セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

Wii『毛糸のカービィ』 ファーストインプレッション

2010年10月15日 16時59分51秒 | 【旧】購入・レビュー話


毛糸のカービィ
対応ハード : DS
発売元 : 任天堂
開発 : ハル研究所グッド・フィール
発売日 : 2010/10/14
希望小売価格 : 5,800円(税込)
ジャンル : アクション
プレイ人数 : 1~2人(セーブデータ3つ)
CERO : A(全年齢対象)

参考データ--------------------------
購入価格:4,618円(新品)
プレイ時間:約1時間
進行度:最初のワールドをクリア(全5ステージ)
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●カービィ、毛糸の世界へ
今作は、任天堂の人気キャラクター「カービィ」のシリーズ最新作です。
据え置き型ゲーム機では『星のカービィ64』以来、10年ぶりの発売となります。

これまでのカービィの「吸い込む」という基本アクションを思い切って排除し、毛糸と布の世界ならではのアクションで様々なステージに挑んでいきます。

◆あらすじ
カービィが暮らすプププランドは、今日も平和です。

ある日、草むらに生えたトマトを見つけ、カービィがお得意の吸い込みで食べようとします。すると、そのトマトにくっ付いて、毛糸だけで出来た怪人が現れました。
怪人の「やめて~」という声も聞かずにトマトを吸い込んだ次の瞬間!カービィは、怪人の首にぶら下がっていた靴下の中へと吸い込まれていきました…。

ふと目が覚めると、そこは不思議な毛糸の世界。カービィ自身も毛糸の姿になっていました。そこへ、敵に追いかけられている人が!
ここはお得意の吸い込みで…と思ったら、体が毛糸になってしまったため、吸い込んでもすぐに空気が抜けてしまいます。
どうしよう?どうしよう?そう思ったら、カービィが車に変身!追いかけられていた人を乗せて、さっそうと逃げ去ることができました。どうやらカービィは、「メタモルトマト」と呼ばれるあのトマトを食べたことで、様々な形に変身できるようになったようです。

追いかけられていた人の名前はフリッフ。彼はこの世界の王子で、世界が怪人によってバラバラにされてしまったので、それを元に戻すために「まほうのけいと」を探していたのです。
カービィは、その「まほうのけいと」を探す手伝いをすることに。こうして、毛糸の世界での大冒険が始まったのです…。


●基本的な流れ
基本は、これまでのシリーズ作品と同じで、ステージクリア型のスクロールアクションゲームです。

舞台となる毛糸の世界を歩き、挑戦するステージを選択します。
ステージをクリアすることで「ワッペン」が手に入り、ステージ選択マップまで戻ってきたらワッペンを投げることで、マップが変化して新しいステージが出現します。
ワールドの最後にはボスが待ち受けており、ボスを倒すことで「まほうのけいと」が手に入り、新たなワールドへと進めるようになります。

ちなみに、今作には残機やゲームオーバーといった概念はありません。
詳しいことは、下記の「ゲームシステムについて」をご参照ください。


●操作方法
今作は、Wiiリモコン横持ちでプレイします。

十字ボタン左右 … 移動
十字ボタン左右を2回押し … ダッシュ

ダッシュすると、カービィが車になります。

十字ボタン下 … しゃがむ
十字ボタン上 … 扉に入る

お馴染みの効果音とともに扉に入ります。が、今回はエリア移動をするわけではありません。扉を通して、ステージの「表側」と「裏側」を行き来するという形になっています。

2ボタン … ジャンプ
ジャンプ中にもう一度2ボタンを押しっぱなし … パラシュート

パラシュートになっている間は、ゆっくりと落下します。

ジャンプ中に十字ボタン下 … プレス
「おもり」になって真下に落下します。

1ボタン … 毛糸を引っ掛ける
毛糸を前方に投げつけ、敵や様々なギミックに引っ掛けます。十字ボタン上を押しながらだと、真上に投げつけます。
引っ掛けることで、敵やブロックをほどく(倒す・壊す)ことができますし、引っ張って布をはがしたりできます。

水中で十字ボタン … 泳ぐ
水中で十字ボタン+2ボタン … 早く泳ぐ

水中に入ると、カービィは潜水艦になります。水中でも1ボタンで毛糸を引っ掛けることができます。

+ボタン … メニュー画面を開く


●ゲームシステムについて
◆ビーズについて
ステージのあちこちにあります。まあ、お金のようなものだと思ってください。
ステージクリア時に、獲得したピーズに応じてメダルを獲得します。「金」「銀」「銅」の3種類があり、金が一番良い成績です。

また、ピーズを連続で集め続けると「チェイン」が発生し、チェインを長く続けておけば、ステージクリア時にボーナスピーズを貰えます。

◆ミスについて
敵の攻撃に当たるとミスで、持っているピーズを大量にばら撒いてしまいます。また、チェインが0になってしまいます。落としてしまったピーズはすぐに回収しないと、消えてしまいます。まあ、ソニックと同じだと思ってください。
(※トゲトゲでない敵にぶつかっても、ミスにはなりません)

また、穴に落ちた場合は「エンジィ」という鳥に助けられて地面のあるところまで戻してくれますが、戻るまでの間に大量にピーズを落としてしまいます。

ちなみに、ミスによって所定の位置からやり直すという概念はありません。
ピーズが0の時にミスをしても、何もデメリットはありません。

◆ステージクリアについて
ステージを奥へ奥へと進んでいき、一番奥にあるルーレットの中心にあるベルに、毛糸を引っ掛けるとステージクリアとなります。ルーレットが止まった場所に応じて、ボーナスピーズがもらえます。(ルーレットの内容は、ステージ中にある星マークのアイテムを獲得することで、より良い内容のものになります)
クリア後は、ステージで獲得したピーズに加え、「チェイン」によるボーナスピーズや、ステージで見つけた宝物(1ステージにつき3つ)によるボーナスピーズを獲得します。

◆マンションについて
集めたピーズで「マンションの増築」をすることができます。
マンションには住人が住んでおり、話しかけると、それまでにクリアしたステージを少し違うルールで遊ぶことができます。おそらく、増築をすることで住人がどんどん増えて、遊べるルールも増えていくようです。
ただし、マンションに住人を増やすには「もようがえ」をする必要があります。

◆もようがえ
ステージ内にある宝箱から出てきた宝物を使って、部屋の模様替えをすることができます。
カービィ自身の部屋で自由に模様替えをすることができる他、マンションの空き部屋に「影に合わせて正しく模様替え」をすることで、住人がその部屋に住んでくれるようになります。

「もようがえ」の時のみ、Wiiリモコンを縦持ちで操作します。
Wiiリモコンを動かしてポインタを操作し、Aボタンで選択。Bボタンでキャンセルです。


●引っ掛けてのアクションについて
1ボタンで毛糸を引っ掛けてのアクションは、色々とあります。

◆毛糸玉について
敵やブロックに毛糸を引っ掛けた時、2ボタンを押しっぱなしにしていると、引っ掛けた毛糸を巻き取って、毛糸玉を獲得できます。
獲得した毛糸玉は、投げて敵やブロックに当てるなどできます。十字ボタン下でその場に置くことも出来ます。

◆ブロック
毛糸でできたブロックは1ボタンで引っ掛けてほどくことができますが、布でできたブロックは、毛糸玉をぶつけて壊さないといけません。
また、黒いブロックもありますが、カービィのアクションでは壊すことができないようです。はて…?

◆ボタン
ボタンに向かって引っ掛けると、カービィがブランコ状態になります。
十字ボタン左右で振り子運動をおこない、2ボタンでジャンプします。

◆メタモル能力
渦上の「メタモルリング」という物体に毛糸を引っ掛けると、メタモル能力が発動してカービィが変身します。
変身するものはステージによって異なり、また、操作方法も異なります。操作方法は、-ボタンでいつでも確認できます。
「リールゲート」という、毛糸を巻きつける棒のようなものがあるゲートを通過すると、メタモル能力が解除されます。


◆partygameの評価◆…73点(100点満点)
ゲームオーバーの概念がないことを、何と見るか…?

○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点

○不思議でかわいらしい世界
元々が和やかな世界ですが、毛糸の表現によってさらに和やかになりました。
物語も絵本のように読み上げられながら進んでいき、毛糸ならではの雰囲気は徹底しているという感じです。
毛糸+アクションというと『リトルビッグプラネット』を思い出しますが、それともまた違う感じですね。

ちなみに、お話はスキップすることもできます。本当に絵本を読み上げるようにじっくり進むので、面倒な人はスキップしちゃってください。

△毛糸ならではのアクションは確かに面白い…が
見た目だけでなく、仕掛けそのものも毛糸の世界ならでは。別にそんなに頭を使うわけでもなく、簡単なアクションで今までにないようなギミックを楽しむことができます。
ただ…どうしても「1ボタンで引っ掛ける」が基本になってくるため、はたして最後までテンションを持続できるだけのギミックのネタはあるのか?が、ちょっと心配なところです。

△ゲームオーバーの概念がないことについて
2Dアクションゲームとしては珍しい仕様で、どんなに攻撃を受けても穴に落ちても、やり直すことはありません。ピーズを落とすので成績は悪くなるでしょうが、まさに文字通り誰でもクリアすることができます。(もちろんアクションに手こずったりすれば時間はかかりますが…)
この仕様をどう受け止めるか?が、このゲームのポイントですね。おそらく大半のゲームユーザーが「ないわ~」とか「子供向け」とか思うでしょうし、私も正直なところいちゲーマーとしては、どうしても達成感に欠けると感じてしまったのは否めないです。

ただ、所詮はゲーマーの考えだとも思うわけで…ゲーマーはこの仕様だと「クリアし甲斐がない」という理由であまり続けたくなくなるかもしれませんが、一方で従来のアクションゲームが「失敗したらやり直し」というのが当たり前になっているのがイヤだと思う人もいます。そういう人からすれば、この仕様は有難いと思うハズです。
なので、一概にこの仕様を否定するつもりはありません。ただし、一個人としてはちょいと達成感に欠ける気がした…という本音だけは言っておきます。

△コピー能力の概念がないことについて
何度も言っている通り、今回のカービィは「吸い込み」ができません。なので、当然ながら「コピー能力」も持っていません。これに加え、1つ上の「ゲームオーバーの概念がない」こともあって、良くも悪くも本当にシンプルなアクションゲームになっています。
「コピー能力がないぶん物足りない」なんて意見は、発売前から分かっているでしょ?って話なので今さら言うつもりもありません。それに、前作の『星のカービィ64』とかを少しプレイしてみて、個人的にはコピー能力が複雑になりすぎたようにも思ったわけです。なので、この仕様についてもまた、一概に否定はできないと思っています。

△二度手間セーブ
些細だとは思いつつも気になったことなんですが、ステージをクリアすると、次のステージが出現するワッペンを獲得して自動セーブされます。その後、ステージ選択マップに戻ってきて2ボタンでワッペンを投げると、マップの変化とともに新しいステージが登場して、またセーブ、と。
正直、この「ワッペンを投げる」というワンアクションは、二度手間の自動セーブを挟んでまで必要だったのかな?と思ってしまいました。正直、ステージクリアしたらマップに変化が起きる&新しいステージが出現してセーブ…で良かったのでは?と思ったのです。セーブ自体、たいして時間はかからないのでそのうち気にはならなくなると思いましたが、いちクリエーターとしてはちょっと気になってしまいました。


毛糸だけで作られた世界は、カービィのこれまでとはまた違う「かわいらしさ」を表現できています。そして、これまでのカービィと比べると、良くも悪くもかなりライトユーザー向けのシステムになっています。
ほとんどの人がカービィになくてはならないと思っている「吸い込み」や「コピー能力」、あるいはアクションゲームになくてはならないと思っている「ゲームオーバー」の概念などが全てないため、従来のカービィを求めて購入した大半の人は、おそらくガッカリすることでしょう。「こんなのカービィじゃない!」なんて言っている人の声が、手に取るように分かります(笑)

ただ個人的には、1つのゲームとして見ると今のところはそこまで悪いとは感じていないので、ひとまず最後までプレイはしてみようと思います。
見た目とギミックで、どこまで楽しませてくれるでしょうかね…?

シナリオクリア後に、セカンドインプレッションを書きます。


関連記事:
DS『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』 ファーストインプレッション(2006/11/01)
DS『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』 インプレッション(2008/11/08)

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