私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「ウォーロード/男たちの誓い」

2009-05-17 18:43:16 | 映画(あ行)

2007年度作品。中国=香港映画。
19世紀末、清朝の圧政下、太平天国の乱が沸き起こる。味方の兵を全て失った将軍パンは失意のうちに彷徨っている時、2人の盗賊アルフ、ウーヤンに出逢う。2人と共に義兄弟の契りを結んだパンは、太平天国軍を次々と倒し、遂に南京を攻略。しかし、来るべき新しい国のため闘うパン、ひたすら仲間のために戦うアルフ。2人の溝は深まり、想いも寄らない悲劇を巻き起こす。
監督は「ウィンター・ソング」のピーター・チャン。
出演はジェット・リー。アンディ・ラウ ら。


本作の印象を一言でまとめるなら、アクション悲劇といったところだ。
そんなジャンルがあるかは知らないが、個人的にはその言葉が一番しっくりくる。

実際、アクションシーンは見応え抜群だ。
剣を用いた個人技も、騎馬による戦場シーンも、どちらも臨場感に富んでいる。戦闘の迫力や体さばきのキレには見ていて血が騒ぐものがあった。そこはさすが香港系の映画だろう。この手のシーンをつくるのが上手いな、とつくづく感心する。

ストーリーの方は、いくらかまとまりに欠けるものの、それなりに楽しめる出来になっている。
とは言え、このラストは後味の悪い悲劇としか言いようがないだろう。
この映画が悲劇だともっとも強く感じた理由は、三人の義兄弟が誰一人、悪人とは言い切れないという点だ。パンが用いた方法論はともかくとして、各人の言い分や、各人の正義はそれぞれ充分理解できる。彼らはそれぞれ自分が正しいと思うことをしようとしただけでしかない。
それだけにあのような結末にならざるをえなかったのが、見ていても残念でならない。

というわけで、アクションの迫力のわりに、見終わった後ですかっとすることはできない。
だがこれはこれで悪い映画ではないと僕は思う。個人的には好きな作品だ。

評価:★★★★(満点は★★★★★)


製作者・出演者の関連作品感想
・ジェット・リー出演作
 「SPIRIT」
・アンディ・ラウ出演作
 「墨攻」
・金城武出演作
 「傷だらけの男たち」
 「レッドクリフ Part I」

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