「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

とりあえず食物繊維最強

2018-01-14 | 雑記
「専門は何ですか?」と問われたら、いつもどう答えようかなと、すこし考えます。
というのは、医学生時代はもっぱら腫瘍医学(がんなど腫瘍の性質を理解し、治療につなげる分野)を熱心に勉強していました。学生時代にサマースチューデントとして3ヶ月研究留学した時も細胞複製、細胞分裂を専門に研究するラボにお世話になり、正常細胞とがん細胞の特徴の違いを治療に応用する研究を学ぶという意味でとても勉強になりました。一応、放射線科、核医学科で後期研修をしていましたが、これまでの私の論文で臨床分野で出版されているものを見ると判る通り、ほとんど「がん」を相手にしてきたといえます。
したがって、「放射線とがん」が私の専門であると言えるかもしれません。

ということで、今でも習慣としてこのくそ忙しいのにときどき臨床腫瘍系のジャーナルを読むのですが、先日、JAMA Oncologyというジャーナルの今月号を見たら、面白い記事がありました。日本語に訳すと「大腸がん診断後の食物繊維摂取量と生存率」といった感じでしょうか。

Song M, et al. Fiber Intake and Survival After Colorectal Cancer Diagnosis. JAMA Oncol. 2018;4:71-9

この研究によると、摂取した食物繊維が5g/日増えるごとに大腸がんによる死亡リスクが下がり、さらに特筆すべきは大腸がん診断後診断後、食物繊維の摂取量を5g/日増やすと、大腸がんによる死亡率が18%減少、全死亡率(大腸がんを含めた全ての要因による死亡率)も14%減少したとのことです。

食物繊維、スゴすぎじゃないですか!
しかも、シリアルから摂取した食物繊維はとくに予防的とのこと。
online publishedが昨年11月ですので、すでに2ヶ月くらい前にはもうニュースになっていたみたいですが、知りませんでした。でも、私はこのニュースには関係なく、野菜は1日350g摂取しようとしていますし(しているとは言ってない)、TESCO(英国のスーパー)ではいつもシリアルを買っています。とくに最近はフルーツシリアルにはまっています。とっくに食物繊維を摂取しまくっていたのでした。おかげで便秘にはならずに済んでいます。

どうでもいいですが、昔のケロッグのコーンフレークのおまけが自転車の反射板でしたね、どうでもいいですが。結構集めている人が多かった気がします。たしか、私も付けたことがあったような……いと懐かし。