はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

「八朔の雪  みをつくし料理帖」

2012-09-10 00:21:42 | 記録:歴史・時代劇

先日、青春きっぷでの宝塚遠征で読んだ1冊なんですが…
はぎおにしては珍しく、車内でどっぷり世界にはまっちゃって、周囲の乗客や雑音を忘れ、泣きそうに

 

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)
高田 郁

角川春樹事務所

 

Amazonだったか、「時代小説SHOW」というサイトだったかで紹介されていて、購入はしていたものの、またしても山積みのまま未読だったのですが…
偶然見た北川景子さんのブログでこの作品がドラマ化されると聞き、慌てて読んだ次第

 

ちなみに内容はこちら↓(ネタバレです)

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。(Amazonより)

 

カッコいい武士や忍者が活躍するような「時代活劇」ではなく、名もない市井の人たちの日々の生活。
それを料理を通して描いているというところが興味深かったです。
しかも、江戸が舞台でありながら、上方出身の女性料理人が主人公。
当時の江戸では、「女性」というだけで料理を食べてもらえない。そんな厳しい社会。その設定だけでもドラマがあるのですが、まだ10代の主人公澪の半生が過酷で。

 

易者に

「雲外蒼天」の相

があると言われた澪。意味は

困難を乗り越え、努力して克服すれば快い青空が望めるという意味。絶望してはいけないという激励の言葉。 (四字熟語データバンクより)

雲の上には青い空が待っている、ということですが、その雲がとてつもなく厚くて晴れそうになりかけてもまた更に厚い雲で覆われて大雨が降るようなそんな澪の人生

江戸の人たちも悪気があるわけじゃない。
職人気質で、見栄っ張り。日々を必死で生きてるからこそ本音をいうもんだから、上方出身の彼女も戸惑うことが多い。
度重なる苦難にへこたれそうになりながらも、周囲の叱咤激励、また、工夫した料理で乗り越えようとする彼女の姿は、本当に健気で…
苦労続きなのに、素直で明るくて、ひねくれてなくて。そんな彼女だから読んでる方もついつい肩入れしちゃくなります

 

料理の苦手なはぎおでも多少はわかる東西の味の差
この当時からはっきりしていて、だしの取り方一つにしてもそうですが、一番驚いたのは

ところてん

でした。
西日本は酢醤油で食べますが、関東は黒蜜で食べる理由を初めて知りました…

 

彼女を取り囲む人々も、なかなかの苦労人ばかり。
だからこそ、支えあって励ましあって一生懸命生きている姿に感動…
そこに辛口批評家の謎の武士や、こちらも何かありそうな優しい医師、大阪時代の店の女将、現在の店の気のいい主人…まだ1巻を読んだだけですが、魅力的な登場人物がたくさん出てきます。

 

先日ご紹介した

「深川澪通り 木戸番小屋」

もそうですが、苦労を重ねて今を必死に生きている人たちの日常を描いた作品が、心に染み入るようになりました。
もちろん、殺陣の豪快な捕物帳とか、戦国ものとか、幕末とか、男性が活躍するものも大好きですが、最近女性が主役のものにも興味が(「御宿かわせみ」とかね
結局ね、友情とか家族愛とか、人情話が好きなんですよ素敵なドラマが、今の人たちでも共感・感動できるんですよね。

 

 

さて、ドラマの方ですが、テレ朝のホームページのキャストを見ただけで「イメージどおり」と直感。(北川さんが原作の印象よりキレイすぎるけど
あとはどういう演出で、原作をどれだけ生かしているか、はたまたオリジナリティ満載なのか、期待と不安でまちきれません~
(最近こういうパターン、多いね


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4 コメント

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Unknown (エクスカリバー)
2012-09-17 21:52:55
はぎおさん的にはイメージ通りのキャスティングなんですね。
いや、自分がお邪魔している何人かのブロガーさんからは、肯定的な意見が全然聞かれないものですから・・・(苦笑)。
さて、読んでから見るか、見てから読むか。
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Unknown (はぎお)
2012-09-17 22:16:12
>エクスカリバーさん
こんにちは。

まぁ、原作があるものは、ファンのイメージどおりって訳にはなかなかいかないでしょうねぇ(;^_^A
正直、主役の北川さんが美人過ぎる印象^m^で、彼女を見守る謎の浪人役の松岡くんもちょっと違うかな??大杉さんも若すぎるし…
言えばキリがないですが、「銀英伝」同様、別物感を持って楽しんで見たいと思ってます♪
案外「見てから読む」方が、ガッカリ感がないかも?
返信する
わあ (カタリーナ)
2012-09-18 22:34:13
情報ありがとうございます。
ドラマ化されるなんて知りませんでした!
キャストは私のイメージからは随分離れてる気がします。(笑
澪はどっちかっていうと蒼井優ちゃんとか、
つるやの主人ももっと小柄なおじいさんを想像してましたしねー。
小松原も松岡くんだとかなり甘いような。
私はもっと無表情っぽい人をイメージしてました。
私はあんまり役者さんにこだわりがないので気になりませんが、
ここまで自分のイメージと違うことってあまりないので、
逆に見るのがとても楽しみです。
脚本は吉田さんですかー。
Wiki見たら、吉田さんのドラマはもう10年以上見ていないことに気づきました。
前は気が付くと吉田さんだったんですけどねえ。(苦笑
返信する
Unknown (はぎお)
2012-09-18 22:50:21
>カタリーナさん
こんにちは。

>澪はどっちかっていうと蒼井優ちゃんとか

そうそう、彼女のイメージですね~北川さん、美人過ぎちゃって(褒め言葉ですよ)

>つるやの主人ももっと小柄なおじいさん

笹野さんとかのイメージですよねぇ…
でも大杉さん好きなので赦しちゃう^m^

今まで、はまった原作が映像化されてガッカリしたこと、何度かあります。
今回もイメージは違いますが、脇を中心に好きな役者さんがたくさん出てるので、私も逆に楽しみですね~

後は、脚本と演出にかかってる??
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