かたむく暗箱

空想の暗室

ある日 タヌキはおじーさんに

2005-11-17 20:53:28 | 写真と虚言
ある日 タヌキはおじーさんに出会いました 
おじーさんに「ペットとしておいしいものを食べさせてあげる 」と だまされ 
おじーさんと連れだって 狸汁鍋が待っている家に向かったのです 
タヌキがいつ気づいたのか誰にも分からないことなのですが 
「鍋にヒトが沈んでいる」と タヌキが驚いた声出したものだから 
おばーさんが鍋を覗いたわけです 
後ろから押されたおばーさんは 簡単に大鍋に呑み込まれました 
こーして ばーさん汁ができあがり それと知ってか知らずか 
行方不明のばーさんを捨て置いて おじーさんは三日三晩 
うまいうまいと ばーさん汁をすすったとさ 
「バカな話しだ」と 妻が言いました 
まさか ばーさんが裸好きで セックスしていたはずもなく 
汗のしみた汚れきった着物といっしょに煮込んだ ばーさん汁が
旨かろうはずがないというのです 
「ワタシは ナイゾーが嫌いだし 味がおちるから」と ナイゾーを取り出し 
毛もきれいに剃って 大鍋のぐつぐつ煮立っている湯の中に 
夢に囚われているワタシを放り込んだのでした
「アジツケガ ダイジナノヨ ナンデモソウヨ」

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