「不可視の両刃」放射線に挑む ~或る医学者の英国留学記~

福島原発事故被災地での臨床経験がきっかけとなって放射線医科学を研究しています

しばらく旅にでも…

2017-12-02 | 雑記
来週は月曜日にボスと研究ミーティングを行ってから北アイルランドがんセンターで福島原発被災地に関する研究の講演を行い、火曜日に一時帰国してすぐに神戸に飛び、学会で研究発表2件を行う予定です。今は日本に帰る前のプレゼン準備を焦りながら片付けています。再来週も実験や打ち合わせなどの予定が詰まっており、その次の週にはここBelfastでの実験を再開することになっています。
「貧乏暇なし」というか、本当に研究中心の生活であり、心にゆとりなんてありません。もちろん、臨床やっている同級生たちに比べたら、はるかに自由な時間がある方だろうとは判ってはいるのですが。
とはいえ、年末年始はここで実験、論文執筆・修正、幾つかの申請書を書くだけですから、その頃にはもうすこし心に余裕があるというか、久しぶりにゆっくり出来るのではないかと期待しています。
ちょっと時間が出来たらどうしようか……。
そう考えて、このアイルランド島をすこし旅してみようかなと思いました。

実は、北アイルランドはウィリアム・ウィリス医師 Dr. William Willis の母国なのですね。
ウィリスのことをご存知の方はほとんどいらっしゃらないだろうとは思いますが、彼は近代医学を明治日本に持ち込む上で、重要な役目を果たした人物の1人です。私生活は色々とアレだったようですが、いわゆるお雇い外国人として、日本の医学の発展に大きく貢献しました。幕末から横浜で活躍し、明治維新の際に我が国の方針として英国医学よりも独逸医学を採り入れることにしたため、ウィリスは医学校兼大病院(現在の東京大学医学部)から鹿児島医学校兼病院(現在の鹿児島大学医学部)に移ることになりましたが、その地でも高木兼寛(東京慈恵会医科大学の創設者)などに西洋医学と英語を指導しました。
すこし脱線しますが、我が国の医学は明治初期に欧米列強から多くを輸入する形となり、大きく分けて独逸学派(東大など)と英米学派がありました。前者はどちらかというと学究的であったのに対し、後者は臨床的な実学を重視したという特徴があります。現在ではそのような学派の垣根は消滅しつつありますが、とくに外科系などではすこし残っているところが今でもあるように感じます(縫合とか術式などに)。私も母校ではない医学部附属病院に勤務していた時、いわゆる英米派と独逸派の違いを色々と感じて、当時はすこし驚いたのでした。私の母校附属病院はかつて「東洋一の西洋式病院」として知られ、歴代の病院長には英国人医師もいるような場所でしたので、だいぶ英米学派のスタンスに近い教育を受けてきたのだろうと今になって思います。横浜における近代医学の創始者というとジェームス・カーティス・ヘボン医師 Dr. James Curtis Hepburnなどの名前が挙がりますが、やはりウィリスも一つの源流と言えるでしょう。
ということで、ウィリスの故郷を訪ねてみたいというのは以前からずっと思っていました。日本の近代医学の源流の一つが北アイルランドにあるというのは、偶然とはいえ、歴史好きの血が騒ぎますから。他にもDublinなどアイルランドの観光名所を見てみようかなと。

留学はまだまだ続きますが、研究するだけでなくあちこちを見て回ってみるのもいいかもしれないと最近思うようになったのは、すこし疲れている面もあるのかもしれません。放射線研究を急がなくてはならないということは理解しているのですが。
現在までに私たちが研究して得ている結果は、福島原発被災地などで低線量放射線被ばく影響を心配している方々にとって、すこし安心して頂ける材料になるのではないかと思います。もちろん、まだまだ検証しなければならないことは多いのですが、多くの共同研究者の先生方のご厚意とご尽力もあって私がここまで積み上げてきたデータは出来るだけ早く論文にまとめて発表したい。そして、被災地の方々に知って頂きたい。そのためには私がボロボロになっても構わないと思って、臨床から離れて独りで英国の片隅まで来て、これまでもなんとか気持ちを奮い立たせて頑張ってきたつもりです。
しかし、最近、なんというか、色々と心が疲れているのかもしれません。ちょっと、気力がもたないというか……。弱音や愚痴など色々とため込んでいて、精神的に荒れ気味です。すみません。

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医者の嫁

2017-11-26 | 雑記
留学には金がかかるものですが、私の場合、あまり経済的な懸念はありませんでした。なんとかなるだろうと思えましたし、実際、なんとかなっています。それはたぶん医者だからなのでしょう。医者になるのはやはり大変ですが、一度なってさえしまえば、以降は生活においてお金に困る心配はほとんど要りません。開業などをする場合に資金が必要になることはあるでしょうが、普通に生活する分には大丈夫です。
だからでしょうか、医者というだけでモテることがあります。

私にはその気持ちがよく判りませんが、実際、医者の嫁になりたいという女性はかなり多いです。医者ならば誰でもいいとまではいいませんが、扱いやすければなお良しとのことです。そして、医療に従事する女性の一定の割合で所謂「医者狙い女」がいます。医者になる男の中には、たしかにうぶというか、お育ちが良い方が多くて、割と簡単に捕まえることができるようです。医者の嫁になると、たしかに経済的に苦労はしないでしょうし、ある種の自尊心も満たされるのかもしれませんね。
最近、医者やってる知人が結婚したのですが、相手はいわゆる「医者狙い女」っぽい感じであり、何と言うか、ご愁傷様です、ということが判りました。しかし、当人たちに愛があるならば関係ないよね、愛があれば!
とにかく周囲の目はすこし冷ややかなところもあるようですが、まあ、色々と頑張ってほしいと思います。

先輩方の例を見ていると、残念ながら、医者の男は周囲に不幸を撒き散らすパターンが少なくない気がします。不幸でも離婚するとは限りませんが、やはり大変そうなパターンがあります。科にも依りますがそもそも仕事が忙しいから家庭を犠牲にしがちですし、医者の方も「先生」とか呼ばれて調子こくので浮気しやすかったりと、医者の嫁になるのはある程度の覚悟をもってしっかりしないと厳しいのかなという印象です。私の知っている先生方の中にも、色々あって嫁さんがプリンちゃんになってしまったという不幸な例がありました。忙しい科だから仕方なかったのかもしれませんが(その先生の人格にも問題があったのかもしれません)。
また、私の知っている某教授は生涯未婚でしたが、ぶしつけではありますが理由を伺ってみたところ、「自分と結婚したら、きっと、一人の女性を不幸にしてしまう」「仕事が生き甲斐だから、私はこれでいいのです」とのことでした。私が知っているのは先生の晩年だけですが、非常に紳士的な方でした。好きになった女性を不幸にしたくないから結婚はしなかったという噂を聞きましたが、真偽はともかくとして納得してしまうような、穏やかで優しげな医学者でした。

臨床を真面目に頑張ることと、家庭を大切にすることを両立するのは、やはり、とても難しいです。誰でも1日24時間しかないわけですから。私の場合はもともとの能力が低くて要領が悪いからというのもあるかもしれませんが、私よりも能力が低いアホ医者もそれなりにいるわけです。じゃあ、そいつらみんな、どうしたらいいのか。皆さん、結婚しないという訳にはいかないでしょう。

医者狙い女の実に都合が良い所は「とにかく医者の嫁でいる」ために多少は我慢をしてくれる可能性が高いということです。若いうちは夜勤なども多いし、とにかく忙しいものですが、そういう時に医者狙い女は非常に物分かりのいい良妻を演じてくれるかもしれません。とにかく身を固めたいという医者にはありがたいです。ただ、たしかに医者と医者狙い女はお互いの利害が一致しているので比較的早く結婚までいくのですが、その後で結局、価値観の相異というか、そもそも色々な意味でつり合いがとれていないことが多いので、破局するパターンがあります。つり合いという意味では、医者同士の結婚の方が良くも悪くもお互いの手の内が判っているし、幸福そうなカップルが多い気がしますね。医者同士の方々はやはり臨床と家庭のバランスが上手くとれている場合が多いように感じます。
とはいえ、色々書きましたが、愛があれば問題ありません。愛があれば。

以上は偏見に満ちた私見でしかありませんが、まるっきり的外れであるとは思っていません。
とにかく、医者の嫁というものは、世間で言われるほどには楽ではないだろうと思います。小学校の時に出木杉君と仲の良かったシズカちゃんが、結局、のび太君と結婚したように。幸福な選択というものは、きっと、能力や職業やお金や身分などによるものではないのでしょう。
私は「つり合い」というものだけで男女の仲を考える気はありませんが、しかしある程度、医者の嫁には「医者につりあう資質」というものが求められてしまうのではないかとも感じています。ましてや、医局内で出世する医者の嫁はさぞかし大変でしょう。能力はともかく、家柄など(生まれは選べませんからね)、求められる資質としてかなり理不尽なことまで言い出せば、ちょっときりがありません。

他人のことばかりを好き勝手に論じてきましたが、最後に、自分自身はどうなのか。
私は研究好きな夢追い人ですし、たぶん、家庭人としてはダメな方でしょう。おそらく伴侶を幸せに出来る可能性が低いだろうということは自分でも判っています。先日、「〇〇さん(私のこと)と結婚する方はどんな人でしょうかね」と、ある方から興味津々に尋ねられましたが、そもそもこの先私が結婚することがあるのかどうか……。
恥ずかしながら、私は他人をちゃんと幸せにするという自信を持てずにいます。好きになった人にはもちろん幸せになってもらいたいですし、自分自身に他者を幸福にする能力がないのならば、どうするべきなのか。その答えは判っているつもりですから。

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人の一生は重き荷を負うて 遠き道を行くが如し 急ぐべからず

2017-11-24 | 雑記
人の一生は重き荷を負うて 遠き道を行くが如し 急ぐべからず

不自由を 常と思えば 不足なし
心に望みおこらば 困窮し足る時を思い出すべし
堪忍は無事長久の基 怒りを敵と思え

勝つことばかり知りて 負くるを知らざれば 害その身に至る
己を責めて 人を責むるな
及ばざるは 過ぎたるに 勝れり

戦国三英傑にして徳川幕府初代将軍となった徳川家康の言葉ですね。東照宮遺訓として知られています。さすがというべきか、苦労に苦労を重ねて天下人に至った彼だからこその言葉なのでしょう。
私は、ときどき、この言葉を思い出すことにしています。もちろん、言葉の通りに生きるのは容易ではありませんが、心がけているだけでもすこしはマシな生き方が出来るような気がして。

我が身を振り返れば、まるで焦るかのように留学を強行しましたし、あれもこれもと分不相応な望みを描いてきたのかもしれません。「急ぐべからず」と、自分に言い聞かせたいと思います。

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放射線小咄 ~ International Day of Radiology 国際放射線医学の日 2017

2017-11-08 | 雑記
昨日に引き続き、放射線小咄を。
今日11月8日はドイツ物理学者ヴィルヘルム・レントゲン(Wilhelm Röntgen)が放射線を発見した日として知られており、世界各国の放射線医学関連学会によって「International Day of Radiology 国際放射線医学の日」とされています。今から122年前の1895年にX線が発見され、以降、医療応用をはじめ様々な分野で利用されています。

放射線は今や医療に欠かせません。しかし、放射線は「諸刃の剣」です。診断、治療などの医療分野だけでなく殺菌、非破壊検査のツールとして産業分野でも広く役立っている一方、被ばくによる発がんリスクなど生体への悪影響も生じます。
したがって、放射線の利用は常にいわゆる「損得勘定」が必要になります。
私も医師として、放射線を発する放射性物質を患者さんに投与したり、CTやレントゲンなどの診断で患者さんに放射線を照射してきました。患者さんたちは放射線に(少量とはいえ)被ばくしてしまうわけですが、そのデメリットよりも確定診断を得られるなどのメリットの方が大きいだろうという損得勘定のもと、放射線は医療に使われているわけです。
おくすりもそうです。副作用のない薬は存在しません。常に「副作用や有害事象が発生するリスクよりも、治療が奏功するメリットの方が大きい」という判断のもとで、医師は薬を患者さんに投与するのです。世の中には「放射線を毛嫌いするのに薬は大好き」という方が少なからずいらっしゃるのですが、基本的に、薬も放射線も使われ方は同じなのですね。どちらも絶対に安全なものではなく、使用するからには常にある程度のリスクを伴います。もちろん、出来る限り安全に使われるようにしなければなりませんが。

レントゲン博士の贈り物「放射線」を、医療のためにも、研究のためにも、大事に安全にこれからも使っていきたいと思います。

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イチロー、来季契約オプション見送られる

2017-11-04 | 雑記
イチロー選手と言えば、野球を知らない方であっても彼の名を知らない人はいないのではないかと思われるほどの野球選手です。
しかし、残念ながら、所属チームであるマーリンズはイチロー選手との来季契約オプションを見送ることを決めたようです。それが即座に引退を意味するものではないとはいえ、44歳という彼の年齢を鑑みると、もうすぐ「一つの季節が終わろうとしている」のを感じざるを得ません。このまま引退になるのかもしれないと思うと、すこし心に込み上げてくるものがあります。

野球少年であり、将棋少年でもあった自分にとって、イチロー(鈴木一朗)選手と羽生善治棋士の名はずっと憧れでありました。
私も野球の県大会で優勝したり、将棋のアマ三段になったり、それなりに頑張ったつもりでしたが、残念ながら、プロ野球選手にも、将棋棋士にもなれず、医師という今の職業に就きました。しかし、自分が同じ舞台に立つことは叶いませんでしたが、それでも不世出のヒーローたちが永く第一線で活躍している姿をこれまで見続けることが出来たのは幸運だったと感じています。憧れのヒーローたちの成績にこれまでもよく一喜一憂したものでした。
羽生棋聖は、1冠まで退いたとはいえ今期の竜王戦に挑戦するなど、まだまだ引退からは程遠い感がありますが(それでも近頃は往年に比べて成績を落としている様子ですが)、さすがにイチロー選手の場合は、どんなに長くてもあと数年のうちにバットを置き、ユニフォームを脱ぐ瞬間が訪れるのではないかと思われます。彼にそんな時が来るのを決して見たくはなかったけれど……

イチロー選手も、もう十分に頑張った、立派に日米のトップリーグで活躍した、と私は個人的に思っていますが、彼自身が「まだまだ50歳まで頑張るんだ」というのであれば、精一杯悔いのない所まで頑張ってもらいたい。真っ白に燃え尽きるまで、野球をやり切ってほしいと心から願っています。いつまでも応援しています。
頑張れ、イチロー!

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ピラミッドを宇宙から透視する!?

2017-11-03 | 雑記
おそらく日本でも大きく報道されていることと思われますが、クフ王のピラミッドの内部に謎の空間があることがNature誌電子版にて2日に報告されました。調査には日本の研究チームが参画しており、実際、該当論文の筆頭著者は名古屋大学の研究者になっています。論文の投稿が10月12日、採択が10月24日であり、投稿から3週間で掲載に至るという凄まじい早さでした。

Morishima K et al. Discovery of a big void in Khufu’s Pyramid by observation of cosmic-ray muons. Nature 2017 Nov 2. doi:10.1038/nature24647. [epub]


http://www.nature.com/articles/nature24647

ピラミッドの内部をどうやって透視したのかというと、「ミューオンを使った」とのこと。ミューオンは宇宙線が大気に衝突して出来ると言われても、正直、私もちんぷんかんぷんです。もう完全に専門外です。どのようにこの種の研究が進んでいるのかイメージ出来ませんが、結果だけ聞くと「ふ~ん、そんなのわかっちゃうのか~」という感じですね。
このニュースはサイエンスでも採り上げており、注目度の大きさがうかがえます。


http://www.sciencemag.org/news/2017/11/cosmic-rays-reveal-unknown-void-great-pyramid-giza

古代の巨大構築物であるピラミッドには21世紀の今もなお謎が多いですが、すこしでも解明が進むと面白いですね。
このニュースに対しては、世界中の読者の皆さんが「やはりエイリアンの仕業か」「悪戯でしょ?」などの感想をそれぞれ述べており、SNSなどで喧々諤々の議論が展開されています。「ピラミッドの中に大きな穴があったとして、なにが面白いの?」という冷たい意見をつぶやく人もいるようですが、私はこういうロマンのある研究も好きです。

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二日酔いか、あるいは風邪か

2017-10-27 | 雑記
昨夜は友人の誕生日パーティーに招かれたのでした。
私だけ単身で参上して(他は皆さんカップルでいらっしゃっていましたが)、持参した鳩サブレ―の素晴らしさを力説して、とりあえず酒をしこたま飲んで、英語がよく判らん時は「うんうん、だよね~」と頷いて、ケーキが美味しかったからおかわりして、気が付いたらパーティーは終わっていて……

そして、今朝は軽く頭痛を感じながら、午前中からミーティングに参加しています。自分、へぼ医者なんで、自身が風邪なのか二日酔いなのか(あるいは両方なのか)さえも診断できません。ちょっと気持ち悪い。
ぐむむむorz

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もはや真冬のBelfast

2017-10-25 | 雑記
私も含めてメキシコ出張組はBelfastに戻ってから軒並み体調をすこし崩していますが、何事にも例外が居るものです。ボスだけは今でも常夏のビーチに居るかのように元気いっぱいの様子で研究センター内で働いています。流石です。

私が日本とメキシコに滞在していた数週間の間に、英国北アイルランドはもうすっかり冬になっていました。
ここ北アイルランドの首都Belfastでは真冬でもあまり雪は降らず、気温も氷点下までは下がりません。しかし、分厚い雲に阻まれて太陽の光はあまり届かない、暗い日が続きます。メキシコのCancunという楽園を存分に楽しんできた人たちは皆、そのようなBelfastの状況に対して、「あ~、帰ってきちまったな~」と呻いています。How is it going?(調子はどう?)というお互いの問いかけに対して、Not too bad(そんなに悪くはないけどね、良いはずはないよね)と苦笑し合う感じです。正直、皆、カリブ海の太陽が恋しいのではないでしょうか。たしかに時差ボケなどは多少あるのでしょうが、それよりも精神的な落胆が大きく影響しているのではないかと思われました。

次の日曜日29日に英国ではサマータイムが終わります。日本と英国の時差はこれまで8時間であったのが、通常の9時間に戻ります。つまり、今週が「最後の夏」といえます。また一つの季節が終わってしまうのですね。流れる月日をつくづく感じます。

僕だけが取り残されたようで 友達が幸せそうに見えた♪
でも最近じゃ自分をもっと 好きになろうと心に決めたんだ♪

『ラストチャンス』というSomething ELseの曲がありますが、ふとした瞬間に私はこの古い曲のことを思い出しながら、口ずさむことがあります。まるで心細さに震える自分自身を奮い立たせるかのように。

Wow...give me a chance 最後に賭けてみたいんだ♪
once more chance 後悔だけはしたくはない♪
一体どこまでできるかも分からないけど♪
give me a chance 願いを形にできるように♪

真冬のBelfastはすこし寂しい気分になりますが……
為すべきことを為すために。負けずに頑張りたいと思います。

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こんなところで負けてたまるか

2017-10-23 | 雑記
ようやくホームに帰ってきました。

私のホームは、今はもう、英国Belfastです。
先週までメキシコで開催された放射線科学の国際学会では「Belfastにいます」と言えば、学会の偉い先生たちは皆「ああ、Kevinのところだね」とすぐに納得してくれました。私のボスのKevinは、米国主体の国際放射線学会で今年から会長を務める、世界屈指の放射線生物学者です。Belfastは私にとって必ずしも過ごしやすい場所ではありませんが、彼のような偉大な研究者が身近にいるという幸運を改めて感じています。

最近、研究の方は思うように進んでいません。
行き詰まっていると言うべきか、正直、停滞気味です。空回りしている部分もあります。これまでに得られた結果をまとめて論文化することはおそらく容易なのですが、やはり、どうせならば科学的な思索に富む論文としてまとめたいものです。そのためにはどうすればいいのか。色々と悩ましいものがあります。イライラしても仕方ないのですが、寒いBelfastの街中を日本語でブツブツと独り言を言いながら歩いたりしています。こんなところで負けてたまるかと。

何の為に英国まで来たのか。
誰の為に英国まで来たのか。

ちょっぴり泣きたい時もあります。

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昼下がりの街角

2017-09-30 | 雑記
北アイルランドの首都Belfastには買い物などを楽しめる場所は様々ありますが、私はやはり週末にはセントジョージズマーケットSt George's Marketに足を向けることが多いです。帰国時のお土産を調達したり、昼食を摂ったり、演奏を聴きに行ったり、色々と便利ですね。この街にお住いの他の日本人の方々(北アイルランドの方とご結婚された日本女性が多いですが)に伺ってみてもこのマーケットは人気が高いようです。
だんだん陽が沈むのが早くなり、冬が近づいているのを感じます。しかし、最近は天気の良い日も多く、外へブラブラと出歩くのには好適なのかもしれません。私も運動不足解消のために昼下がりの午後を散歩することがありますが、街の中心部City Centreは活気もあって、観ているだけでも楽しいものですね。

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何処にいるやら、日本人

2017-09-29 | 雑記
今日、「ねえ、このあたりで日本人の知り合いはいないかしら?」と、同じ研究室の女性から尋ねられました。話を聞くと、彼女の知り合いのフランス人研究者が以前に日本に2年間滞在したことがあり、日本語を忘れないようにするためにも、日本人で友だちになってくれる方を探しているとのこと。
え? Youの目の前にcoolなJapanese guyがいますけど?
「ふ~ん、まあ、探してみるよ」と答えておきましたが。

基本的に、日本人学生はほとんどこの街Belfastにはいません。
東アジア系(いわゆる黄色人種)を見かけても、ほぼ間違いなく中国系です。知り合いの中国人留学生が言うには「日本人と中国人はすぐに見分けられるよ」というのですが、私には見分けるのがかなり厳しいですね。最近の中国の発展もあって、東アジア系の若者を服装や髪形などから出身国を判別するのはどんどん難しくなっています。したがって、私は東アジア系の人を見ても「きっと中国の方でしょう」と思って、スルーしています(以前にそうやって希少な日本人留学生を無視したという前科もあります)。
とはいえ、やはり日本人のネットワークもあることはありますので、他の日本人留学生の存在を風の噂で耳にすることはあります。今年も北アイルランドの大学ではクイーンズだけでも数名、アルスター大学の方にも数名いらっしゃるとは伺ってはいます。先日、北アイルランド日本人協会の集まりにも顔を出しましたが、その時は私以外の留学生による参加はありませんでしたので、詳細については全く判りませんが。
もともと日本人同士だけでつるむのもあまり好きではない性分ですし、特段、周囲に日本人がいなくても困らないという状態です。したがって、私はわざわざ日本人を探すこともしていません。ただでさえ、少ない日本人を探す努力も疎かにしているので、私は今はもうこの街には日本人の知り合いがほとんどいない状態です。

ときどきではありますが、今回のように突発的に、親日的(?)な方々から「日本人と交流したい」という要望を聞くことがあります。
私のような小汚い野郎にもそれなりにお声がかかるところ見ると、若い日本人女性の場合はきっとモテモテなのでしょう。しかし、今年1月にニュースにもなりましたが「トビタテ留学ジャパン」プログラムでフランス留学中だった日本人女性が行方不明になるなど、モテたり、ちやほやされることが必ずしも良いとは限りません。私自身、「ここは外国」ということを時折忘れそうになりますが(もちろん日本国内だって常に安全とは限りませんが)、やはり用心は欠かさないようにすべきなのだろうとも思います。外国の方々と身近に接することも社会勉強Social Studyの一環であり、留学の醍醐味ではありますが、やはり自分たちの身を守るという注意は必要でしょう。

たまに日本の方とお会いした時、日本語で会話できるとホッとするというか、楽な気持ちになることはあります。
しかし、例えば語学の勉強などを目的として留学にいらっしゃっている場合、もちろん、そればかりでは駄目でしょう。たしかに、留学中の日本人同士のお付き合いというのはどうしたらよいのか、色々と思うところもあります。あまり日本人同士でツルむのもいかがなものか。とはいえ、いかんせん、北アイルランドの首都Belfastには日本人学生なんてほとんどいないので、それらを懸念する必要なんてそもそもかもしれませんが。

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100万人以上が「がん」と宣告される時代

2017-09-20 | 雑記
20日付で国立がん研究センターから下記プレスリリースがありました。

「2017年のがん統計予測
  日本のがん統計は、罹患データは4~5年、死亡データは1~2年遅れて公表されています。諸外国では、これらの遅れを数学的な手法で補正して、現時点でのがん統計を予測する試み(短期予測)が実施されています。この短期予測を最新の2013年がん罹患データ、および2015年がん死亡データに基づいて実施すると、以下の通りになります。

 がん罹患数予測(2017年)
   男女計 1,014,000例 (男性575,900例、女性438,100例)
   2016年の予測値とほぼ同じ(男女計1,010,200例、男性576,100例、女性434,100例)

 がん死亡数予測(2017年)
   男女計 378,000人 (男性222,000人、女性156,000人)
   2016年の予測値とほぼ同じ(男女計374,000例、男性220,300例、女性153,700例)」

『日本のがん罹患数・率の最新全国推計値公表 2013年がん罹患数86.2万人 全都道府県のデータが県間比較可能な精度に到達』(http://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/press_release_20170920.html)

つまり、最新データをもとに推測すると、2017年には100万人以上が「がん」に罹患し、38万人弱が死亡すると予測されているというわけです。
日本の人口が減少に転じてからもう数年が経ちますが、その多くはがんで亡くなるわけであり、この病気の克服の難しさが浮き彫りになっています。実は、日本においては80年代~90年代にがん研究は最盛期を迎えて、以降は徐々に研究資金、研究者人口ともに減少している分野なのですが、高齢化社会の進展とともに治療における社会的重要性はむしろ増しているのかもしれません。

とはいえ、「がん」は加齢に伴って罹患率が上昇する典型的な加齢性疾患でもあり、限りある医療資源(とくにお金)をどこまでこの分野に割くべきなのかは議論の余地があります。もっとはっきり言うと、高齢のがん患者さんたちが一斉に分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤を保険で使ってしまうと、早晩、医療保険制度は破綻を迎えるでしょう。最近ようやく知られるようになってきましたが、近年のがん治療には、とかくお金がかかりますから。
綺麗ごとを言うのはとても簡単なのですが、本気で「現代の姥捨て山問題」を考えないと、もはやどうにもならないところまで来ていると思います。どこかで「線引き」が必要になるでしょう。

例えば、75歳以上(後期高齢者)の場合、がん治療を自由診療にしてしまうとか……

それは酷いと思いますか?
あまりにもご老人に対して残酷でしょうか?
それでは、ぜひ対案を示してください。現実的な解決策を教えてください。

私は「がん患者全員に対する最高の治療を保険で賄うのはもはや無理だろうから、ご高齢者はお金がある人だけ自分のお金で最高の治療してください(つまり、お金がない人はほどほどの治療で諦めてください)」と、勇気をもって言うしかないと思います。
反対するのは、もちろん、かまいません。しかし、対案をもって反対して頂きたい。本当は私だって誰かに「答え」を教えてもらいたいくらいです。その方がどんなに楽なことか。しかし、それでは駄目だとも思っています。いずれ、自分の親族あるいは自分自身すらも、がんになるかもしれません。不老不死の人間なんて居ませんし、誰もが病気になります。ひとりひとりが自分の意見を持たないといけないでしょう。
目を背けてはいけない問題の一つだと私は思うのです。

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初心を忘れず頑張ります

2017-09-18 | 雑記
今日は、日本では敬老の日ですが、英国では普通の月曜日です。

ラボでちょっとした風邪が流行っていて、ご多分に漏れず、私も若干体調を崩しています。
寒くて仕方ないので先週金曜日に厚着を購入したにもかかわらず、土曜日の雨に濡れたのがちょっと堪えたのかなと反省しています。日曜日は、頭痛が酷くて、すこし休みました。日本で臨床をしていた頃のように生活にメリハリをもっとついていればいいのでしょうが、いかんせん単身の研究生活だと思考や執筆に没頭し過ぎて無茶苦茶な生活を送ってしまうのですね。夜中まで論文読んだり書いたりで昼夜逆転はザラです。気付いたら朝です。好きなことだけに熱中する子供みたいなものですかね。

現在、論文を2報書いていて、さらに本の翻訳も進めているところです。ラボのメンバーが書いている展望論文も手伝っています。そして、来月には国際学会での発表が2つあって、それらの準備にも追われています(今日はとりあえず発表用ポスターを作成しました)。さらに、出さなければならない某研究助成金の申請書も来月までです。
もう、どないしろっちゅうねん。1日は24時間しかないねん。
と、英国の片隅で、今日も今日とてエセ関西語でぼやいています(私は日本語と、ダメ英語と、エセ関西語と、なんちゃって東北語の4つの言語を喋れるマルチリンガルです)。

閑話休題。

朝、大学まで歩いて行く途中に見える教会が綺麗だったので写真を撮りました。
もう街路樹の葉の色が全体的に黄色くなっていることに気付きました。昨年もBelfastでの生活が始まったら、あっという間に長い冬へと季節が流れていったのを思い出します。今週金曜日のお祭り「Culture Night」(私の知人は「BelfastがLondonみたいになる日」という面白い表現をしていました)が終わると、すぐにハロウィーンで、そのままクリスマスです。英国の大学では9月あるいは10月に秋学期が始まるのですが、始まった途端に怒涛の勢いで月日が過ぎていくイメージです。昨秋この英国に来て、何もかもが目新しくて、なんとか此処の環境に慣れようとしているうちに、秋学期が終わってしまったような印象です。

おそらく今年も「光陰矢の如し」なのでしょう。
まさに少年老い易く学成り難し。

徒に時間だけが過ぎないよう一生懸命に成果をあげたいとこれまでも足掻いてきましたし、これからも足掻いていくつもりです。先週土曜日に、色々な方々から「Youは何しに英国へ?」と問われました。その時、私は「放射線の研究をするために来ました。かつて福島に居ましたから」と答えたのでした。そう、その為にこそ、私は此処にいるのです。

初心を忘れず頑張ります。
為すべきことを為すために。

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洗浄して、再使用!?

2017-08-30 | 雑記
兵庫医科大学病院が、29日、「厚生労働省の通知で手術後に廃棄するよう定められている医療機器を洗浄して患者130人に再使用していた」と発表しました。日本の各報道機関で一斉にこのニュースが報道されているようです。

「勿体ない」はある意味で美徳とはいえ、もちろん、駄目なものは駄目です。
しかし、しかし……。
私には色々と思うところがありました。もちろん、患者さんやご家族のお気持ちもよく判るのですが、医療機関側の事情も薄々と察することができます。かつて、私自身は当事者ではなかったものの、このような不祥事の関係者になってしまった方々と、一時期、共に働いたことがありましたから。

今回の兵庫医大の件、おそらく、手術部の経費削減問題が背景にあるのは間違いないでしょう。
現場レベルでは、例えば看護師は残業手当はつかず、医師は過労で倒れているわけです。医療従事者の生活の質(QOL, Quality of Life)を犠牲にして、患者のQOLを支えています。さらに、経費を切り詰めて、安価で高度な医療を提供せねばなりません。
一般に言われるのは、「あちらを立てれば、こちらが立たず」。
しかし、医療の現場は、「あちらを立てて、こちらも立てろ」。

現場のスタッフたちに責任があるのは無論でしょう。しかし、同時に、問題の根はきっともっと深いのだろうなとも思うのです。

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Amazonのキャンセル

2017-08-25 | 雑記
本日、Amazonから商品をキャンセルされてしまいました。注文から長い時間が経ってから下記メールが届きました。

誠に申し訳ございませんが、以下のご注文商品について、入荷の見込みがないことがわかりました。そのため、やむを得ずご注文をキャンセルさせていただきました。

そうですか、それでは仕方ないので、他の入手方法をとることにしますね。

それにしても、いったん注文を受け付けておいてAmazon側から突如キャンセルって……、初めての体験で驚きました。
実は、同商品について、知人からも「Amazonからの発送が遅れて届いていない」という話を以前から伺ってはいました。おそらく、今回のキャンセルは私だけではないはずです。正直、失望させられました。
せっかく、あちこちにお贈りする品をAmazonを通じて準備しようと思っていたのに。

書籍や小物などのネット通販はたしかに便利ですが、商品を手に取り、吟味して、そしてその場で購入して持ち帰ることができる、昔ながらのお店屋さんの方がやはり確実ですね。日本に居た頃は多忙ゆえについついAmazonを利用することが多かったのですが、今回、改めて考えさせられました。

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