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足繁く通う演奏会の感想等でクラシック音楽を追求/面白すぎる台湾/イタリアやドイツの旅日記/「ドイツ留学相談室」併設

幸田浩子ソプラノ・リサイタル

2008年04月18日 | pocknのコンサート感想録2008
4月18日(金)幸田浩子 ソプラノ・リサイタル
紀尾井ホール

【曲目】
1.モーツァルト/モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」K.165
2.モーツァルト/歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より“恋人よ、さあこの薬で”K.527
3.モーツァルト/歌劇『劇場支配人』より“若いあなた!”K.486
4.モーツァルト/ディヴェルティメント K.136 第1楽章
5.モーツァルト/コンサートアリア「神よ、あなたにお伝えできれば」K.418
6.R.シュトラウス/ 「セレナード」Op.17-2
7.R.シュトラウス/「ツェツィーリエ」Op.27-2
8.R.シュトラウス/「あした!」Op.27-4
9.R.シュトラウス/「アモール」Op.68-5
10.J.シュトラウス/ ワルツ「南国のばら」Op.388
11.R.シュトラウス/歌劇『ナクソス島のアリアドネ』より“偉大な王女さま”Op.60

【アンコール】
1.ペッペ・ドンギア/新しい色の祝祭に ~カリヨン~
2.モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス


【合奏】
Vn:篠崎史紀、白井 篤/Vla:佐々木 亮/Vc:木越 洋/Cb:吉田 秀/Fl:甲斐雅之/Ob:青山聖樹/Hp:早川りさこ/Pf & 編曲:山田武彦


今かなり売れっ子の幸田浩子が、マロさんをはじめとするN響のアンサンブルと共演してのリサイタル、幸田さんが最近リリースしたモーツァルトを前半において、後半にはシュトラウスの名品たちが並ぶという魅力的なプログラム。

前半のモーツァルトは幸田さんの明るい声質がとても映え、明るくてチャーミングな歌を聴けた。白いドレスに身を包んだチャーミングな容姿はツェルリーナのアリアなんかにもぴったり。オペラのステージで観てみたくなる。歌そのもので言えば前半の最後に歌ったコンサート用アリアあたりから完全燃焼してきたという感じ。軽やかさや明るさにしっとりとした色香が加わり、青山さんの歌心いっぱいのオーボエとの「デュエット」でなめらかでふくよかに魅力を放っていた。

その空気は後半にも持続し、更に充実。シュトラウスの歌曲の陰影に富んだ世界をしっとりとした質感で描いていた。マロさんの甘いヴァイオリンとのデュオで歌った「あした!」の瑞々しくかつとろけるような魅力、そして「アモール」でのオペラチックで雄弁な歌唱は最後のアリアドネのアリアへの期待を膨らませる。

そのツェルビネッタのアリアの充実ぶりは期待通り。歌いまわし・声のコントロールの上手さ、ムンムンした熱気が伝わる魅力溢れる美声、チャーミングでかつ雄弁な表現力… さあ、これからが更に聴きどころ…

と・ところが、アリアも佳境に入った頃から、昨日から痛かった僕のノドの奥がムズムズしてきてどうしようもなく苦しくなってきた。咳を押し殺すのに必死になっているうちに涙は出るわ、むせそうになるわで最悪の状態に。。。

そんな中で聴いていたアリアのクライマックスでは少々幸田さんの歌で苦しそうな場面があるようにも感じたのだが、自分がこんな状態ではなんともコメントできない。とにかく一番肝心なときにこんなことになってしまって、ぐやジィ~。。。このリベンジは来月の「アリアドネ」のステージで必ず! 

このコンサートではマロさんとN響の仲間達のアンサンブルも聴きものだった。みんな体で音楽を感じ、とてもデリケートに歌に反応しながら演奏している。アンサンブルのみの演奏もあって、自然な呼吸で伸びやかに歌ったディヴェルティメントは3楽章まで聴きたかったし、マロさんではおなじみのヨハン・シュトラウスは実に素敵なウィーンの風を運んでくれた。

「アリアドネ」の前のステージセッティングの時間にマロさんが編曲とピアノを担当した山田さんを連れてきてのトークも楽しかったが、「アリアドネ」はアンサンブルではなくピアノだけの伴奏だったのは少々腑に落ちない。この歌こそアンサンブルで聴きたかったが、もしかしてアレンジが間に合わなかったのかなぁ、なんて考えすぎだろうか…

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