世界遊戯博物館ブログ

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香港雀荘と澳門カジノの麻雀・跑馬仔

2015年08月25日 | 麻雀


香港の雀荘や澳門(マカオ)のカジノには、誰でも遊べる麻雀があります。

この麻雀は跑馬仔(パウマァチョイ)といって、港澳以外の大陸では推倒胡(トイダオフー)や槓牌(ガンパイ)などとも呼ばれています。

各地にある推倒胡の規則は、跑馬仔よりも少し複雑なのもあり、これらの規則をより簡単にして生まれたのが、跑馬仔であると思われます。

香港のニュースサイトを見ると、この跑馬仔を「大陸打法」や「大陸跑馬仔」と書いているので、大陸の観光客などを対象に、港澳地域の娯楽場で取り入れられた可能性も考えられます。

この麻雀の存在は知っており、大体ルールは把握していましたが、最近、跑馬仔のアプリをダウンロードして詳細が判ったので、実際に遊んでみました。



跑馬仔は、一般的な麻雀と同じく4面子+雀頭を揃えれば、役が無くても上がりになります。

また、フリテンも殆ど無いので、麻雀の役を知らない人でもすぐに遊ぶことが出来ます。

ただし、麻雀と異なり、上家からチーをすることが出来ず、牌を鳴けるのが、碰(ポン)と槓(カン)のみとなっています。

跑馬仔は槓牌とも呼ばれるように、槓に特徴があり、槓をすると得点になります。

また、自模(ツモ)上がりをすると2倍の点数を各自から貰え、さらに奨馬といって牌を引き、自分の風に適合する牌が出ると得点を得る事ができます。



遊んで気付いたのは、やはり自模の重要性で、この麻雀は自模を狙うことに醍醐味があるのだと思いました。

役が無いぶん、捨て牌を見て牌効率を考えることと、多面待ちを心掛け、如何に自模で上がるかということに神経を集中するので、麻雀の地力が試され、雀力の養成にもなる気がしました。
恐らく、麻雀の強い人は跑馬仔も強いので、澳門のカジノで勝利を重ねられると思います。

以下に跑馬仔の遊び方を記しますので、お遊び下さい。
遊び方や点数は、戯谷の跑馬仔アプリを元にしました。
奨馬で引く枚数も、アプリに合わせて5枚になっています。
跑馬仔は誰でもすぐに遊ぶことが出来るので、各地で開催されているゲーム会向きなのではと思っています。

■跑馬仔の遊び方

◆概要
役が無くても上がれる麻雀。
4面子+雀頭を揃えて上がる。
七対子は採用していない。
チーは出来ないが、ポンとカンが出来る。
槓(カン)をすると、その場で得点が貰える。
配り方も配る牌数も一般的な麻雀と同じ。
荘で勝てば連荘となるが、荘の得点は特に無い。

●参加人数…4人
●使用用具…花牌を除いた麻雀牌一式
●手順…手順は麻雀と同じ

■得点一覧
暗槓…600点(各自からその場で200点貰う)
明槓…300点(カンの牌を出した人が300点払う)
加槓…300点(各自からその場で100点貰う)
食糊(ロン)…300点(放銃した人から300点貰う) ※親のロンも300点
自模…600点(各自から200点貰う)
搶槓糊…600点(搶槓の上がり役。放銃した人から600点貰う)

■奨馬の規則
自模上がりした人が、自模上がった牌の次の牌から5枚引く。
自分の風に適合した牌があれば、1枚につき、各自から100点貰える。
例えば、自分が東で、奨馬で1萬が1枚、5筒が2枚出たら、300点を各自から(合計900点)貰える。
※奨馬で引く枚数は、事前に話し合って決めるのが一般的です。

●奨馬
東…東・1・5・9
南…南・中・2・6
西…西・發・3・7
北…北・白・4・8

麻雀牌 『役満 鳳凰』


象棋麻将(64牌使用版)

2013年11月12日 | 麻雀


前回の記事で、二色象棋牌一組・32枚を使用した象棋麻将を紹介したので、今回は二色象棋牌2組・64枚を使用した遊び方を紹介します。

地元のゲーム会で二色象棋牌2組・64枚の象棋麻将を遊んだのですが、じっくりと手を作る面白さがあり、スピード勝負の32枚よりも深みのあるゲームとなっていました。

といっても、手札は各自に7枚、上がりの枚数が8枚という少数手札なので、麻雀よりも流局が少なくお手軽なのですが、長時間何度も繰り返せる面白さがありました。

最初、リーチを有りにしていたのですが、麻雀のように役が無くてもリーチのみですぐに上がってしまうことが多かったので、リーチを無しにして、2点縛りにしました。

これにより、じっくりと手を作る必要性が増して、ゲームが更に面白くなりました。

また、すぐに鳴いてしまうと点数に届かなくなってしまうので、何とか手を作ろうとすることにより、ゲーム性が高まったと思います。

鳴きが基本で上がり易いといわれる香港麻雀も、上がるのに3点が必要なので、この点数による縛りはゲームを面白くする為の智慧であると思いました。

今回は3人で、親が4回交代したら終了という勝負を2回繰り返したのですが、麻雀のように4人で半荘を繰り返し、ウマを付けたら更に面白くなると思いました。

3人で遊んだので、手積み牌の配分が面倒であったことから、カード型の二色象棋牌を二組使用したのですが、4人であれば、牌を使用して遊んだ方が雰囲気が出て、断然面白いと思います。

以前にゲームマーケットで、台湾の象棋麻将牌を売った事がありましたが、牌に重量があるので、台湾から複数持って来る時に、空港で3万円程の超過料金を払うことになってしまいました。

その時は、他に台湾の麻雀牌などもあったので、かなりの重量オーバーになってしまったのですが、象棋麻将牌も牌1個あたりの重さは麻雀牌と同じなので、持って来るには随分とお金がかかってしまいます。

なので、牌を欲しいという要望が多いのですが、仕入れの価格的に少々躊躇しているのが現状です。

しかし、台湾を訪れる機会があれば、世界のゲーム販売店で販売しようと思うので、その際にはまた当ブログで告知しようと思います。

それまでは、双天至尊堂の二色象棋牌でお遊び頂けたらと思います。カードの利点として持ち運びに便利で、どこでも遊ぶことが出来ますので。

二色象棋牌2組・64枚を使用した象棋麻将の遊び方を以下に記しますので、ご興味のある方は、是非ともお遊び下さい。

一見して役の種類が多く感じますが、点の高い役は殆ど槓子絡みで中々出現しないので、6点役の一盃口辺りから覚えていけば大丈夫ですので。

■二色象棋牌64牌・象棋麻将の遊び方

上がるには2点が必要。2点に満たない状態で上がるとチョンボとなる。

基本的に面前ツモ以外の役は、鳴いても成立する。

カンの場合は、牌山から一枚ツモる。

暗カンは必ずしなければならない。(鼎足三分は例外)

流局の場合は、テンパイしていない人が供託棒を一本出し、次の局で上がった人が取る。

連荘するごとに、上がり点に1点が加算される。

■役一覧表

64牌使用の象棋麻将の役一覧表はこちらからダウンロードできます(file.pdf)

※台湾のサイトで、象棋麻将牌56枚で遊ぶ象棋麻将のCPU対戦サイトがあり、64枚使用の象棋麻将より役が簡略化されているので、対人で遊ぶ前に馴れておくものよいと思います。

象棋麻将牌(56枚)のCPU対戦サイト

双天至尊堂・二色象棋牌

台湾製・二色象棋牌


台湾の象棋麻将

2013年09月30日 | 麻雀



前回、香港と澳門の変則象棋について書いたので、今回も象棋に関連した遊びを紹介します。

台湾に遊戯用品売り場には、必ず麻雀牌型の象棋牌が売られています。



この象棋牌は、東南アジアの福建由来の華僑の間で、天九と似た遊びの打棋子などに用いられていますが、台湾では主に象棋麻将で遊ばれているようです。



2007年のことですが、台湾のゲームセンターに行くと、暗棋などの他に、象棋麻将が出来る台がいくつかありました。



また、ネットでも象棋麻将の対戦サイトがいくつかあるようです。



象棋麻将でもいくつか種類があり、一組32枚の二色象棋牌を使用して行うものと、二組64枚の牌を使用して行うもの、象棋を構成する駒14種類(帥仕相俥傌炮兵・将士象車馬砲卒)がそれぞれ牌が4種類ある56枚の牌を使用して行うものがあるようです。

ゲームセンターや台湾のサイトで発見したものは、二色象棋牌を使用して行うもので、一組で遊ぶ場合は子が手に4枚、親が手に5枚持って始め(自模や上がりは5枚)、二組で遊ぶ場合は子が手に7枚、親が手に8枚持って始め(自模や上がりは8枚)るものでした。

役の種類は色々とあり、どれを採用するかは遊ぶ人によって異なるので、一概にこれが象棋麻将の正式の規則だとはいえないのですが、実際に遊んでみて最適だと思ったものを、規則としてまとめてみたいと思います。

まずは、手軽に遊べる二色象棋牌一組32枚を使用したものを紹介したいと思います。

■象棋麻将規則(二色象棋牌一組使用)

2~4人で出来るが、3人が適正人数。

親が手札に5枚、子が4枚持ち、残りは山札にして、親が1枚場に捨てて開始。

ポンは全員から、チーは上家だけから鳴く。

上がりの形は、刻子と同種2枚の頭または、順子と同種2枚の頭。(※三公・五兵卒の役は例外)

順子は、「将士象」・「車馬砲」・「帥仕相」・「俥傌炮」の4種類。

役が無くても上がれるが、上がりには必ず役が付く。

基本的にフリテンは無いが、捨て牌と同じ牌ではロン上がりが出来ないルールで遊ぶと更に深みが出る。この場合、両面待ちの捨て札のもう片方で上がってもよい。

ロン上がりは放銃した人から、ツモ上がりは上がった人以外の全員から点数を貰う。

ツモ上がりの点数をそのまま全員から貰うルールの他、ツモ上がり時の合計点数を上がった人以外の人数で割って算出してもよい。

合計数が割り切れない場合は、点数が繰り上がりとなる。

例えば、ツモ上がり点数が5点で払う人が3人の場合は、5÷3=1.6666は2点に、ツモ上がり点数が6点で払う人が4人の場合は、6÷4=1.5は2点になる。

ノーテンの場合は、場に1点を供託として出し、次の局で上がった人が貰う。テンパイになっても供託は貰えない。

リーチの場合は1点を供託として出し、上がった人がそれを貰える。

連荘の場合は、1点ずつ点数が増え、上がった人に加算される。1本場は1点、2本場は2点…

チョンボは1点を参加者全員に払う。

■象棋麻将・役一覧

天和…6点

地和…6点

三公(将+士士+象象/帥+仕仕+相相・面前のみ)…6点

五兵卒(兵5枚・卒5枚)…6点

将帥同国(将帥+車馬砲/将帥+俥傌炮)…3点

将帥領兵(将帥+兵兵兵/将帥+卒卒卒)…2点

兵車行(車車+卒卒卒/俥俥+兵兵兵)…2点

清一色(全部同じ色で構成して上がる)…1点

無兵卒(兵・卒が無い形で上がる)…1点

馬到成功(「馬」或は「傌」で上がる)…1点

一炮而紅(「砲」或は「炮」で上がる)…1点

海底…1点

河底…1点

面前自模…1点

立直…1点

一発…1点

荘家(親の時に上がる)…1点

※親からロンすると1点加算される。

やってみると判るのですが、札が少ないので、捨て札で大体待ちが何であるか予測がつきやすいので、逃げようと思えばうまく逃げることが可能です。
しかし、逃げてばかりいると、ノーテン罰符の供託1点を場に出さないといけないので、そこの駆け引きがとても面白くなっていると思いました。

象棋麻将は、双天至尊堂の二色象棋牌で遊ぶことができますので、ご興味のある方は是非ともお遊び下さい。

台湾製・二色象棋牌(麻雀牌型)

追記、先日、象棋麻将で遊んだ時の模様を、友人がブログで紹介しています。
見やすい役一覧表もありますので、遊ぶ際にお役立て下さい。

とりあえずゲームで!「象将麻将(シャンチー麻雀)」


北京麻将に日本麻雀のドラを感じる・その2

2008年11月08日 | 麻雀

「北京麻将」では、一番最後の壁牌の上1枚を表にして表示していました。
この開示された牌の使用方法を張鉄良さんに聞いたところ、実際に牌を使って教えてくれるとのことで、海運倉胡同内にある「棋牌室」に連れて行ってもらいました。 日本の雀荘そのものの棋牌室に入るやいなや、鉄良さんが「你好!彼は日本人の友達で象棋や麻雀、扑克牌等の遊戯を研究しています!ここで彼に北京麻将教えてあげたいのですが、協力してくれますか!」と、相変わらずの大声でにこやかに言うと、中にいた女性が親切に卓に招いてくれました。

聞くところによると、この開示した牌は、「混(フン)」といって、「百塔(バイダー・どの牌にもなる特別牌)」を示すもので、開示された牌の次の牌が「混」という「百塔牌(バイダーパイ)」になるそうです。

つまり、開示された牌が「一萬」ならば「二萬」が「混」で、「二萬」はあらゆる牌として使用できるということです。
また、「九筒」が開示されたら「一筒」が百塔になり、字牌が表示されたら「白→發→中→白」、「東→南→西→北→東」という順で「混」が決定します。

その他、中にいた人たちが牌を並べて「これは一条龍(日本の一気通貫)、これは十三幺(日本の国士無双)、これは対対…」等と、使う役などを色々と教えてくれました。

その中で、「七対子」も存在していたのですが、よく日本では「七対子」はアメリカ由来の役であるということをしばしば耳にしていたのですが、以前に友人が主催する「思宴会」というゲームサークルで「無錫の麻将・ 垃圾和(ラージーフー)」を教わった時にも「七対子」は存在しており、香港映画に登場する麻雀シーンでも、台湾16牌ルールで「喱咕哩咕(リーグリーグ)」という役で登場していたので、さらに調査が必要であると思われます。
しかし、以前に香港で体験した「広東麻雀」には存在していなかったので、中国麻将の全国的な役ではないことは確かなのですが。

この方面でも長い目で調査を続けて行こうと思っております。

 

北京麻将に日本麻雀のドラを感じる・その1

2008年11月05日 | 麻雀

世界智力運動会(ワールド・マインド・スポーツ・ゲームズ)の試合中、ひょんなことから友達になった中国人に招待されて「五子棋倶楽部」を訪れた記述は前回のブログに記しました。

その倶楽部のある北京の海運倉胡同の公園内で、象棋(シャンチー・中国将棋)や扑克牌(トランプ)など、様々な遊戯が興じられていたのですが、その中で特に目に留まったのが、麻将でした。

その麻将(北京麻将)では、牌を積み上げた壁牌の上に、筒子を1牌だけ表にして表示おりました。
その牌は、一番最後の壁牌の上1牌をめくって表示するそうです。

※写真参照(九筒が壁牌の上に表向きで乗せられている)

この開示した牌の使用方法を尋ねた所、公園で麻将をしている人や周囲の人が口々に教えてくれました。

そして、もっと詳しく知りたいと思っていたら、朋友になった張鉄良さんが、胡同にある棋牌室(日本でいう雀荘)に連れて行ってくれました。

この棋牌室は北京の胡同内には必ずといっていいほど存在し、通り沿いの商店街にも多数存在します。

以前に訪れた中国の「珠海」や「深セン」にもこの「棋牌室」は多数存在しておりました。当然ですが、お金は堂々と賭けております。