私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

『平成マシンガンズ』 三並夏

2006-01-06 21:28:34 | 小説(国内女性作家)


文藝賞を史上最年少15歳で受賞した作品。


15歳で受賞ということで、新聞等にも取り上げられた作品だ。
しかし個人的な感想を言うなら、15歳にしては、という色眼鏡無しでもかなり通用する作品だと思う。

この作品でもっとも優れているところは文体だ。文章全体になんとも切迫したものが漂っていて、物語世界の閉塞感と絶妙にマッチしている。大人にならなくちゃ、と思いながらくだらないことでミスをしたりする自分に苛立っている感じと焦慮感がギシギシと伝わってきて良い。かなりセンスがある人ではないだろうか。
また、いじめのシーンや同級生の描写もリアリティがある気がする。悪くない。

正直、この作品のストーリー自体は何てこともない。加えて死神の使い方もベタだし、父親の愛人の描き方もステレオタイプだ。だが、この作品にある清新なイメージと逼迫感は個人的には好きである。

評価:★★★(満点は★★★★★)


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