圧倒的感銘を受けた 下野竜也指揮 キリシマ祝祭管弦楽団「ワルキューレ」第1幕
14年ぶりの「霧島国際音楽祭東京公演」となったコンサートだった。ロビーは「鹿児島郷土色てんこ盛り」だった。だが、
「地方オーケストラの東京公演」とは全く異なり、『東京のプロオーケストラ水準を越える一体感溢れる ワーグナー:ワルキューレ第1幕』
であった。マリインスキー劇場から招いた3名のソリスト = シマノヴィチ、ステブリアンコ、シムレーヴィチ の3名は「ワーグナー歌手」として、それは素晴らしい歌唱を披露してくれた!!! 感謝!!!!!
だが、それだけでは無い。
下野竜也指揮 の焦点の合った集中力が途切れない棒 + 霧島国際音楽祭参加の若いメンバーを加えたオーケストラが「同じ方向へ音楽を揃えた一体感
の賜物だ。コンサートマスター = ローター・シュトラウス を始めとする 弦楽器の「量感を維持しながら、繊細なピアニシモも紡ぎだして行く」のは、夏の音楽祭のオーケストラ とは感じられないほどだった。
満員の客席からは、ブラヴォーの嵐が注ぎ、拍手はコンサートマスターが礼をして去るまで止まなかった。尚、ベートーヴェン交響曲第1番(コンサートマスター:藤原浜雄)は、バッハ時代の「シンフォニア(序曲)」のようにワーグナーを聴き終えた後では感じられた。