デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



前回のダヴィッドの記事でフランス革命期の絵画をすべて紹介しようと思ったが、ダヴィッドだけで記事が埋まってしまった。


ポール・ドラロッシュ「殉教した若い娘」(1855)

ポール・ドラロッシュ(1797-1856)もナポレオンの勇姿を描いた画家の一人で、代表作として「ジェーン・グレイの処刑」という迫真性に満ち、かつ美しい写真のような作品がある。
「殉教した若い娘」のテーマは歴史にまつわるものの、それ自体は不特定な事件を扱っている。絵自体は、ディオクラティアヌス帝の頃のローマ時代に、キリスト教信仰を捨てなかった若い娘が手足を縛られて、ローマのテヴェレ川に投げ込まれ溺死する場面を描いているわけだが、写実性にすぐれた宗教画ともいえるし、背景が暗く蒼い水面に浮かび上がる娘の白い顔と衣装は、悲惨というよりも詩情すら感じさせる。
実はこの絵を見たのは二度目。一度は京都市立美術館にルーヴル美術館展が来たときだった。現地でもとても美しい絵だと思ったが、帰国後に絵について調べると、この絵は画家の最晩年に描かれ、描く前には妻に先立たれて悲しみにくれていたことや、病熱の際に見た幻影からスケッチを重ねていったのが、制作のきっかけや過程にあったのだという。作品を制作する前に画家は「私の作品の中で最も悲しく、最も神聖な作品になるだろう」と友人に書き送った。


プリュードン「西風にさらわれるプシュケ」

ギリシャ神話のアモルとプシュケの話しは、昔から多くの画家が好んで絵のテーマに取り上げたが、プリュードンも話しの序にあたる場面を描いている。
写真では不気味に写っているが、実物はとても官能的な絵だった。


フランス絵画の大作の部屋に、ヴィジェ=ル・ブランの「母と娘」もあった


他にも、レオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロ、カラヴァッジョ、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤらの傑作も見て感動したが、撮影禁止だったし、書いていったら膨大な量になるので端折る。だが、検索すれば「モナ・リザ」「洗礼者ヨハネ」「聖アンナと聖母子」「岩窟の聖母」「美しき女庭師の聖母」「聖家族」「冠の聖母」「バルダッザーレ・カスティリオーネ」「聖母の死」「占い師」などの有名絵画は、すぐに出てくるので、きっと「あっ、この作品知ってる!」というものもあるだろう。

それにしても、レオナルドとラファエロとカラヴァッジョの絵は密度濃かったにも関わらず、来館者の殆ど?が「モナ・リザ」に集っていた。私は以前の笑い話を検証したくなった(笑)。

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