デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



ブリューゲルの「バベルの塔」を原寸大の大きさに
するとしたならば東京タワーよりも高いことになる。

ブリューゲル「バベルの塔」展に行ってきた。
























非常に充実した展示内容だったが、非常に来場者も多い展だった。世間では子供たちが夏休みというのもあって更に来場者数が増えたのではないかと思った。
来場者数が多い故、ブリューゲルの「バベルの塔」だけは行列をつくるようになっていた。よって立ち止まって鑑賞することはできないものの、行列に並び直せばまたじっくりと見ることはできた(時間は浪費してしまうが)。
本当に緻密な絵だった。画家にとっては作品制作の依頼があって描いた作品かもしれないが、真剣に描いたものであることは間違いないと思った。
それにしても塔の建物だけでなく、建設の過程を描くというのは、並々ならぬものがある。レンガを焼く過程、16世紀の建築技術を細かく観察したうえでのレンガを塔の上層部に運ぶ過程、漆喰を上に運ぶ過程のみならず、すでに造り終えた地上階や1階に相当する下層部のレンガの色と上層部の建設中のレンガの色を異ならせていたり、窓枠のデザインを階層ごとに変えていたり(各々の時代の窓枠のデザインに)することで時間の経過まで表現されているとは...。
こういったことは外国でこの絵をじっくりと見れたとしても、美術館の中の多くの見るべき作品の一つとして埋もれてしまいかねない旅行中のある種の意識の散漫さのせいで、たとえガイドから説明があったとしても気づかないままであることが少なくないものだ。その点、今回の特別展は特定の作品の見逃したくない要素に気づかさせてくれるいい展だったように思う。
展には「バベルの塔」だけでなくブリューゲルの時代の版画や、ブリューゲルやその世代に影響を与えたヒエロニムス・ボスの作品も展示されていた。正直、どこか不安にさせる不気味さが残るものの、漫画も含めた現代のアートに非常に大きな影響を与えているんじゃないかと思えた。

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