『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

小笠原の宿&新おがさわら丸

2016-07-31 21:26:15 | 旅行
 

これで、小笠原日記も最後。

私たちはおがまるパックというパッケージで行ったので、そこと提携している宿から選ぶことになっていました。希望していたところは取れずで、今回あまり選択肢がなく、「エコ民宿」というキーワードが気になって選んだのがINNコウモリ亭さんです。

最初はベッド(必ず子どもたちが落ちる)なのと、二部屋に分かれてしまうので躊躇してたのですが、これが結果大正解!!!
子どもたちの喧騒から逃れられる別室のあるありがたみ(笑)。それが、こ~んなにも大きく自分のリラックス度に作用するとは思いませんでした。部屋を行ったり来たりで子どもたちも楽しそうで、息が詰まることなく実に快適♪“家族はやっぱり一部屋がいい”なんていうのは幻想♪これからの旅行は必ず二部屋にしよう!と心に誓った夏2016

風が通り抜ける部屋はとても気持ちよく、シンプルで清潔なお部屋も快適。一度もエアコンを入れることなく、蚊に悩まされることもなく(ヤモリはいるけど)、湿気も少なくて洗濯物があっという間に乾くのがかなり嬉しい

島生まれのオーナーの大介さんは、内地からやむをえず島に引き戻され、(長男だったため)宿を継がれたとのことでしたが、ホスピタリティにあふれていて、天職に見えましたよ~。食事も毎回工夫してくださって、三分づきのご飯がとおっても美味しかったです♪ 夫も子どもたちも次回も絶対コウモリ亭さんにする!と言ったくらい気に入りました

ところで、宿の蔵書には、船井幸雄氏の本と日月神示の本がずら~り。オーナーのお父様の蔵書だそうで。うちのじいじと傾向が同じ(笑)。この手の本は私はあまり読まないのですが、これも何かの縁かと、あまりにも暇だったので、壮大な予言書を読んでしまいました・・・。これ、いままでのこと当たってるのよね・・・。感想は控えます

あれだけのんびり過ごしていたのに、あっという間に帰る日が来てしまい、またもや24時間船の旅へと戻る我ら
そうそう、おがさわら丸、この7月から新しくなったばかりなんです!なので、船内はどこもピカピカ。7年前、悪夢のような船酔いと大揺れの中、過酷すぎた灰色の階段は、カラフルなデザインに変わっていて、なんならスキップでもしちゃいましょうか~?ってくらい軽やかなイメージに。誰もいないとき見た展望ラウンジもなかなかいいじゃない、と思ったのですが、飲んべえたちでいっぱいになったら、ただの小汚い居酒屋と化しましたね。そして、食べ物は、やはり改善されていませんでした、残念!

さて、小笠原名物といえば、島総出の(!?)お見送り。今回はフラはなかったけれど、太鼓がドドンと鳴り響く。
・・・いない。来ると言ってたハズの大介さんの姿がな~い!「いないじゃん!!!」と怒る次男。でも、前回のお見送りを経験している母はピーンときましたよ。海か?海から来ちゃう???

そう、小笠原名物のお見送りは、船が併走してお見送りしてくれるんですね↓。



こんなに大事にお見送りされたら、誰だってじーんとしちゃいます。こみあげてくるものがあります。
そしてね、小笠原のお見送りは「いってらっしゃーい」なんです。こんな風に言われたら、また「ただいま!」って帰りたくなりますよね。
案の定宿のオーナー大介さんは船のほうにいました。
「だいすけさーーーーーーん!!!だいすけさーーーーーーん!!!」
大音量で叫びまくる次男&三男。大分沖に出ているのに、華麗にダイブしてくれました!

小笠原を離れ、厚い雨雲にも見舞われた後には、虹が・・・




祝福された気分です
帰りの船では星野道夫さんの『旅する木』(大好きなんです、この本!)を再読していたのですが、そこにこんな言葉がありました。

「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンパスに描いて見せるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって・・・・・・その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」


自然が語りかけてきれくれた物語を聞いて、私は変わってゆけるのだろうか、そんなことを考えた船旅でした。

小笠原ネイチャーツアー

2016-07-30 23:42:58 | 旅行


小笠原に来て、子どもたちのペースに合わせて行動していた毎日でしたが、一日だけはどうしても譲れん!母の願いに付き合ってもらいますよ、と渋る家族をネイチャーツアーに強制参加させました~。私の希望も通さなければ、きっと後で私に不満が残る。ここは譲りませんよ~。
ところで、彼らはなぜ渋るのか。夫も子どもたちも、人の決めたスケジュールで行動するのがいやな人種なんですね~

でも、ネイチャーツアーは外せないんです!!!だって、自分たちだけじゃ分からないこと、気づかないことだらけで、学びが毎回とっても大きいから

ネイチャーツアーがありすぎて、どこを選んだらよいのか分からない小笠原。今回は昔小笠原に一年間滞在していたという自主保育仲間のAさんがおすすめしてくれた、小笠原探検隊ONEさんというところにお願いしました♪

いや~、強制参加させてよかった。小雨がパラついていたので、これ自由時間にしてたら部屋でダラダラ過ごして終わりだったかと思います。森の中なら小雨は全然入りこまず、もう苔の美しさにウットリです。ふかふかの緑のお布団、これ小人がいないほうがおかしいでしょ!?↓



最初はぶーぶー文句を言ってた長男&次男でしたが、森へ入れば水を得た魚・・・?森だから土を得たミミズ・・・?楽しそう♪ウンチク好きな次男はガイドの石井さんの腕を放さず質問攻め。好奇心旺盛というか慣れ慣れしいというか・・・。途中、巨大なガジュマルの森に遭遇しました。まさに天然アスレチック!写真で迫力伝わるでしょうか?ちょこんと写ってるのが身長140㎝の長男ですよ~。↓



小笠原はガイドさんとしか入れない山もあり、トップの写真は笠山という山の頂上からの景色。実は私は、視界くっきりの晴天よりも、こんなどんよりした風景のほうがゾクッとするんです。あの霧の向こうに見えない風景が広がってるんだなあ、と思うと何とも言えず敬虔な気持ちになるんですよね。
笠山は結構ゴツゴツした岩山でしたが、さすが自主保育で毎日鍛えてる三男!私よりひょいひょいと登っておりました

そして、午後は海のツアーへ。船酔いのひどい夫と次男はかなり渋っておりましたが、強制的にGO(鬼嫁&鬼母)。24時間かけて次いつ小笠原に来るか分からないんですもの、やはり一度は行ってみたい南島へ↓。



南島は、東京都認定の自然ガイドの同行、定められたルート以外は立ち入り禁止、1日あたりの入島人数は100人まで、上陸時間は2時間以内など厳しいルールのある島。自由度が少ないので、ちょっと不満げな子どもたち。でも、こんな景色ほかでは見れない!!!まさに楽園でした・・・鳥たちの



オナガミズナギドリやアナドリが卵をあちらこちらで卵を温めているんです。驚かせてはいけないので、そおっとそおっと通る。人間のほうが“お邪魔させてもらってる”という感覚がとってもいいです!人間中心の現代人が忘れがちな感覚ですよね。写真はオナガミズナギドリが卵を温めているところなのですが、見えるでしょうか?拡大すると見えるかも。

ああ、これアーサー・ランサムのシリーズに出てくるカラム兄弟のディックだったら夢中になって喜ぶんだろうなあ。全然興奮していない我が子たちにガックシ。しかーし!子どもはどこに記憶が残ってるか分からないものなのです。すぐに反応しなくたっていいんです。翌日公園で遊んでいたとき木のうろに枯れ葉を集めて敷き詰め、オナガミズナギドリそっくりの黒ずんだ流木を中に入れ、泥団子の卵を作って、南島で見た場面を再現してたんです。これにはビックリ

盛りだくさんのツアー、最後は長男が超超楽しみにしていたシュノーケリング!!!と、そこへ向かう途中で素晴らしいギフトがあったんです~
なんとなんと4~5頭のイルカたちに遭遇し、かなり間近まで来てくれました。あ~、どうしてイルカって見ているだけであんなに幸せな気分にしてくれるんでしょう。ほーーーーーーーんとにかわいいっ。予定になかったのに、しばらく眺められて本当にラッキーでした。ありがとうございます、とじーんとしました



そして、長男念願のシュノーケリング。こんなウミガメが見れたそう♪兄島海中公園(キャベツビーチ)と呼ばれているところ。ボートの揺れですっかり眠くなった三男は陥落で魚一切見ず。長男と同様めちゃめちゃ楽しみにしてたハズの次男も勇気が出ずで、海へ入れず。まあ、船の上からでもかなり見れたのでそれで満足してしまってました。海へ入ったらこ~んなだったのにね。ご満悦の長男さま。↓



渋ってた人たちが、なんだか一番大満足したネイチャーツアーでした。ONEさん、ありがとうございました!!!


小笠原日記&クイズ

2016-07-26 16:41:00 | 旅行


またまた、み~んなお昼寝タイムに入ってしまったので更新。

ノープランでガイドブックすら持たずに来てしまった小笠原。ほかの人から見たらずいぶんと無駄な時間過ごしてる家族に見えるんだろうな~。視点を変えれば時間に追われない贅沢な時間。まあ、全て気分次第で動く子どもたちに正直イラッとくることもありますけどね

子どもたちはなんというか無欲というか宿の近くの浜で十分満足。しかも、あまり泳げないので波打ち際でちゃぷちゃぷしてるだけ、なのに何時間も過ごせて、帰りたくなーい!って言ってる子どもたち、ある意味スゴイ

今回の宿は扇浦という地区にあって、宿もいくつか固まっている地域なのですが、海岸はもはやプライベートビーチ状態。たまに一組、二組姿を見せてもみなさん長居せず、気づくとまた我が家だけ。



今日は場所を変えてみよう!と宮ノ浜というところ(ココ↑)まで行ってきたのですが、やはりだ~れもいなくて、我が家のみ。もはや無人島状態・・・。みなさま、いずこへ~!?あれ?シーズンよね???ちょ、ちょっと寂しいかも。

みなさんボートとかに乗って沖でダイビングをしたり、近隣の島へ行ってる模様です。それにしても、地元っ子も姿を見ないなあ。あんまり沖へ出ないので、せっかくのシュノーケリングスポットでもあまり多く魚は見れず。それでも南国ならではの色鮮やかな魚が8匹ほど見れて、子どもたち大興奮。母はなんだか雄大な露天風呂にでも入ってるかのような気分でございました

子どもたちが夢中になって泳いでる(ちゃぷちゃぷしてる)間、母はこの景色を見てある物語に入りこんでいました。↓



宮ノ浜の入り江は波も全くなく、まるで湖のよう。まるで、あそこの湖水地方みたい・・・さて、クイズです。どこの湖水地方&何の物語でしょうか?

ヒント:子どもたちの夏休み、湖水地方、招かざる客、11

読んだことがある人にとっては、簡単すぎる出題かも。今回の長旅のお供に持ってきた本です。面白くてあっという間に読み終えちゃった。答えは明日書きますね~。





船からの日の出

2016-07-25 16:45:18 | 絵本
 

えーっと、ワタクシ朝が弱くてですね、日の出って素晴らしいんだろうなあと思いつつ起きれないタイプでございます。海まで徒歩10分のところに住んでいながら、初日の出に関しては、毎回大晦日に夜中の2時、3時くらいまでご近所さんたちと飲んでしまうため起きれたためしナシ

でも、今回は!24時間小笠原行きの船の旅、酔い止めのせいもあってか、日中も寝てばかりいたので早朝夫に起こされたときは珍しく起きれました!!!

雲がたくさん出ていて、いわゆるバッチリな日の出ではないのですが、個人的には雲にかかる日の出のほうが好きで。陸の上から眺める日の出と、海の上から眺める日の出はまた一味違いました。その壮大な光景に、とても敬虔な気持ちになる。私は特定の宗教は信仰していませんが、このような光景を見ると逆に神がいないだなんてどうしても思えなくなり、どの国でも太陽や月が生まれた神話が創られるのが分かる気がします。

人間なんて、なんてなんてちっぽけな存在なんだろう!

吸い込まれそうです。海、空に自分も溶け込んでいきそうな気がしてきます。

大学時代ニュージーランドに1年間交換留学していたことがあるのですが、そのときマオリ文化の授業で、子どもが読むような絵本を大真面目に授業で講義してたのにびっくりしたんですよね。当時は“子どもの本”って思っていて大人が読むものだとは思っていなかったので。その絵本とは、いかにして太陽と月が生まれたかの神話。
今なら分かるんです。大地に根差して生きていればそれらがとっても自然なものとしてすーっと受け入れられるって。自然と切り離された生活をしていた頃には「作り物」と思ってた物語たちが今は「真実」と思えます(「事実」ではなく、「真実」ね)。

大地と共に生きている人たちの間には必ずといっていいほどこういった物語が生まれますが、以下はボリビア・インディオの昔話。↓



『太陽と月になった兄弟』秋野 靭子著・絵 福音館書店

まだ太陽も月もなかった頃のお話。人々が困ってるところに、勇気を持った兄弟が村人を救うのですが、村人から集めた矢を次々に放ち、それを一本の綱のようにして空へ登っていく様は圧巻です。

以前紹介した『クリシュナのつるぎ』を描いた秋野不矩さんの長女が秋野靭子(ゆきこ)さんなんですね~。母がインドの大地に魅せられたのなら、子どもは南米の大地に魅せられたのかあ。

さて、小笠原ではの~んびりノープランで過ごしてます。子どもたちは遊び疲れ爆睡中、夫はトレランに出かけてしまい、読書三昧にも飽きたので、そうだブログ書いちゃお~っと、と書いてしまいました♪
また暇だったら更新しまーす。


『オリビア バンドをくむ』

2016-07-22 22:32:33 | 絵本


先日は鎌倉花火大会。超穴場の稲村ケ崎の海岸から見ました~。穴場も穴場のハズ、なんてったって一部しか見えませんからね

でも、席取りが必要なくて、ぎりぎりまで子どもたちが海岸で遊び、花火が打ちあがるたびに音と同時に橋からジャンプしたり、駆けまわったり、実に自由。5家族くらいで一緒に遊んでたのですが、楽しかったな~。男子たちは当然帰りたがらず、花火が終わってもひたすらみんなで懸命に穴掘り。その後ろ姿はまるでウミガメの産卵!?すっごくいい幼少期を過ごしてるな、と心底うらやましくなりました。気も腰も重かった花火大会でしたが、こんな楽しいのなら大歓迎

さて、花火の絵本もいくつかありますが、花火を見るのに私のイメージにぴったりなのが、コチラ↓


『オリビア バンドをくむ』イアン・ファルコナー著 谷川俊太郎訳 あすなろ書房

そう、花火ってぎゅうぎゅうの人混みで見るのではなく、遠くからでも自分たち以外に人がまばらなところでの~んびり見たい派なんです。サンドイッチ作ってネ。

この絵本に出てくる子ブタのオリビア、花火にはバンドがつきもの!って一人でブラスバンド隊を作ろうと画策します。それはもうドタバタでおっかしいの。これね、たいていのお母さんならイライラしちゃうと思います。そんなことやってたら出かけられないでしょ!散らかさないで!!!ムッキーってね。でも、オリビアのママは「ちゃんと片付けるのよ」とは言うけれど、なんだかおおらかでいいなあ。夏の思い出の一ページがまた出来ました♪

さあて、明日からは小笠原!The☆24時間船の旅~
以前行ったとき、死にそうな船酔いになり、なかなかもう一度行くという気持ちになれなかった夫&私。が!!!子どもたちに見せたい景色がいっぱい!なので、いってきまーす