亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

ジェネリックの伝説、アメリカでも

2009-07-22 | お薬のこと一般
昨日までの国内の新型インフルエンザ感染者は4246人だそうです。15日に3000人を突破してから、やっぱり速かったですね…。

さて、日本では、厚生労働省がジェネリック薬(後発薬)を推奨していて、もっと促進しようとしています。薬局で、患者が後発品を選択しやすくなるような丁寧な説明を行ったかも問われるようになったようです。

医療技術が進んで、いろんな高度な検査や治療が可能になってくると、医療はどうしても高額化してきます。高齢化にあわせて考えると、医療費が増えて行くのは、自然な流れ…と言えそうです。
そんななかで、医療費を抑えなければ!というために、比較的安価なものが多いジェネリック薬が推奨されています。

でも、しつこく書いていますが、ジェネリックの認定のための試験は、とっても大雑把にいうと、
 ・健康なひとが使用してみて
 ・一定の時間がたって「主成分」のみの血中濃度が
 ・先発薬の80-120%であること
から判断されます。

具体的には、たとえば、湿布の場合は、同じフェルビナクが使われていたら、温シップも冷シップも同じジェネリックとして扱われます(笑)香料が多くても、ピリピリが多くても、同じジェネリックです。

もちろんジェネリック薬が大活躍する場合もありますが、先発薬と比べると、効果の出方が違う場合もあります。違っても、わかっていて使う場合はいいのですが、そういう情報が広く伝わっていないまま、「同じもの」だと思って使うというのはリスクとなりそうです。
そのリスクは、薬局が取れるものではないと思うんですけど、どうなんでしょう。
全国保険医団体連合会(保団連)でも、「後発品の使用「強要」は問題」という声明を発表したようですね。

おもしろいのが、アメリカでもFDAが「ジェネリック薬の伝説に答える」というような記事を書いていること。(原文
「品質は、先発薬と同等です」「価格は、先発薬の80-85%です」と書かれていて、アメリカでも医療費問題が大きいんだなぁと改めて思います。

これまたしつこく書いていますが、製薬の世界では「2010年問題」というのがあります。稼ぎ頭だった有名な薬の特許がいろいろ切れるのだそうです。例えば…

2008年
 フォサマック - メルク(骨粗鬆症治療薬)
 プログラフ - アステラス製薬(免疫抑制剤)
 アムロジン/ノルバスク - 大日本住友製薬、ファイザー製薬(高血圧治療薬)
 オノン - 小野薬品(抗アレルギー薬)
 ラジカット - 田辺三菱製薬(脳梗塞治療薬)

2009年
 タケプロン - 武田薬品(消化性潰瘍治療薬)
 ハルナール - アステラス製薬(α遮断薬、排尿、降圧)

2010年
 コザール - メルク(降圧剤)
 アリセプト - エーザイ(中枢神経系用薬、アルツハイマー治療薬)
 クラビット - 第一三共(抗菌剤)
 パキシル - グラクソスミスクライン(抗うつ剤)

2011年
 リピトール - ファイザー製薬(高脂血症治療薬)
 アクトス - 武田薬品(糖尿病インスリン抵抗性改善剤)

2012年
 シングレア - メルク(抗アレルギー剤)
 バイアグラ - ファイザー製薬(ED治療薬)
 ブロプレス - 武田薬品(血圧降下薬)

2013年
 パリエット - エーザイ(胃酸抑制剤)

実は、新しいを開発するには、潤沢な資金が必要です。薬の開発は、いつ完成するかわからない、完成できないかもしれないというもので、融資が受けられないこともよくあるようです。これまで、有名な薬でもう十分すぎるくらい稼いだでしょ?という考え方と、今後、新薬の開発が失速するのではないかと懸念する声もあがっています。

ジェネリック推進がどうなっていくか、興味があります。

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4 Comments

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Unknown (みどぴぃ)
2009-07-22 22:23:36
もう4,000人超えたんですか?
速いですね・・・

ジェネリック薬品はどうも信用できないみどぴぃです
特定疾患扱いで薬の負担ゼロだしジェネリック薬品はお断りしちゃいます

バイアグラは2012年に特許が切れるんですね
ってことは、肺高血圧症の薬もそのうちジェネリック薬品がでるのかなぁ??
風邪薬程度のジェネリック薬品ならイイけど、命に係わる薬は使いたくないかも~(;^_^A アセアセ・・・
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Unknown (sora)
2009-07-24 20:07:05
皮膚筋炎の者です。

今回の記事、参考になりました。

私は特定疾患で、薬代が無料だからこそ、ジェネリックにして問題ないものは、主治医とも相談の上、ジェネリックにしています。もちろん、合わない物は絶対やめたほうがいいけど、税金の中から、払ってもらって生かしてもらっているという気持ちって、必要ですから!
返信する
ほんと (ぷろぱ)
2009-07-24 20:20:48
みとぴぃさん、こんばんは~。

特許が切れてもバイアグラがなくなるわけではないと思いますが、ジェネリックや同類の新薬は、開発されるのかもしれませんね。
肺高血圧症に効果があるかどうかはまた別でしょうけれど。

ロキソニンのジェネリックのような効果がわかりやすい場合は考えるかもしれませんが、添加物の影響があったりしますし、そこを理解して使うのがよさそうですね。

肺高血圧症のように、薬が効いているのかの確認がむずかしい場合には、薬の選択はむずかしいですね。。。


このコメント、一度、書いたのに、間違えて消してしまったみたいです~、失礼しました!
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ありがとうという意識 (ぷろぱ)
2009-07-24 20:56:10
soraさん、はじめまして。
もしかして、yahoo!のsoraさんでしょうか。

ありがとうという意識って、ほんとに大切ですね。うっかりすると、もっともっとという気持ちにもなってしまうし。

ジェネリックについては、限りある医療費を使っていくためにも、上手に使えるのがいいなとわたしも思います。
わたし自身、薬の添加物に対するアレルギーが出た場合に、ジェネリック薬に変えてうまくいったこともありました。

ナースのcocohchさんがここでも何度かコメントで書いてくださっていますが、自己負担がないならこの薬がほしいと言っていた患者さんが自己負担になった途端、「なら、いらない」と言われたというお話などは、悲しくなります。

ただ、ジェネリックは、有効成分の血中濃度が先発薬の80-120%で認可されるという仕組みであるので、病気によって、この40%の幅が問題になる場合があったり、添加物によって効果の出方が違ったり、意外な副作用があったりという場合もあるようです。

今の推進のキャンペーンでは、「全く同じもの」であるような誤解を与えているのは、ちょっと気になっています。

薬の作用によっては、たいへんな検査をしないと、効果が目に見えにくい場合もあるので、状況、状況で、上手に使い分けていくのがよさそうです。
soraさんのように、先生としっかり相談していけるのが一番ですね。

ジェネリック医薬品品質情報検討会(http://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged.html)での情報などが、もっと現場のお医者さんに浸透していけばいいのですけれど。
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