詩の自画像

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特定復興拠点

2017-01-14 06:24:14 | 

特定復興拠点

 

 

さらさらと風に海岸線の砂浜が洗い流されていくと

取り残されているものが見えてくる

 

「特定復興拠点」という言葉がいつの間にか生まれた

核となる拠点を定め除染しながら

徐々に拠点の範囲を広げていくと言うのだ

 

さらさらと風に海岸線の砂浜が洗い流されていく中で

帰還困難区域は困惑している

取り残されているものの一つなのだ

 

帰還困難区域の中に

複数の拠点を造りながら

そこから除染範囲を広げ住む環境へと整備していく

 

さらさらと風に海岸線の砂浜が洗い流されていく中で

沈思するものがある

そこに住民は戻るのだろうかという疑問だ

 

この帰還困難区域に「除染」という武器を使いながら

入りこんでいくと言う「特定復興拠点」

六年目に入って政府は新しい構想を打ち出してきた

 

さらさらと風に海岸線の砂浜が洗い流されていく中で

国と町村の議論が行ったり来たりしている

帰還困難区域の取り扱いは難しい

 

手詰まり状態から抜け出す道を模索し続けてきたが

最後に残ったものの一つが帰還困難区域だ

除染は万能ではないと県民は知っている

 

さらさらと風に海岸線の砂浜が洗い流されていくと

取り残されているものが見えてくる

 

「特定復興拠点」名前ばかりが増えていく

いつも名付け親の本気度が試されるが

名付けた後には多くの時間だけが取り残されている