pure's movie review

鑑賞した映画の感想です。

ステキな金縛り

2011-11-06 01:40:40 | 邦画



2011年 日本作品 142分 東宝配給
STAFF
監督と脚本:三谷喜幸
CAST
深津絵里 西田敏行 阿部寛 竹内結子 中井貴一 浅野忠信 市村正親


よくもまぁ、こんな設定でこんな面白い脚本が書けるなぁと、もちろんいい意味で呆れました。
最近この映画の宣伝で三谷さんをやたらとTVで見かけ、どこまでがネタで、どこまでが地なのかと疑ってたけど、すべてが地なんだろうなぁ。
数年前、友人が品川のお蕎麦屋さんで偶然三谷さんを見かけたらしいのですが、思いっきり「三谷幸喜」と書いた封筒をこれ見よがしに抱え、あのいつもの背広姿で、「気付いてくれ」と言わんばかりの存在感を醸し出してたらしいです。(笑)

話が反れましたが、今まで観た三谷作品の中で一番好きかもしれない。
冒頭で、深津絵里ことエミが自分の部屋で朝目覚め、彼氏に「おはよう」の挨拶もそこそこに、家を飛び出すシーンでは「あれれ??」と思った。
主人公のプライベートが書かれるのも、場所が限られた空間じゃないのも、何だか三谷作品らしくないぞ??と。
何だかフツーの映画っぽーい!ヤダヤダ、三谷さんしか出せない、舞台を見てるようなあの独特な技法じゃなくなっちゃったのー!?とがっかり。
でも物語が進むにつれてそれは無駄な心配だったとすぐ考え直した。だって、いつも通り三谷節炸裂だもん。
ご臨終のシーンであんなに笑わされた作品も初めて。死後の世界もほんとタイトルどおり「ステキ」に絡まれていて、何だか死ぬのも悪くないなぁなんて思える。

ザ・マジックアワー」では、「深津絵里が三谷作品に馴染んでない。」だなんて書いてしまったけど、今回撤回です。
すごくよかった。
そして西田敏行、唐沢寿明、戸田恵子、佐藤浩一など、お馴染みのメンバーもしっかりと脇役を固めていて、とにかく豪華すぎ。
ただの憶測なんだけど、三谷さん、映画、そして面白いことが好きな人たちが集まって、全力でバカを演じてるんだろうなぁとすごく好感が持てる。目の前にあんな個性的な落武者(西田敏行)がいるのに、見えない設定のキャラを演じた俳優さん達の技量がすごいと思う。

映画館から帰ってきたらTVで同じキャストで作られた「ステキな隠し撮り」がやってたので、続けてそちらも観てしまいました。
同じキャストだけど、設定やキャラクターはまったく映画と関連性なし。けどしっかり映画の宣伝を織り込ませてる。三谷さんお得意の限られた空間での群集劇。こちらも面白かった。そして意外な三谷さんの演技力も垣間見れた。演技自然すぎです。変な人だけど、いろんな才能に恵まれた人なんだなぁ。

あー面白かった!!!


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