デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



ストラディバリウス負けた!聴衆は現代製に軍配

私だってストラディバリウスか現代製かを聞き比べて分かるはずもないし、最後は自分の感覚や「好み」でどちらが聞いてて心地よかったかを決めるだろう。
記事を読んで、この実験とは異なるが、人間の感覚は時にアテにならんもの、環境や状況や条件によってはとんでもない間違いを自ら冒してしまうことを証明した実験を思い出した。
世間で評判の料理店を網羅し、料理を味わう自分の舌に自信を持っている数人の一般人を被験者にして、被験者が日本で有名な屈指の料理人が暖簾の奥からお盆に乗せて持ってきた素朴な家庭料理を口にすると、普段食いなれているような家庭料理でも「味」や「舌触り」や「歯ごたえ」の違いを見つけてしまい、誰彼もが手放しで料理を絶賛する様子を観察する実験である。
もちろん被験者に出された料理は一般家庭の主婦が作った卵焼きや煮物なのだが、「日本で屈指の料理人が暖簾の奥から運んできた」ことがその料理を何倍も美味しくして、被験者に絶品!と言わしめたのだ。性質の悪いイタズラ、ドッキリに近い心理実験の一例だが、いかに人間が前提や主観や思い込みに惑わされやすいか、自分で自分を騙すことを容易くやってのけるかを示した好例ともいえる。
その点、このバイオリンの実験はストラディバリウスを聞けるから演奏会に行くという人によるものではなく、真摯にバイオリンの音に聞き入った人々によって、楽器の製作について現代もそれなりに進歩していることが示された可能性が高いという意味で、建設的なもののように映るように思う。

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