今日の夕食時、新聞の小さな囲み記事に目が行く。柴田宵曲という初めての人について、文芸評論家の川本三郎氏が小文を書いている。読んでいくと興味深い人である。すぐに魅かれる。
柴田宵曲 (1897-1966、明治30年-昭和41年)
俳句を正岡子規の弟子に学び、江戸や明治の過去に遊ぶ。世に認められることを欲せず、世捨て人か隠者のように都会の片隅に身を潜め古書をいじり、現代に興味を示すことなく昔の東京に夢を遊ばせていたという。これを読んだ時、以前に触れた古代を専門にする哲学者にして歴史学者のジェルファニョンのことを思い出した。
味のある文章を書いたとされている。面白そうな題名の本も書いている。十年ほど前に小沢書店から出た「柴田宵曲文集」全8巻は今や絶版。手に入るものから、ご相伴に預かりたいものである。