(3日目)~金瓜石~九份~ 台湾旅行で必ず訪れる町は台北だろうが、台北からちょっと遠足気分で訪れることができる有名な観光名所といえば九份だろう。かく言う我が家の台湾旅行歴を振り返れば、最初に台湾へやって来た時にさっそく九份を訪れた。14年前のあの頃は台湾映画「悲情城市」の撮影の舞台として有名だったが、今ではむしろ「千と千尋の神隠し」で人気を集めているようだ。 九份は、一昔もふた昔も前の町が、時代に取り残されてそのまま残っているというイメージだった。あの頃見た町並みは変わってないだろうか、台湾で初めて入った茶芸館は九份だった。あの茶芸館はまだあるだろうか。それに名物の芋圓をまた九份で食べてみたい… ガイドを見れば、当時は載っていなかった金瓜石というところもおもしろそう。ここは九份からすぐ近く。この金瓜石とセットで、14年ぶりに九份を訪れた。 九份へ行くには台北駅から台鉄に乗って瑞芳まで行き、そこからバスというのが一般的なルート。14年前は基隆からバスで行ったが、今回はこの一般的なルートを選んだ。瑞芳まで速く行くには急行列車「自強号」に乗るのがいいが、これは全席指定なので早めに切符を買っておこうと前日台北駅の窓口に並んだ。けれど、中国語がうまく通じない為か、切符売り場のおじさんは「ない」というばかり。朝の8時50分発の自強号があることは案内所で聞いてきたのになぜ?ようやく「空席」が「ない」ということがわかった。全席指定の自強号だが乗車券だけ買うことも可能とわかり、とにかく乗車券を買って当日この電車に乗り込んだ。 座席は殆ど埋まっていて、台北から家族全員は座れなかったが、途中で別々だがみんな座ることができた。それにしても平日の午前中の自強号がこんなに混んでいるとは! 瑞芳に着くと、駅前のインフォメーションには日本語世代と思われる日本語ガイドさんが二人もいた。まず向かうのは金瓜石。ここへ行くバスを教えてもらってバス停へ行ったがこれがすごい行列。次のバスにはとても乗れそうにない。時間節約のため、ちょっと奮発してタクシーで行くことにした。 奮発といってもタクシーで金瓜石まで240元。日本円にすれば650円程度だが、台湾にいると金銭感覚も台湾モードになってしまう。台湾では高額紙幣になる千元札、スーパーなどでこれを出すと店員さんは大抵透かしを確認するが、約3000円のこの紙幣が、物価的に見てもこっちでは日本の1万円札という感覚。
ここには当時使われていた日本家屋の住居や皇太子を迎えるために迎賓館として建てられたという建物、博物館や採掘坑跡、更に足を伸ばせば神社の跡などを見学することができる。 黄金博物園区内へは自由に出入りできる。入口近くにはお土産屋さんや食堂が並ぶ。少し中へ入って行くと、日本家屋が並んでいた。生活美学体験坊と名付けられた当時の宿舎で、時間を区切って内部の見学ガイドがあったので入ってみた。 中ではこの日本家屋が復元されたときの様子を伝えるビデオを観て、各部屋を回るの。家具や調度品が置かれた居間や寝室、調理器具や食器類も揃った台所、風呂場やトイレなど、当時の生活を偲ぶことができ、まるで昔の日本にいる感覚。台湾に渡った日本人は、日本にいるのと全く変わらない生活を通そうとしたんだな… 坂道を上り、黄金神社を目指す。結構な石段を上っていくと、まず第一の古びた鳥居と石灯籠があるが、神社はそこからまだまだ上らなければならない。 炎天下で汗だくになってようやくたどり着いた神社は、鳥居と石灯籠と石の支柱だけが立ち並ぶ古代遺跡のようなところだった。 周りには山が見渡せ、眼下には青い海が広がり、眺めは素晴らしい。この眺め、この空気、前に行ったイタリア・シチリア島の町、タオルミーナの遺跡・ギリシャ劇場を思い起こす。 クリックで拡大 ギリシャ劇場の方がはるかに古いが、過去に栄えたところが雨や風の影響をもろに受ける高台で長い年月のうちに朽ち果て、それに耐えた柱などだけが、いにしえの繁栄を伝えているる姿、そして高台からの海の眺め、強い日射し、静寂、吹き上げてくる風などがギリシャ劇場と重なった。 わざわざこんな高い場所に神社を建て、大勢の人達が詣でていたことを思うと、神様が降り立つようなパワーがこの場所にあるような気がしてきた。
道端には日日草がたくさん咲いている。台湾の山道ではよく見かける。 このトロッコ軌道を辿ると山肌に開いた坑道に通じる。金を採掘するために掘られた坑道で、中には見学コースが整備されている。洞窟好きのpocknはここは押さえておきたい。入場券を買い、ヘルメットをかぶっていざ坑道内へ! 軌道に沿って内部へ入るにつれてトンネルは狭くなり、昔の採掘現場らしい様子になってきた。途中には採掘用の道具や、採掘の様子を伝えるパネル、実物大の人形などが展示されていた。3年前に行った佐渡金山の見学コースと似ている。むき出しの岩盤には金脈が走っていたような… この見学コースは思ったより短かったが、総延長にして180メートルはあるそうだ。 坑道から出ると降り注ぐ太陽の光がまぶしい。南の島、台湾のイメージに相応しい陽光だが、九份も含めたこの辺りは雨が多いことで知られている。14年前に来たときは雨だった。つまり今日の晴天はかなりラッキーなこと。 次は太子賓館へ。当時の皇太子(昭和天皇)が来訪するときのために建てられたという迎賓館だ。美しく整備された回遊式日本庭園に、端正で格式のある日本家屋が建っている。建物に入ることはできないが、中の様子はよく見える。窓枠や欄干も意匠が凝らされていて日本建築の粋を集めた意気込みが窺える。 庭園は自由に散歩でき、庭の美しさもさることながら、庭と建物の組み合わせが、見る場所によって様々な表情を見せてくれて素晴らしい。背景に山があるのもいい。 台湾には日本にいるよりも「日本的」と感じる場所がたくさんあるが、ここもそうしたもののひとつに数えられるだろう。 九份 そしていよいよ14年ぶりの九份。金瓜石から九份はバスで僅かのところにある。
喧騒から少し離れようと人通りの少ない道を選んで歩いていくと、すぐに静かなエリアになった。お店とかは殆どないが、ひなびた懐かしい感じの通りや家の感じは、南の島の静かな路地裏という趣き。急にマイナスイオンが増えたような気分で、のんびりと散歩を楽しんだ。 石垣のある石段が続き、気がつくと人家の敷地内に入ってしまったり、行き止まりだったりする。どこを歩いても坂があり、山の斜面に家々がしがみついているよう。これも南イタリアのアマルフィなどの雰囲気に似ている。 どこを歩いても海を見渡せるスポットがある。14年前は霧に覆われていたが、こんなにきれいな海の景色があった!
茶芸館を出て、夜景でも眺めながらおいしい夕食と行きたいところだったが、暗くなっても相変わらず日本人ばかりで込み合う街中は、お店に入ってもツアーの人たちの中に埋もれてしまいそうな勢いにちょっと恐れをなし、また、夜まで開いているのは観光客相手のレストランばかりでこれも性に合わず、晩メシは台北に戻ってからでもいいや、と最後に夜景を眺めて九份をあとにした。 瑞芳美食街
牡蠣入りオムレツ(蚵仔煎:オアチェン)は注文してから作る 隣のテーブルの下にはニャンコが… 食べ物のおこぼれを待っているのか? 台北駅に戻ってきたのは9時半。それなのにまだホテルへ戻らず、MRTに1駅乗って中山駅まで行き、台北當代藝術館へ。
動くレーザーの光を顔や体に照らして遊んでホテルに戻った。11時。今日も終日活動しまくった。 (4日目)~~華山1914創意文化園區・台北琴道館・永康街・新純香・大友特産~ (2日目)~迪化街・雙連周辺・剥皮寮歴史街・龍山寺~ (1日目)~易牙居點心坊、台湾大学、ゴンドラで猫空へ、茶芸館「邀月茶坊」~ 10回目記念!台湾旅行2012(台北3泊4日の旅)トップページへ |
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