私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

2006年度 私的映画ランキング

2006-12-28 21:12:53 | 雑感
2006年もそろそろ終わるということで、今年見た映画マイベストを選んでみた。
宮城県の映画館で今年公開された作品が対象である。

1位 「クラッシュ」
 
複雑に絡み合った物語が「人種差別」というテーマの元に収束する様は圧巻。
差別という理不尽の中で浮かび上がってくる、人が人を思うという行為が、感動を呼ぶ紛れもない傑作である。
アカデミー賞受賞も納得だ。


2位 「好きだ、」
 
セリフが少ないにも関わらず、映像でしっかりと心情描写を行なった手法が印象に残る。
画面で見せている以上に深い物語性を感じさせるすばらしい作品だ。


3位 「父親たちの星条旗」
 
国家という巨大な組織に利用される兵士たちの絶望と苦悩と声にならない慟哭が胸を締め付ける一品。
人間があまりに弱い存在だということを如実に示す。


4位 「硫黄島からの手紙」
 
戦争という理不尽な現実を丁寧に描いた珠玉の一品。
本音を容易に口にできず、絶望的な状況の中で死んでいった兵士たちの姿があまりに悲しい。


5位 「弓」
 
ギドク作品にしてはわかりやすいのが意外だった。
本作は何と言っても、少女のキャラにつきる。妖艶とも言うべきエロスと、その中に漂う狂気が目を引いた。


6位 「ユナイテッド93」
 
臨場感と緊迫感が、全編にただよっていたのが印象深い。乗客や管制官の恐怖や混乱がこちらにまで伝わってきて実に恐ろしかった。


7位 「時をかける少女」
 
映画全体に疾走感とも言うべきものがただよっていて、それが青春映画としての味を高めていた。
タイムリープというテーマ性、感情のうねりなど、心の深い部分まで強く訴えかけてきた。


8位 「ゆれる」
 
人の心のあやふやさを繊細に丁寧に描いていたのが心に残る。
兄弟間に湧き起こる負の感情の中、ラストで提示された赦しの予感が忘れがたい。


9位 「リトル・ミス・サンシャイン」

濃いキャラが織り成す暖かい家族ドラマが見ていても心地よい。
家族という小さな単位だからこそ、互いを思いやるという行為が重要になってくることを改めて思い知らされた。


10位 「ストロベリーショートケイクス」
 
女性4人の生き辛さをしっかり描ききっている。。
僕が男性ということで幾分わからない面もあったけれど、彼女らの苦しみは男女関係なしに胸に迫るものがあった。


●総括
基本的に邦画が強い一年であった。というか今年は全体的に良質な作品がそろっていたという感じである。
来年は更に良い作品が現れることを期待したい。
なお、作品名をクリックすれば、詳しい感想が読めます。

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