昨日、近所の高校の入学式だったようで
晴れやかな親子さんにたくさんすれ違いました。
初々しい制服姿もですが
ご父兄の装いにも目が行きました
お母さんがたはコサージュをつけたり
スーツをばちっと着こなしたりして
きっと年齢的には私よりお若いお母さん方なんでしょうけど
素敵だなぁ、かっこいいなぁとチラチラ横目で見てました。
そんな時お一人だけ着物の方をみかけました。
そこから私の「そういえば・・・」が始まりました。
そういえば
私が中学、高校、大学と卒業・入学が数年ごとにあったころ
式には母に参列して欲しいと思っていました。
これはマザコンの私の願いでした
なんというか、私の節目を母に見てもらいたかったという感情ですかね。
しかもそんな時、母には着物を着て来てほしかった
特に、中でも百人一首のような柄の着物、
平安時代のお姫様やお殿様、和歌みたいな文字が織り込まれていた着物。
私はその着物が大好きで、それを母に着て欲しかったし
しかも自分の晴れの時に自分の為に着て欲しかったんですね
しかし！！！
実は卒業・入学の春の時期は
保育園で園長をしていた母にとっても
行事としてそれらがあり
日程も重なってしまって
ほぼ毎回、保育園優先で
私の方には来てもらえませんでした
そこは私も「仕方ない」と理解できていたので
じゃあ、次の時に日にちが重ならなかったらお願い、
次こそは、次こそは・・・で
結局願いは叶えられませんでした
私は、母がその着物を着た姿を見たこと、あったのかな
そもそも何回母はその着物に袖を通したのか・・・。
そして母が亡くなった時、
棺の中の母に何を着せるか？というシーンで
（その時は病院で着させてもらっていた入院服を着てました）
親戚が私に好きなのを選びなさない、と言ってくれました。
そこでひらめいたのが、例の百人一首の着物でした。
母に着て欲しいと思っていた着物を
今、母に着てもらわねば！との思いでした。
その時の祖母の顔が忘れられません。
「え？これ？」という顔でした。
着物の多くは祖母が見立てて買ってくれていたもので
その柄を娘（私の母）に選んでくれていた訳で
金額も知っていますし、思いも私より強いものがあったのかもしれません。
でも「あんた（私）がいいならそれでいいよ」という表情に変わりました。
仮に賛成してくれなくてもその時の私は我を通したことでしょう。
棺の母にそれを被せ
・・・知りませんでしたが
亡くなった人に着物をきせる、といっても
上からかけるだけなんですね。
実際に袖を通すことはしないとは知りませんでした。
結局、肩まで着物はかかっていますが
首のあたりから例の入院服も見えていました。
着させたというより上に乗せた、ぐらいで・・・。
そして時がたち
母が亡くなってから二十数年、時々しか母の夢は見ません。
夢に出てきてくれると嬉しくてほんわかとした気持ちになります。
そして！！！
一回もアノ着物を着ている母は夢に出てきません
大好きだったあの着物
今となっては燃やしてしまわない方が良かったのか？
手元に置いておいた方が良かったのか？
・・・など
考えたりする今日この頃
