ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

流れのある音楽

2016年09月02日 | レッスンメモ
ピアノのレッスンやコンクールの講評などで、「流れの良い演奏を!」とか、「もっと音楽の流れを感じて!」とか、言われたことがありませんか? これは曲の途中で引っかかったり、止まりそうになったりとか、そういうことではありません。とても良く弾いているのに、何だかちょっと前へ行かない感じ。演奏自体は一つ一つのフレーズを丁寧に扱って、一音一音をキチンと歌っている。それなのに、どうも、ところどころ音楽の流れが滞っている・・・、そんな感じがする演奏のことです。

これはどちらかというと、音楽的にデリケートに歌うことが上手なお子さんにありがちなように感じます。とても惜しいと思います。この音がとても大切と分かっていて、その音の響きをしっかり聴いている。しかしそれゆえに、少しテヌートがオーバーになって、その結果音楽が流れない。あるいは、フレーズの中の音楽を感じて歌うために揺れ過ぎてしまう。流れ重視で弾き飛ばすだけでは良くないということを、よく理解しているからこその悩みです。

拍をただ正確にメトロノーム的に刻んでいる演奏では、もちろん魅力はなくなります。だから、音楽を1拍ずつではなく1小節、4小節、そして大きなフレーズ、もっと大きなまとまりと、どんどん遠くから全体的にとらえ直してみましょう。そうして、音楽の「ため」の部分とさらさらと流れる部分のバランスや場所を考慮して、全体として音楽の流れがスムーズになっているかどうか、自分であれこれ試してみることが大切です。

答えが一つではない芸術、どんなふうに表現するか、どんなものに共感するかでその人の紡ぎだす音楽の流れが決まります。リラックスして、目を閉じて聞き入るような流れ、軽快でときにはハッとするような展開が待ち構えている流れ。作曲家の意図を踏まえて、楽譜からその音楽の流れを感じ取るセンスを磨きましょう。そうしてそこでつかんだ音楽を実際に音に出して思い通りに演奏して音楽の流れを作り出す。これが理想です。センスと技術の両方を磨いて流れのある音楽をつくりだしましょう!

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