Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

2012.04.19 八木寿子モーニングコンサート批評(No.2041)

2012-04-19 23:32:40 | 批評

己(おのれ)を知り尽くし、曲を知り尽くした 八木寿子 関東コンサートデビュー!


 実は私高本は八木寿子の「ソロリサイタル」を聴くのは、この日が初めてであった。「日本ドイツリート協会夏期講習会修了演奏会」と言う名の「ジョイントコンサート」の「トリ」を務めた演奏を聴き、その後はいきなり「2回のオーケストラ伴奏」を聴いた。ここで小さな声で呟くと、「八木寿子が東京音楽コンクールで確実に優勝する!」とは事前には察知できていなかったので、公開2次予選は聴きに行かなかった。う~ん、やっぱ「猫頭」だわ(涙


 この日、

八木寿子が来場頂いた聴衆の皆様に「聴いて欲しかった!」演目 = シューマン「リーダークライス作品39全曲」


 東京文化会館の告知はチラシからホームページ全般に亘り、当日までこれのみだった。そして、前日に、猫頭=私高本 が「八木寿子のシューベルトに期待する」なんて文章を書いたが、公演を聴き終えて最も感銘を受けたのは、やはり『シューマン:リーダークライス作品39全曲』だった。プログラムのトリに置かれた曲だが、これから書く。

シューマン「リーダークライス作品39全曲」の八木寿子は、『曲の表現内容』『自分=八木寿子の声質&響く声域』『伴奏ピアニスト=越知晴子 の得意』全てを掌握した演奏!


だった。サン=サーンス も シューベルト も素晴らしかったのだが、このシューマンは「さらに上の世界」を聴かせてくれた。

  1. 各曲の「言葉のニュアンス」を細やかに表現しながら


  2. 朧げにしか見えない(← 私高本の「猫頭」のせいか?)アイヒェンドルフの「詩の全体像」が『異国』などの共通語などで「赤い糸で結ばれているか!」のような歌唱


  3. ピアニスト = 越知晴子 の「それまでとは全く違った リズム感 & アーティキュレーション の明確さ」



が浮かび上がって来た。私高本は、シューマン歌曲も好きであり、「フィッシャー=ディースカウ + エッシェンバッハ 全集」とか「グレアム・ジョンソン全集」は愛聴している。ジョンソン全集では「ソプラノ = Kate ROYAL」が歌っている。それぞれ味わいのある演奏である。どちらも現役盤なので興味ある方は聴いて欲しい。

『八木寿子 + 越知晴子 の演奏』は、『フィッシャー=ディースカウ + エッシェンバッハ』や『ロイヤル + ジョンソン』を遥かに上廻る演奏だった!!!


 この曲集はこれほど素晴らしい曲だったのか! 私高本は、この日初めて「八木寿子 + 越知晴子」に教えてもらった。

信じられないほど「ノンペダルが続く 越知晴子 のピアノ」の上に、『フォルティッシモが充分に出る 八木寿子 が「絞ったピアニッシモ」を囁く』で紡ぐ!


だった。
 終演後、「東京文化会館モーニングコンサート」では珍しい「ブラヴォー喝采」が来て、アンコール。「何が来るの?」と思っていたら、シューマン「献呈」。これも心に染み入る名演だった。


 2年続きで『岡原慎也の弟子のシューマン:リート伴奏の超名演』を聴かせてもらった > 岡原慎也当人よりも素晴らしい演奏で!(ん?、また 何かマズいこと書いたか?)

 法貴彩子 に続いて、越知晴子。何と素晴らしい「シューマン歌曲」なんだろう! 私高本の「シューマン歌曲のCD」は多くは無いことは認める。だが、「DG全集 + ジョンソン全集」よりも素晴らしい演奏を聴かせるピアニストをそんなに簡単に輩出できるモノなのだろうか? 単に確率で「岡原慎也門下」にバクチのように集まったのだろうか? 私高本は猫頭なのでワカラン(泣


 前半の名演についても書かなくてはならない。サン=サーンス も シューベルト も素晴らしかったのだから。

東京音楽コンクール「本選」選曲中『八木寿子が最も信頼を寄せていた曲 = サン=サーンス:「サムソンとデリラ」から「あなたの声に心は開く』を是非是非聴いて欲しい!!!


 これが「前半の核心」であった。確か(猫頭なので表記は正確には記憶していないが)私高本は、「こんな歌い方で言い寄られたら、サムソンならずとも、ポロッと秘密を漏らしてしまう」旨を書いた。私高本は「良い女」には弱いからなあ(また、マズいこと書いたか?)


  1. 昨年8月の本選「オーケストラ伴奏」演奏


  2. 今年1月の「披露演奏会」の「オーケストラ伴奏」演奏


  3. この日の「「ピアノ伴奏」演奏


  4. 全3回を比較して『最も「息」が合っていたのは、越知晴子のピアノ伴奏!』



だった。京都市芸術大学大学院在学時からの共演、とのこと。10年以上の息長いコンビである!(あれっ、八木寿子が「トーク」で隠そうとしていた「女性年齢」をバラしたか?)
 本選も披露演奏会も素晴らしかった上に「原曲がオーケストラ伴奏」なので、意外な上に、越知晴子 のピアニズムの素晴らしさには舌を巻くばかりである。何が良かったのか? さえワカラン(← 猫頭に突っ込まないで下さい!)


 八木寿子からは「目を離せない」。東京文化会館で開催される「フンパーディング:ヘンゼルとグレーテル」公演は(佐伯周子の「マーラー:子供の不思議な角笛から1899年版」全曲演奏会2回の谷間だが)必ず聴きに行く。九州、広島、東海地方での演奏会は聴きに行きたい心は満杯だが、「聴きに行く先立つ原資金」が足りるかどうか? は、妻に相談しないとわからない > ビンボーはしたく無いモノだ(泣

 「越知晴子 のシューマン」は是非是非聴きたい。ピアノソロでも!!!

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