雪
雪の結晶は綺麗だね
と 子供たちは言いながらも公園で遊ぶことはしない
初雪が降った
一センチにも満たない降雪だから雪だるまになれない
温かい部屋で寝転びながらゲームをして
飽きてくると外の雪をぼんやりと眺めながら呟く
放射能モニタリングの上に雪が降り積もっている
今はその数字に振り向く人は少ない
一Fメルトダウン後の子供もの健康が心配されている
専門家の説もいろいろあって困惑する
昔は雪が降り始めると外に飛び出して遊んだものだ
雪を食べ、子供は風の子と言われていた時代
それぞれの考えがあってそれぞれに生活をしている
だからそこに立ち入ることはできない
雪の中で友達と遊んだ記憶だけは鮮明に残っているが
その時は放射能の話などは考えられなかった
六歳も歳をとった
生まれた子供は桜の門をくぐり小学生になる年数だ
桜の大木は切り倒された、放射能の値と下げる為に
放射能に敏感だった頃だ
それからしばらくしてもう一度桜の植樹が始まった
小学校には桜が似合う
雪の結晶が綺麗だね
と 言っている子供たちも桜の門をくぐった筈だ
六年の中で得た教訓は大きいが
失った時間の方が比較にならないほど大きい
雪の降るのを見ながら
この六年間の総括は出来るのだろうかと考えている