私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

『図解雑学 重力と一般相対性理論』

2006-03-02 21:33:14 | 本(理数系)


光の速度は測定者の状態、光源の状態に関わらず一定である。その不思議な性質から、時間の遅れ、空間の遅れを説明した特殊相対性理論は生まれた。
一般相対性理論は、その特殊相対性理論が説明できなかった重力についてを扱った理論である。
本書はその一般相対性理論についてを優しく解説している。


図解雑学シリーズは極めてわかりやすくて、お気に入りのシリーズである。
僕は基本的に高校生レベルの物理の知識しかない。そのためさすがに難しいな、と思う部分はあるけれど、じっくり読めば全く理解できないというものは一つもなかった。

本書で特に面白いのはブラックホールに関する部分だ。
中性子星の重力崩壊がブラックホール誕生に至る理由、毛なし理論、ブラックホールの蒸発など刺激的な内容が多く、新しい世界が次々と広がるようで楽しくてたまらなかった。
その他にも宇宙ひもや特異点、連星となった中性子星と重力波の話、簡単に触れるだけだったが、ホーキングの量子論と相対性理論を結びつけた宇宙の話など、興味を引く話題が山積みである。

ただ残念な点は、ブラックホールの蒸発理論は理論的なもので証拠とかは無いのか、証拠とかないのにこれほど高い支持を集める理由は何か、など込み入った突込みがなかったところであろうか。

しかしさらっとこの分野の知識を得る程度なら、これでも充分だろう。
同じシリーズの『時空図で理解する相対性理論』と併せて読めば、相対性理論の表面的な知識はバッチリ得られるはずである。

その他にも「図解雑学」は面白い内容のものが多いので、是非ともお勧めしたい。
僕が読んだ中で言えば、他に『量子論』、『素粒子』、『半導体』、『哲学』がお勧めである。

評価:★★★★(満点は★★★★★)

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