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『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

バーバラ・マクリントック講演会

2016-11-28 06:16:46 | 講演会・勉強


お待たせしました!(え?別に待ってない?)やっとバーバラ・マクリントックさんの講演会@国際子ども図書館をレポートしますね。

講演会前は、上野ブラッスリーレカンで、一緒に講演会を聞きに行く仲間でランチ。旧貴賓室を活かした空間には、過去の亡霊たちが漂っていそうで、物語があふれてきそう。実は、ここでかなりお腹いっぱいになってしまったので、講演会は寝ちゃうかも・・・と少々自信がありませんでした

が!!!バーバラさん、想像通りのとおおおってもチャーミングな方で。眠くなるヒマなんてありませんでした!ずっとニコニコされていて、人柄が伝わります。

バーバラさんね、猫が大大大好きで、幼い頃は大きくなったら猫になりたかったんですって(笑)。で、猫になれないと分かったから画家になったそうな。テレビでやっていた“TOP CAT”というアニメが大好きで、アニメを見ながら広告の裏にそのアニメを書き写したり、続きの話を考えて自作の漫画を作ったりしていたそうです。日本で大人気の『ないしょのおともだち』の細かい制作過程や、2017年秋に出版予定で今取り組んでいる“武道”をテーマにした絵本(これすっごく面白そうでした!!!)や、コラージュに初チャレンジする2018年出版予定の絵本の原画まで、惜しみなく披露してくださいました

彼女の絵って独創的で、空想家の少女だったのだろうな~、と思っていたのですが、ところがどっこい。確かにそうなのですが、頭の中だけでふわふわ浮かんできたものを描いてきたわけではないんですね。バーバラさんいわく、模写、模写、とにかく模写してきたって。すんごい勉強量なんです!『ふたりはバレリーナ』を描く際には、ダンスの姿勢を正確に描くため、この歳になってもバレエスタジオに通ったそう。ジャン!↓



以下は私の中で印象的だったことランキング↓

◆第4位:初めてのダミー本を作成して、出版社に送り続けたところ、15社に断られ、16社目でやっと採用される。(あきらめちゃいけませんね!)

◆第3位:大学でArtを専攻したものの、田舎の大学で学べる先生もおらず、図書館でひたすらアートの本を借りて、全ページ(!!!)ひたすら模写して独学で学ぶ。(いい先生がいないから~、環境が~、とか言い訳できませんね

◆第2位:13歳で両親から馬をプレゼントされ(農場暮らし)、手に入る限りの馬に関するあらゆる本(解剖学から何から)を全部読み漁り、馬の絵を描く。(13歳ですよ?ただ絵がうまいんじゃないんです。研究意欲がすごい!)

◆第1位:モーリス・センダックに感銘を受け、コールセンターで電話番号を調べて、直接センダック氏に電話をして、ダミー絵本の作り方を教わり、NYへ移住!


『かいじゅうたちのいるところ』で有名なモーリス・センダック氏ですね。これってすごいことですよね!例えていうならば、田舎の少女がいきなりタモリの電話番号調べて「芸能人になりたいんですけど、どうすればいいですか?」と聞くようなもの。私の絵はまだまだだから・・・とかそんな謙遜ナシ。ただただ絵本作家になりたくて、でもなり方が分からないから、自分が理想としてる人に直接聞いちゃった。す、すごい・・・。

ひたすら模写にもびっくりしました。そういえばエミリー・グラヴェットさんも同じこと言ってた(ちなみにエミリーさんは小さい頃魔女になりたかった)。人知れずのところで、ものすごい努力。けど、きっと好きなことだから彼女自身は、それを努力とも思っていなかったんでしょう。出会った先生も素敵で、中学の頃は理科よりもバーバラが絵に興味があると見てとった先生が、彼女にだけは生物を模写するという宿題にしてくれるんです。これぞ、真の教師だわ。バーバラもバーバラでね、ただうまく絵を描くだけでなく、骨格から生態系から全て調べ尽くしてから描くわけなので、自然と理科の勉強にもなっているわけです

こういう話を聞くと、つくづく、苦手なところを標準に持ってこさせるべく努力させるのではなく、好きな分野をひたすら伸ばしてあげるのがいいんだなあ、って思います。そして、才能とは努力の先、行動し続けた先にあるものだとも。好きなことだから、苦しい努力じゃなくて、努力を努力とも思わない楽しい努力(←ココがポイント)♪

そうそう、『どろんこのおともだち』に出てくるシャーロットの部屋は、バーバラさんの小さい頃の自分の部屋がモデルなんですって。ヘビだけは飼うこと許されなかったので、そこだけは憧れを反映させてるそうですが。絵本を描きたい人にとってはもちろんのこと、どの分野の人も“自分の好き”を追求していこうと励まされる、そんな素敵な講演会でした


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (なお)
2016-11-29 14:22:22
このブログでいい絵だなーと思って、「どろんこのおともだち」を娘と読んだところでした。バーバラさんの話、とってもいいお話だね。この人の前で言い訳はできないなあ!と大感心。
北海道のレポートも楽しく読みました。私も茂木さん好きです。くまさんみたいな茂木さん、喋り方も「ザ・賢い人」ってかんじじゃないのがいいなあと思います。貴重な経験いっぱいして充実してるね!すばらしい☆
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ありがと~ (Shino(管理人))
2016-11-29 21:44:52
なおさん、コメントありがとう!
「この人の前では言い訳はできないなあ!」という感想がなおさんらしい(^_^)
茂木さんね、何がおかしかったか、ってあの壇上に一人だけリュックとダウンジャケットをぐしゃぐしゃって床に置いちゃうの。誰一人壇上にそんなもの置いてないのに(^_^; 小学生男子か!?って隣席の人と思わずツッコミつぶやきました(笑)。
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