これで、小笠原日記も最後。
私たちはおがまるパックというパッケージで行ったので、そこと提携している宿から選ぶことになっていました。希望していたところは取れずで、今回あまり選択肢がなく、「エコ民宿」というキーワードが気になって選んだのがINNコウモリ亭さんです。
最初はベッド(必ず子どもたちが落ちる)なのと、二部屋に分かれてしまうので躊躇してたのですが、これが結果大正解!!!
子どもたちの喧騒から逃れられる別室のあるありがたみ(笑)。それが、こ~んなにも大きく自分のリラックス度に作用するとは思いませんでした。部屋を行ったり来たりで子どもたちも楽しそうで、息が詰まることなく実に快適♪“家族はやっぱり一部屋がいい”なんていうのは幻想♪これからの旅行は必ず二部屋にしよう!と心に誓った夏2016。
風が通り抜ける部屋はとても気持ちよく、シンプルで清潔なお部屋も快適。一度もエアコンを入れることなく、蚊に悩まされることもなく(ヤモリはいるけど)、湿気も少なくて洗濯物があっという間に乾くのがかなり嬉しい。
島生まれのオーナーの大介さんは、内地からやむをえず島に引き戻され、(長男だったため)宿を継がれたとのことでしたが、ホスピタリティにあふれていて、天職に見えましたよ~。食事も毎回工夫してくださって、三分づきのご飯がとおっても美味しかったです♪ 夫も子どもたちも次回も絶対コウモリ亭さんにする!と言ったくらい気に入りました。
ところで、宿の蔵書には、船井幸雄氏の本と日月神示の本がずら~り。オーナーのお父様の蔵書だそうで。うちのじいじと傾向が同じ(笑)。この手の本は私はあまり読まないのですが、これも何かの縁かと、あまりにも暇だったので、壮大な予言書を読んでしまいました・・・。これ、いままでのこと当たってるのよね・・・。感想は控えます。
あれだけのんびり過ごしていたのに、あっという間に帰る日が来てしまい、またもや24時間船の旅へと戻る我ら。
そうそう、おがさわら丸、この7月から新しくなったばかりなんです!なので、船内はどこもピカピカ。7年前、悪夢のような船酔いと大揺れの中、過酷すぎた灰色の階段は、カラフルなデザインに変わっていて、なんならスキップでもしちゃいましょうか~?ってくらい軽やかなイメージに。誰もいないとき見た展望ラウンジもなかなかいいじゃない、と思ったのですが、飲んべえたちでいっぱいになったら、ただの小汚い居酒屋と化しましたね。そして、食べ物は、やはり改善されていませんでした、残念!
さて、小笠原名物といえば、島総出の(!?)お見送り。今回はフラはなかったけれど、太鼓がドドンと鳴り響く。
・・・いない。来ると言ってたハズの大介さんの姿がな~い!「いないじゃん!!!」と怒る次男。でも、前回のお見送りを経験している母はピーンときましたよ。海か?海から来ちゃう???
そう、小笠原名物のお見送りは、船が併走してお見送りしてくれるんですね↓。
こんなに大事にお見送りされたら、誰だってじーんとしちゃいます。こみあげてくるものがあります。
そしてね、小笠原のお見送りは「いってらっしゃーい」なんです。こんな風に言われたら、また「ただいま!」って帰りたくなりますよね。
案の定宿のオーナー大介さんは船のほうにいました。
「だいすけさーーーーーーん!!!だいすけさーーーーーーん!!!」
大音量で叫びまくる次男&三男。大分沖に出ているのに、華麗にダイブしてくれました!
小笠原を離れ、厚い雨雲にも見舞われた後には、虹が・・・。
祝福された気分です。
帰りの船では星野道夫さんの『旅する木』(大好きなんです、この本!)を再読していたのですが、そこにこんな言葉がありました。
「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンパスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって・・・・・・その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」
自然が語りかけてきれくれた物語を聞いて、私は変わってゆけるのだろうか、そんなことを考えた船旅でした。