はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

全員主役? ミステリー「開幕ベルは華やかに」。

2024-03-22 08:05:06 | 記録:刑事ドラマ・サスペンス

CSで時々放送され、かいつまんで見てましたが、今回じっくり拝見。
有吉佐和子さん原作、商業演劇のバックステージとミステリー、人間ドラマが入り乱れた、見ごたえのある作品でした。

開幕ベルは華やかに

ファミリー劇場HPより

 

相変わらず、映像先行、原作は読んでいません。
原作にどれだけ忠実かわかりませんが、キャスティングだけでも凄すぎて。

浅野温子、風間杜夫、加藤治子、北村和夫、有森也実、辰巳琢郎、長門裕之、小野武彦、斎藤晴彦、石丸謙二郎(敬称略)
他にも、サスペンスや名作ドラマでお馴染みの、見ている側も思わず笑みがこぼれそうなメンバーたち。
新劇界、小劇場出身の、主役級の方たちの競演。

ストーリーはこちら↓
劇作家・小野寺ハル(浅野温子)はある日、わずか1ヶ月後に迫った舞台の脚本を引き受ける条件として、演出家に元夫の渡紳一郎(風間杜夫)を指名する。内容は清朝の王女として日本と中国を駆け巡った川島芳子の物語で、主演は大女優の八重垣光子(加藤治子)。だがそんな折、映画会社に「八重垣光子を出すな」という脅迫電話がかかってくる・・・。(ファミ劇HPより)

 

一昔、二昔前の、良くも悪くも華やかなりし時代の芸能界の裏側の一部が垣間見え、いわゆる「スター」たちが、雲の上の存在だった、その最後の時代。自由奔放なスターの裏で、翻弄されるスタッフ・関係者たち。この作品に限らず、実際に多かれ少なかれあったんだろうな・・・と想像ができてしまう。
今では多分「時代錯誤」かもしれないけど、なんか、人間同士のドロドロした愛憎といいますか。
生きる、のし上がるって、キレイごとではない、ということを、サスペンスを背景に、見事に描かれてました。

それに、戦中・戦後を生き抜いてきた人って、やはり今の時代とは生き方が違う。
良いか悪いかは別として、真似できないよねぇ。

 

登場人物も、実在のモデルが思い浮かぶような、そんな感じ。
大女優役は恐らく、先代水谷八重子さん、共演の歌舞伎役者は十七代中村勘三郎さん、と思われます。
それを、加藤治子さん、北村和夫さんという、稀代の俳優さんが、楽しんで演じられているように見えました。
主人公は、脚本家の浅野温子さん、演出家の風間杜夫さんなのですが、先輩たちが全部かっさらってしまうほどの、存在感。
今でこそベテランの脇役の皆さんも、まだまだ若手、という感じで微笑ましく。

ミステリーとしても楽しいのですが、演劇上演の舞台裏がイキイキと描かれています。
稽古場風景、上演当日の騒動、制作会社と劇場、役者との関係性・・・などなど。


そんな様々な背景を織り交ぜつつ、ほぼ劇場内でストーリーが展開する「密室劇」。
セットではない、本物の劇場を使っているのが「リアリティ」を感じます。
ラストの犯人の独白が、普通のサスペンス同様ちょっと長尺かな?と思いつつ。
どのキャストも、当て書きのようなハマりっぷり。
普通の「事件解決」とは一味違う、そこは有吉さんが描く「人間ドラマ」でした。
制作は20数年前ですが、お芝居好きなら見ごたえ十分、ミステリー好きにもたまらない、佳作だと思います。

すでに亡くなった方も数多く。
そういう意味でも、貴重な作品かもしれません。


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