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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

訪米中の稲田朋美氏にアーミテージ氏が「安保法制の成立に対する強いサポートに感謝する」の本末転倒。

2015年10月01日 | 安倍政権の戦争法

ジャパンハンドラー(日本を飼い馴らした人物)の一人と言われているがアーミテージ元国務副長官が、2012年12月20日、NHKのニュースウォッチ9に出演した時の発言。

 

 

 2015年9月27日から訪米している稲田朋美自民党総務会長が、10月1日、アーミテージ元国務副長官と会談しました。

 NHKによると、この中で稲田氏は、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法が成立したことについて、

「法律は日米同盟の強化に資するものだ」

「今後も、積極的に国際社会に貢献していきたい」

と説明したそうです。

 これに対してアーミテージ氏は
 
「安全保障関連法の成立に対する強いサポートに感謝する」
 
と述べたというんですが、ここに今回の安保法制の本質が現われていますね。
 
 だって、法律を成立させた与党の幹部が、アメリカの人に、「安保法の成立に対するサポートに感謝する」と言われるのなんておかしいでしょ。
 
 誰が主役で、誰がサポーターなのかって話ですよ。
 
 
 
 
 今回の安保法制は、2012年に公表されたアーミテージ・ナイレポートと言われる報告書の中身を実現したものだということが知られています。

 このアーミテージ・ナイレポートでは、「同盟の漂流」というキーワードを使いながら、

「世界で最も重要な同盟関係である『日米同盟』が瀕死の状態にある」

としています。そして、

「日本が今後世界の中で『一流国』であり続けたいのか、あるいは『二流国』に甘んじることを許容するつもりなのか」

「一流国」であり続けようとするのなら、国際社会で一定の役割を果たすべきである」

「自衛隊の「時代遅れの抑制」を解消することが大事だ」

という見解を示しています。

 この見解を具体化したのが、集団的自衛権の行使を認める安保法制というわけです。

 
原発再稼動や、TPP、武器輸出など、ほかにもこのレポート通りの政策が目白押し。
 
 
 
 
 ブッシュ政権下で国務副長官を務めたアーミテージ氏は、2001年の9・11テロ後、小泉政権に「Show the FLAG」(旗幟を明らかにしろ)発言をしたとされており(諸説ある)、いずれにしてもイラク戦争への自衛隊派遣を求めたことで有名です。
 
 自他ともに認める安倍首相の後継者である稲田氏は9月30日に、このアーミテージ氏らの主宰する戦略国際研究所(CSIS)で講演したのですが、読売新聞によると、
 
訪米中の日程で稲田氏が重視するのは、米戦略国際問題研究所で予定する30日の講演だ。苦手の英語で講演するため、米国人の講師の指導を受け、移動中の車内でも発音などを猛特訓している。

というのですから、なにをかいわんや。

 

 

 安保法制に対して憲法学者らがこぞって違憲だと異議を申し述べ、国会で法案の違憲性が議論してされているときに、稲田氏は記者会見で

もう憲法に違反するかどうかという議論をこれ以上続けていくことにはそんなに意味はないのかな、というふうに思います。」

と放言したのですが、どっち向いて政治をしているのか。

 アメリカでうまく演説することより、日本国の最高法規である憲法を守ることに意識を向けるべきだと思いますね。

総理を目指す稲田政調会長「安保法制 違憲かどうか議論を続けても無意味」発言は憲法尊重擁護義務に反する

オバマ大統領と会見し、同じ日にアーミテージ氏らの戦略国際問題研究所(CSIS)での講演で、「日本は戻ってきました」と明言した安倍首相(2013年2月22日)。

稲田氏がこの研究所での講演を最重要視するのは、「彼ら」から見れば当然と言えば当然なのだろう。

 

 

安倍首相の師匠の小泉さんは「アメリカのポチ」「ブッシュの飼い犬」と呼ばれていましたが、その傾向がどんどんひどくなってますねえ。

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砂川判決と戦争法案 最高裁は集団的自衛権を合憲と言ったの! ?
内藤功(元砂川事件弁護団) (著), 新井章(元砂川事件弁護団) (著)
旬報社

あの砂川事件最高裁判決が、集団的自衛権の行使を憲法違反ではないという論拠になるはずがない。
安倍政権の戦争法案に関する合憲性の主張は明らかに間違っている。
こんな無茶なゴリ押しには弁護士として黙っていられない。

 

すぐにわかる 戦争法=安保法制ってなに?
戦争をさせない1000人委員会 (編集)
七つ森書館

国会論戦がつづく「戦争法」(いわゆる安保法制ともいう)の分かりやすい解説と、それに反対する著名人の声を一冊にまとめる。また、第一次安倍内閣からの改憲策動、教育基本法改悪、秘密保護法、武器輸出三原則、国家安全保障戦略(NSS)などを踏まえて、戦争法=「安全保障法制」の理解を深める。

 

「安全保障」法制と改憲を問う
山内敏弘 著
法律文化社

新たな「安全保障」法制によって、日本は「戦争をする国」へと変わるのか?!“解釈改憲”による違憲な法整備を検討するとともに、立憲平和主義の根幹を揺るがすこととなる“明文改憲”についても批判的に考察。歴史的岐路に立つ私たちへの著者渾身の警鐘。

 
憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)
長谷部恭男 著
筑摩書房
 
日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。

 

自民・稲田氏 積極的に国際社会に貢献

10月1日 4時36分 NHK

アメリカを訪れている自民党の稲田政務調査会長は、アーミテージ元国務副長官と会談し、先に成立した安全保障関連法について、「日米同盟の強化に資するものだ」と説明したうえで、日本として積極的に国際社会に貢献していきたいという考えを伝えました。
 
アメリカを訪れている自民党の稲田政務調査会長は、日本時間の1日午前0時ごろから、ワシントン近郊で知日派として知られるアーミテージ元国務副長官と会談しました。

この中で稲田氏は、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法が成立したことについて、「法律は日米同盟の強化に資するものだ」と説明したうえで、「今後も、積極的に国際社会に貢献していきたい」と述べました。

これに対してアーミテージ氏は「安全保障関連法の成立に対する強いサポートに感謝する」と述べ、政府・与党の取り組みを評価する考えを示しました。

また、稲田氏とアーミテージ氏は、中国が海洋進出の動きを活発化させていることへの対応など、さまざまな分野での日米両国の連携を一層強化する必要があるという認識で一致しました。
 
 
 

ポスト安倍、稲田氏意識?…注目集める時に訪米

2015年09月27日 11時57分 読売新聞
 
  •  

 自民党の稲田政調会長が、きょう27日から訪米する。

 安全保障関連法成立後の政府・与党幹部によるワシントン訪問は初めてで、複数の米政府要人との会談も予定されている。注目を集めるタイミングでの訪米を巡り、党内からは「『ポスト安倍』レースを意識し始めたのでは」との指摘も上がっている。

 会談が予定されているのは、アジア太平洋担当のシアー米国防次官補をはじめ、アーミテージ元米国務副長官、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事ら。訪米中の日程で稲田氏が重視するのは、米戦略国際問題研究所で予定する30日の講演だ。苦手の英語で講演するため、米国人の講師の指導を受け、移動中の車内でも発音などを猛特訓している。

 

 


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9 コメント

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Unknown (AS)
2015-10-01 10:17:07
おかしいと思いませんか?
「戦後レジーム脱却」「押し付け憲法」というけれど、これ全部アメリカ由来なんですよ。
じゃあアメリカと手を切り反米になるべきじゃないですか、イスラム諸国みたいに。完全に逆。
自分で何を言ってるか分かってるんだろうか、安倍自民って。
返信する
Unknown (一国民)
2015-10-01 12:57:31
 阿呆晋三がジャパンハンドラーと言われる連中から称賛されてさぞかし嬉しいようだが、客観的に冷淡な見方をすれば、おだてられて、いいように操られているだけ。
 一部に指摘があったように、今回、せっかく戦争法成立という、晋三クソ坊主にしてみたら極上の御土産を持ってアメリカに行っているのに、オバマにも会ってもらえず。

 阿呆晋三の言う国益とは、自分の保身になること、自己の欲求を満たすものであり、国民の利益では決してない。
返信する
まるで奴隷頭か、 (時々拝見)
2015-10-01 20:12:56
良くて召使い頭みたいな言動はさておいて、
アベシの資質では、4は無理って、アーミテージ氏気づいてないのでしょうか?
安倍保身法案のおかげで、北方領土も霧の彼方に…
返信する
今更 (古狸)
2015-10-02 07:45:14
戦後 警察予備隊から始まる 安保より酷い経済政策分かり易くはTPP
返信する
結局はAmericaの為の…。 (リベラ・メ)
2015-10-02 08:35:27
自民党に依る、Americaの、Americaの為の政治。稲田氏は、それを体現したの。
返信する
Unknown (まあどうでもいいけれども)
2015-10-02 11:34:48
アメリカと敵対してもメリットが何もないじゃんw 馬鹿サヨはそんな簡単なことがわからないんだな。

これまで日本はアメリカのかかるコストに比べてあまりも安価に米軍を使ってきたわけ。もちろん、アメリカも自国の利益のために行動しているわけだけれど、それに対するおこぼれとして日本も大した軍隊を持つ必要がなかったわけ。

それがもうちょっと金出したり人出せよとアメリカが言い出したわけ。

アメリカと手を切るのもできないことじゃないけれども、中国や北朝鮮、ロシアに対抗するためには、最低でも核武装、理想的にはICBMが必須になってくる。そんな日本は実現不可能なのは誰にだってわかる。

日本はまあ、多少だったらやりますよといっただけにすぎない。国連とかの採決で主要同盟国中一番、アメリカに追従していないのは日本。そんなことも馬鹿サヨは知らない。

馬鹿サヨはそんな簡単なこともわからないみたいだけれどね。
返信する
説得力はお人柄から。 (raymiyatake)
2015-10-02 13:51:14
人を不愉快にする書きぶりはやめましょう。

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とはいえ、堅苦しいことは言いませんので、どんどんコメントをお願いいたします!
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Unknown (とら猫イーチ)
2015-10-02 23:48:38
 折角、米国へ留学出来る資産家の家に生まれたのに、語学留学で、外国人向けの英語コース程度受講で帰らず、アイビー・スクールで正規卒業資格を取れば、同窓生には、各界の相当な人物が居て、訪米時には、偏らない意見を交わすことも出来るのに。。。

 それに、英語が出来なければ、堂々と日本語で押すべきで、下手な英語で話せば、それ並みの知的レベル、と思われて損なのに。。。

 上記は、特定の方のことを言っていません。 日本人
全体のことを言っているのですから、お間違えのないように。

 そもそも、ジャパン・ハンドラーズと云っても、今の米国でどれ程の地位にあるのか。 政治・経済の現代的課題を世界的視野に立って観る識見のある碩学は、もっと他に居られるのです。 

 世界的視野に立たず、井の中の蛙状態で限りなく右に傾く愚かな化石人間ばかりが増殖すれば、他国からは蔑視されるだけでしょう。 

 最近は、日本に滞在している欧米人も、不愉快で無礼な日本人の増殖に懸念を示される場合もあり、私なりに如何に説明すべきかを暗中模索しているのですが、これって、矢張り、経済が原因でしょうか。

 昔から、衣食足って、礼節を知る、って言いますからね。 
 
 猫でも、例えば、我が家の飼い猫は、食器から零さず食べるのですが、可哀想に、野良さんは、違います。 
返信する
Unknown (nanashi)
2015-10-04 17:38:28
国連活動にすら、自衛隊が協力できなかった湾岸戦争。あれは、日本経済に大きなダメ-ジとなった。一番よいのは、日本国民が良識をもち、反日外国人にだまされないこと。韓国にも、アメリカにも、反日はたくさんいる。節度と正しい判断は、右でも左でもない。ちなみに左の半数は、反日運動員という実態。
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