『キングダムハーツ Re:コーデット』
対応ハード : ニンテンドーDS
発売日 : 2010/10/07
希望小売価格 : 5,490円(税込)
ジャンル : ロールプレイングゲーム
プレイ人数 : 1人
CERO : A(全年齢対象)
◆-参考データ-------------------------◆
購入価格 : 1,200円(新品)
プレイ内容 : シナリオクリア
シナリオクリアまでのプレイ時間(目安) : ●●○○○
●○○○○ … 5時間未満
●●○○○ … 5~15時間
●●●○○ … 15~30時間
●●●●○ … 30~50時間
●●●●● … 50時間以上
◆-----------------------------------◆
※ニンテンドー3DSでプレイしています。
操作スタイルで違いがあるので、感想のなかでお話していきます。
●= バグに侵された「ジミニーメモ」を取り戻せ! =●
今作は、様々なゲーム機で発売されている『キングダムハーツ』シリーズの最新作です。
携帯アプリで配信中の『キングダムハーツ コーデット』のリメイク作品で、『キングダムハーツII』の直後の物語となっています。
◆-- あらすじ --◆
二度の戦いを経て、城に戻ってきたミッキー達。相棒であるジミニーが、これまでの冒険をつづった「ジミニーメモ」を整理しようとすると…メモの内容がごっそり消滅。残っていた一文も、覚えのないものでした。
ミッキー達はその謎を解明すべく、ジミニーメモをデータ化することに。すると、バグに侵されていることが判明!
バグを取り除くため、ミッキー達はキーブレードに選ばれし少年「ソラ」のデータを、バグの世界に送り込みます。無事、データは取り戻せるのでしょうか?
●= 概要 =●
3Dのアクションゲームであることは、これまでのシリーズ作品と変わりありません。
また、1つずつ世界を巡っていくという流れも変わりありません。基本は、会話したり特定の場所に行ったり敵を倒したりしてストーリーを進めていき、その世界にいるボスを倒すと次の世界に行けるようになります。
以下、システム的な特徴に軽く触れていきます。
◆-- オーバークロック --◆
上画面の、ソラの顔の左にあるゲージに注目してください。
攻撃を当てたり敵を倒すことで増えていき、ゲージが満タンになるとレベルが上がっていきます。放置していると減っていきます。
そして、ゲージのレベルに応じて、下画面に表示されている能力が追加されます。ゲージがレベル2になっていれば、レベル2の能力を得ているわけです。
また、ゲージのレベルが「MAX」の状態で満タンになると、攻撃ボタンで強力なフィニッシュ攻撃が繰り出せます。
キーブレードの種類によってそれぞれ異なる操作を要求されます。
◆-- 成長システム --◆
大きく分けると、2つあります。
1つは、ソラ自身の能力を上げていく「ステータスマトリックス」です。
すごろくのようにビッシリと並べられている、マス目のようなボードがあります。そこに、様々な能力のチップをはめ込んでいくことで、ソラの能力が上がります。チップは、他のチップの隣にしか配置できません。
また、巨大チップの隣にまでチップを配置する事で、新たな能力を覚えたり、配置されているチップの能力がさらに上がったりします。なかには、獲得できるお金を増やす代わりに最大HPが少なくなるなど、システムのバランスを変更できるものもあります。
もう1つは、技を成長させていく「コマンドマトリックス」です。
装備したコマンド(必殺技やアイテム)は戦闘中で使用できるわけですが…今作では、1つのスロットに2つのコマンドを装備することで、より強力になったコマンドを使用することができます。
また、コマンドを使用していくとコマンド毎の経験値がどんどん増えて…2つのコマンドの経験値がたまると、合成することができます。2つのコマンドはなくなってしまいますが、さらに強力になったコマンドが生まれます。これを繰り返して、コマンドの能力をどんどん上げていきましょう。
◆-- システムエリアについて --◆
ストーリーを進めていくと、普段とは違う形になって先に進めないフィールドが出てきたりします。
解消するにはまず、フィールド内に隠れている「バックドア」という場所を探します。発見すると、そこから「システムエリア」というバグだらけのエリアに侵入します。
システムエリア内には、バグに侵された敵キャラがいます。全部倒すことでシステムエリアが解放され、次のエリアに挑戦できます。
全てのシステムエリアを解放すれば、フィールドが元通りの姿に戻って、先に進めるようになります。
また、それぞれのシステムエリアには「ミッション」が設定されています。
「DP」(画像の左上)を賭けてミッションに挑戦し、条件を満たした状態でシステムエリアを解放すれば、DPが数倍になって返ってきます。
DPは、全システムエリアを開放した時に、様々なアイテムと交換できます。
◆-- 特殊なバトルについて --◆
それぞれの世界にある「鍵穴」から、その世界の最終ステージ&ボス戦へと突入します。
鍵穴のステージでは、普段とは違うスタイルで戦います。
例えば、上の画像。操作は同じですが、2Dスクロールアクションになっています。
落とし穴に落下したり、強制スクロールする画面の外に出てしまうと大ダメージを受けてしまいます。
また、コマンドは使用できない代わりに、ステージ上にあるダイヤ型のアイテムを獲得することで、一定回数だけ必殺技を使用できます。
スタイルは世界によって変わり、他にも『スペースハリアー』風のシューティングになったり、いわゆる『ファイナルファンタジー』風コマンド戦闘のRPGスタイルになったりと、様々なスタイルでの戦いが待ち受けています。
■== partygameの評価 ==■ … 62点(100点満点)
『358/2 days』よりは良くなったかな
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
|-- ○成長システムが分かりやすい --|
「ステータスマトリックス」は、最初見たときちょっと不安でしたが、理解すればとても単純。「コマンドマトリックス」も単純明快。
敷居はわりと低くできており、この点はこれまでのシリーズ作品と比較しても好印象でした。
|-- △ストーリーについて --|
ストーリーや登場する世界は、初代『キングダムハーツ』とほぼ同じです。まあ…DSということで、登場する世界の数やエリアそのものが縮小されていたりしますが、フィールドの形もほとんどそのまま。BGMもそのままなので、初代のプレイ経験がある人なら懐かしく感じられるでしょう。
まあ、悪く言えば使いまわしということですが…そもそもこの作品自体がリメイクですし。初心に返れるということで、いいんじゃないでしょうか?
あと、今回はこれまでのシリーズ作品の「おさらい」という位置づけとなっていて、それなら初代から『キングダムハーツII』まで遊べたりするのかな~と期待していましたが…残念ながら、IIの世界は出てきませんでした。なので、まだ終わりじゃないと思っていたら終わっちゃった…という感じでした。
というか、最後にバグの真相が語られるわけですが、個人的には屁理屈に聞こえたというか。実は簡単な言葉で伝えられることを、遠まわし遠まわしに言われている気がしました。というか、ハッキリとは理解できてなかったりして(笑)
|-- △バトルシステムの操作について --|
基本は、PSPの『キングダムハーツ バース バイ スリープ』と同じです。
PSPで感じていた良し悪しは今作でも同じで、やはり多少慣れは必要だと思います。ただ、わりと上手いことDSのボタン操作に落とし込んでいるように思いました。もちろん、PSPよりは快適さが劣りますけどね。
「オーバークロック」のフィニッシュ攻撃も相変わらず使いづらいです。自分の好きなタイミングでは使えない仕様です。
あと、今回私はニンテンドー3DSでプレイしており、スライドパッドによる操作のおかげで移動は苦に感じていませんが、十字ボタンだとやはり少々苦しいです。
そして当然のことですが、スライドパッドで操作しても、ソラが移動するのは8方向です。
|-- △難易度のバランスについて --|
これまでのシリーズ作品と違って、今回は「ステータスマトリックス」でいつでも難易度を変えられるので、全然マシです。ただ、それでもなんか…相変わらずヘンに難しいんですよね。
敵が強い弱いはともかくとしまして、そもそも気になるのは、アクションの腕前がけっこう必要なことです。DSなのに、バグブロック1個の上を正確に乗り継いでいくアクションが、最初の頃から度々要求されたりします。
しかも、それが面白いのならいいんですが、正直言ってあまり面白いとは感じません。ただ難しいという感じです。「難しいけど面白いゲーム」になっていれば良かったんですが…。
|-- ×特殊なバトルについて --|
個人的には、序盤でかなり不安を感じました。
序盤で出てきた2Dスクロールアクションタイプが、やたら難しかったんですよね…。そこそこステージは長かったですし、ゲームオーバーになるとステージの最初からですからね。しかも、1つ上で話したのと同じで、攻略を楽しいとは感じなかったですし。正直、かなりテンション下がりました。
その後にプレイした、シューティングタイプとかコマンド戦闘とかは、そっちはそっちで気になることはありましたが、まだ楽しめたほうでした。なので、個人的にはそれでチャラにしてもいいんですが…やはり序盤の2Dスクロールアクションは「ないわ~」と思います。
あと、疑問がもう2つ。
そもそも、この特殊バトルでは様々なジャンルのゲームが詰め込まれていますが、シューティングなんて好き嫌いがあるわけですし、難易度もそこそこ高いので、嫌いなジャンルがあって楽しめない人が多いんじゃないかと思いました。無駄に敷居を高くしている印象です。
そして、ほとんどの特殊バトルでは、ソラ自身の能力やコマンドが制限されます。成長させて強くして、いざボス戦!と思っても、このシステムでは…せっかく育てた努力もあまり意味がありません。ボス戦くらい、普通に戦わせてくれ!と思ってしまいました。(後半のほうは普通に戦わせてくれますが)
アクセントを加えたかったんだろうな~という開発者の意図は伝わりますが、結果的にデメリットのほうを強く感じてしまいました。
◆-- 総評 --◆
根本的なシステムは、良くも悪くもこれまで通りです。しかし、クエストの繰り返しだけという印象だった『キングダムハーツ 358/2 days』と比べると、本来のシリーズ作品のように各世界を自由に歩き回れるので、まだシリーズ作品らしさが楽しめたように思います。久々にソラを主人公として操作できましたし、初代『キングダムハーツ』のような懐かしさも楽しめましたので、いわゆる「思い出補正」のおかげで楽しめたところもあります。
あとは、特殊バトルの仕様に耐えられるか…ですね。特に2Dアクション。いくら「ついで」とはいえ、少しはマリオやロックマンを見習ってほしいです。
一応、今回の物語でIIのエンディングにつながったので、そろそろ次あたり、ナンバリングの続編が出てくれそうです。
もしかしたら3DS版がそれになるのかな…?
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