俳優、脚本家、演出家といったように多彩な才能を見せる松尾スズキの作品。
オーバードーズで精神病棟に強制入院することになった女性ライターの再生の話。
本作は芥川賞の候補作にもなった。
精神病院に入院してきたライターがそこで様々な精神病患者に会うのだが、その様子がなかなか面白くて笑える。主人公の独白も面白いし、精神病院の患者たちもどれもキャラが立っていて際立っている。見事な限りだ。
主人公は精神病院に入院したが、ここから抜け出そう、自分は正常なのだ、と考えている。でもそれが許されるとは限らない。その辺りの主人公の感覚がきっちり描かれていて印象深い。
ラストも地に脚をつけ、しっかり生きて行こうという前向きな生きる意志が感じられて感動的であった。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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