以前どこかのテレビ番組で簡単な手術で痴呆が治ると流されていたのがこの特発性正常圧水頭症です(idiopathic normal pressure hydrocephalus=iNPH)。
本症例が最初に報告されたのは1965と古く、わが国でも20年ほど以前には、シャント有効例を選び出す診断法が確立されないままに安易にシャント術がなされ多くの手術無効例を生み出した結果、本症は次第にこころみられなくなったという不幸な歴史があるそうです。
髄液が流れすぎることによる硬膜下血腫、また異物を体に入れる手術であり感染等の合併症は決して少なくなく適応症例は慎重に選択したいものです。
今月号の脳神経外科ジャーナルで特集が組まれていましたので読んでみました。
痴呆・歩行障害・尿失禁が3兆です。
最近うちのおじいさんがおかしくなってきたと外来にかかられたら、
頭部CTを施行するのは当然として(慢性硬膜下血腫や脳卒中を除外)
頚動脈狭窄など慢性脳循環不全やこの特発性正常圧水頭症など、
外科治療にて治る可能性のある疾患を除外していかなければいけません。
MRIの冠状断にて、大脳円蓋部が頭蓋骨に押し付けられているように脳溝が狭小化している一方でシルビウス裂が著しく開大しているのが特徴です。
ずっとV-Pshuntを入れるもんだと思っていましたが、L-Pを選択しても良いのですね。お年寄りの頭に穴を開けて皮下通しというのは・・・。あんまり変わらない様な気がしないでもないか。ただL-Pも腰椎症を持っておられる方や褥瘡ができそうなADLの方にはちょっと待ったということで。
ちなみに僕L-Pは2回しか入れたことがありません。
しかも外来が忙しくて指導医がたまに顔を出すぐらいでした。
こういった顕微鏡を使わない手術って意外と教科書が無くて困るのですが、
こんな本がありました↓
こんな本もあります↓
少し古い論文ですが↓画像診断に関してです。PUBMEDからfreeでもってこれます。
CSF spaces in idiopathic normal pressure hydrocephalus: morphology and volumetry.
Kitagaki H, Mori E, Ishii K, Yamaji S, Hirono N, Imamura T.
Neuroimaging Research and Radiology Service, Hyogo Institute for Aging Brain and Cognitive Disorders, Himeji, Japan.
本症例が最初に報告されたのは1965と古く、わが国でも20年ほど以前には、シャント有効例を選び出す診断法が確立されないままに安易にシャント術がなされ多くの手術無効例を生み出した結果、本症は次第にこころみられなくなったという不幸な歴史があるそうです。
髄液が流れすぎることによる硬膜下血腫、また異物を体に入れる手術であり感染等の合併症は決して少なくなく適応症例は慎重に選択したいものです。
今月号の脳神経外科ジャーナルで特集が組まれていましたので読んでみました。
痴呆・歩行障害・尿失禁が3兆です。
最近うちのおじいさんがおかしくなってきたと外来にかかられたら、
頭部CTを施行するのは当然として(慢性硬膜下血腫や脳卒中を除外)
頚動脈狭窄など慢性脳循環不全やこの特発性正常圧水頭症など、
外科治療にて治る可能性のある疾患を除外していかなければいけません。
MRIの冠状断にて、大脳円蓋部が頭蓋骨に押し付けられているように脳溝が狭小化している一方でシルビウス裂が著しく開大しているのが特徴です。
特発性正常圧水頭症診療ガイドラインメディカルレビュー社このアイテムの詳細を見る |
ずっとV-Pshuntを入れるもんだと思っていましたが、L-Pを選択しても良いのですね。お年寄りの頭に穴を開けて皮下通しというのは・・・。あんまり変わらない様な気がしないでもないか。ただL-Pも腰椎症を持っておられる方や褥瘡ができそうなADLの方にはちょっと待ったということで。
ちなみに僕L-Pは2回しか入れたことがありません。
しかも外来が忙しくて指導医がたまに顔を出すぐらいでした。
こういった顕微鏡を使わない手術って意外と教科書が無くて困るのですが、
こんな本がありました↓
エキスパートに学ぶL-Pシャント入門メディカルレビュー社このアイテムの詳細を見る |
こんな本もあります↓
![]() | 認知症を「手術で」直す男―L‐Pシャント手術の先駆者として悠飛社このアイテムの詳細を見る |
少し古い論文ですが↓画像診断に関してです。PUBMEDからfreeでもってこれます。
CSF spaces in idiopathic normal pressure hydrocephalus: morphology and volumetry.
Kitagaki H, Mori E, Ishii K, Yamaji S, Hirono N, Imamura T.
Neuroimaging Research and Radiology Service, Hyogo Institute for Aging Brain and Cognitive Disorders, Himeji, Japan.
もやもや病の出血症例で水頭症の症例で頭蓋を穿刺するのが怖かった症例、NPH1例、あと2例は忘れました。
ご指摘のようにNPHの場合、シャントが有効かどうか腰椎ドレナージをして改善するかをみるという方法もありましたが、アメリカでは考えられません。日本ではまだ術前評価でやっていますかね?
後頭蓋のhemangiopericytomaの手術を2回、術後放射線をかけられている方の3回目の手術の後、水頭症になり、頭にシャントを通せる場所が無くてというのが1例、肥大型心筋症からくる脳塞栓症で外減圧後感染を起こし、感染後の水頭症というのが1例、というのが経験例です。
正常圧水頭症例の経験はありません。
タップテストは何回か行ったことがありますが、腰椎ドレナージまでは施行しませんでした。指導医もやってみようかとはいいませんでした。たいてい入院したときはよれよれの御老人ですので、ドレナージしてしばりつけておくのは非常に侵襲が高いと思われあまり気がすすみません。
他の先生にもうかがってみます。