市が初めてで、今後、住民の帰還に向けた具体的な動きが出てくるものとみられます。

しかし、住宅地の除染で25%しか済んでいないのです。

済んでいても、1ミリシーベルトに達しない地域が続出です。

そもそも、除染といっても、セシウムなど放射線物質がなくなるわけではなく、場所を移すだけです。それで、除染がうまくいく行かなかったからといって、また再除染だなんて、気の遠くなるような話です。

ふるさとに帰りたいお気持ちは痛いほどわかりますが、除染よりも、国費による疎開を考えた方が得策です。除染はもういかがわしい集団の利権の温床にになってしまっているのですから。

 

 

 

何もかも手遅れになりつつあるのでしょうか。

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除染終了後1年で線量25%減 依然として高い地域残る

 環境省は7日、東京電力福島第1原発事故に伴う旧警戒区域など国が除染する8市町村14地区の除染 モデル実証事業の追跡調査結果を発表した。全体では、除染終了後約1年で空間放射線量が25%減少したが、帰還困難区域などでは除染後も高い線量が残って いる。計測した日本原子力研究開発機構は、依然として高い線量の地区が残った理由について、周辺の線量が影響している可能性を指摘。線量を下げるには広範 囲にわたる表土入れ替えや樹木伐採などの抜本策が必要とした。
(2013年6月8日 福島民友ニュース)


コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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非難が一番 (Kuuipo)
2013-06-25 15:11:54
アメリカの除染の専門家が明らかにする、本当の汚染状況【 人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機 】
http://kobajun.chips.jp/?p=11955

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もんじゅの原研 (黒マグロ)
2013-07-02 21:07:01
この事業は原子力研究開発機構が受注して、ガッポリ中抜きした上で土建会社に下請けに出していましたね。数値目標を設定したのだから、達成するまで、責任を持つ契約にするべきでしたね。除染残土や廃棄物を川に流したり、除染とは名ばかりの、放射能の拡散です。
原研に税金を横流しするのが、目的だったように思えます。
返信する
国の指定地域よりも線量が高い (みやこ)
2013-07-12 00:15:10
国が除染している田村市の一部よりもはるかに線量が高い地域が原発30キロ以内にあります。道路のアスファルトはなにもしていません。屋根も洗いません。田んぼの脇もしません。田んぼはゼオライト撒いただけです。休耕田はなにもしません。しいたけのほだ木は処分してくれません。田村市の30キロ以内でみる面積での除染の進行状況は12年7月上旬、とても進んでいるとは言い難いです。
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疎開、避難しかないと思います。 (sakura)
2013-10-05 17:44:43
とても身につまされる記事でした。気が遠くなります。
私は関東在住ですが、親戚は福島県内におり、郷土愛がとても強いので誰一人避難も疎開もしていません。それどころか、もう何もなかったように明るく暮らしています。彼らは本当に強くて明るくて前しか向いていないのです。特にシニア以上の世代はその傾向が顕著です。

私は震災以降ネット等で情報を集めているので、惨憺たる状況を知っているため、すごく辛いです。高校生の姪っ子の体がすごく心配なのに何も出来ない自分に腹を立てています。

故郷を捨てるのかと、周りから無言の圧力もあるのかもしれませんが、私には狂気の沙汰にしか映りません。
一時的でもいいから疎開して欲しいです。

先生のブログ、初めて拝見しましたが、とても分かりやすくて、ハートフルな文章が読んでいるこちらの心を動かしてくれますね。
思わずコメントさせて頂きました。
長文失礼しました。
(沢山の方に読んで頂きたいのでクリックさせて頂きました)
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