24日の経済財政諮問会議で、最低賃金を全国加重平均で1000円になることを目指すと。狙いの第1は経済の活性化であろう。異次元の金融緩和策がうまくいかない状況を改善したいと考えているようだ。株高や円安による輸出環境が良くなっているので企業は儲かっている。ところが企業は、経済が本格的な回復を見せていないと判断し、設備投資や大幅賃金アップを控えていて、利益は企業の内部留保にため込んでいる。安倍はこの実態にイラついている。首相が率先して最低賃金をあげることを口にするのは異例。安倍は賃金アップも口にしている。このことはもう一つ重要な意味を持っている。政府が賃上げや最賃アップを口にすることは、労働組合の存在価値がなくなる危険がある。組合が交渉や闘争をしなくても政府が企業に要求し、それに応じる企業が出てきたら、労働者は組合に入っている意味はなくなる。現在でも組合の意義が小さくなっているのに、さらなる打撃が加わった格好である。組合の弱体化がさらに進みそうだ。危険である。
企業に対しても労働組合に対しても政府の政治的力が強化されている。先の安保法制関連法案の審議過程を見ても、政府の力が大きくなっている。さらに、イスラム過激派の攻撃が活発になっているので、日本の治安対策が強まっている。サミットもあり、また東京五輪へ向けても治安を強化するだろう。すでに都庁の警備が強化されている。こうした動きに対して、反対の運動をしっかり構築していく必要がある。ここの対応ではなく。